アカタコノキ

アカタコノキ
アカタコノキの実
(2024年12月 沖縄県石垣市)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: タコノキ目 Pandanales
: タコノキ科 Pandanaceae
: タコノキ属 Pandanus
: アカタコノキ
P. utilis
学名
Pandanus utilis Bory
和名
アカタコノキ
英名
screw pine
アカタコノキ(2024年12月 沖縄県石垣市 玉取崎)
株元に落ちた種子から発芽(2024年4月 沖縄県石垣市)
葉縁と葉裏中肋の赤い鋸歯(2024年4月 沖縄県石垣市)
雄花(2025年1月 沖縄県本部町 熱帯ドリームセンター)

アカタコノキ(別名 ビヨウタコノキ、ビョウタコノキ、学名:Pandanus utilis[1]タコノキ科タコノキ属常緑高木

特徴

雌雄異株。高さ2–6 mのものが多いが、原産地では20 mに達する。株元は単幹だが上方で分枝し、基部には気根が伸びて支柱根となる。葉は長さ50–100 cm、幅5–10 cmで、アダンタコノキより広く短い葉が枝先にらせん状につく(英名の由来)。葉縁と葉裏の中肋上に赤褐色の細かく鋭い鋸歯があり、和名はこの赤いトゲに由来する。花は黄白色で夏に咲く。集合果は100個近くの核果からなり、長さ15–20 cm前後で茎頂から垂れ下がる。核果は外側が緑色で内部は橙色、先がやや尖る扁平な形で、秋~冬に実る。小笠原に自生するタコノキに似るが、実が大型で先端の形が異なる[2][3][4][5][6][7]

分布と生育環境

マダガスカル東方沖のマスカリン諸島原産[7][8]

利用

樹形が美しく、街路樹、公園樹、庭園樹として各地で植栽される[3][4][7]。実生、株分け、挿し木で繁殖可能[2][3]。日当たりが良く、腐植質に富み、排水の良い砂混じりの土壌が植栽に適する。耐潮・耐風性が強く栽培は容易。病虫害は少ない。葉は屋根葺き、籠、敷物、手芸品に利用される[3]。果実は可食だが味はなく、海外では調理して食される[5]

脚注

  1. ^ Pandanus utilis Bory”. YList 植物和名-学名インデックス. ylist.info. 2025年2月16日閲覧。
  2. ^ a b (池原 1989, p. 97)
  3. ^ a b c d (海洋博記念公園管理財団 1997, p. 245)
  4. ^ a b (大川 & 林 2016, p. 61)
  5. ^ a b (日本インドア・グリーン協会 2020, p. 69)
  6. ^ (沖田原 2021, p. 51)
  7. ^ a b c (林 & 名嘉 2023, p. 198)
  8. ^ Pandanus utilis Bory” (英語). Plants of the World Online. Kew Science. 2025年2月16日閲覧。

参考文献

  • 池原直樹「ビョウタコノキ(アカタコノキ)」『沖縄植物野外活用図鑑 第9巻 あかね科~らん科』新星図書出版、1989年。 
  • 海洋博記念公園管理財団「ビョウタコノキ」『沖縄の都市緑化植物図鑑』新星出版、那覇市、1997年。ISBN 9784902193732 
  • 大川智史; 林将之「ビヨウタコノキ」『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024 
  • 日本インドア・グリーン協会「アカタコノキ」『熱帯植物図鑑』誠文堂新光社、東京都文京区、2020年。ISBN 9784416918852 
  • 沖田原耕作「ビヨウタコノキ」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832 
  • 林将之; 名嘉初美「アカタコノキ」『沖縄の身近な植物図鑑』(第2版)ボーダーインク、2023年。ISBN 9784899824350 

外部リンク