アル・ダウニング

アル・ダウニング
Al Downing
1965年
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニュージャージー州トレントン
生年月日 (1941-06-28) 1941年6月28日(82歳)
身長
体重
5' 11" =約180.3 cm
175 lb =約79.4 kg
選手情報
投球・打席 左投右打
ポジション 投手
プロ入り 1961年 アマチュアFA
初出場 1961年7月19日
最終出場 1977年7月13日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

アル・ダウニング(Alphonso Erwin Downing、1941年6月28日 - )は、アメリカ合衆国ニュージャージー州トレントン出身の元MLB投手。左投右打。

ハンク・アーロンベーブ・ルースの記録を破る通算715号本塁打を打たれた投手として知られる。

経歴

1961年ニューヨーク・ヤンキースと契約し、7月19日の対ワシントン・セネタース戦に先発しメジャーデビュー。しかし1回0/3、5失点で敗戦投手となった。3年目の1963年に初勝利を挙げ、その年から5年連続で2ケタ勝利を記録。1963年・1964年にはワールドシリーズに出場した。1967年にはMLBオールスターゲームに初出場。同年8月11日の対クリーブランド・インディアンス戦の2回裏には、メジャー史上13人目の3者連続3球三振を達成した。

1968年初めに速球の投げ過ぎから肩を故障し、シーズン途中にマイナーリーグ降格も経験した。その後はかつての勢いのある速球は姿を消し、スローカーブスクリューボールなど変化球で勝負するスタイルに変え、オークランド・アスレチックスミルウォーキー・ブルワーズと移籍するが活躍できないシーズンが続いた[1]

1971年ロサンゼルス・ドジャースに移籍し、20勝9敗、防御率2.68と復活し、カムバック賞を受賞。サイ・ヤング賞の投票ではファーガソン・ジェンキンストム・シーバーに次ぐ3位だった。

1974年4月8日アトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアムで行われた対アトランタ・ブレーブス戦に先発。4日前の試合でベーブ・ルースに並ぶ通算714号本塁打を打ったブレーブスの4番ハンク・アーロンと対戦することになった。2回裏の第1打席は四球で歩かせ、53,775人の大観衆からブーイングを浴びた。ノーアウト1塁で迎えた4回裏の第2打席に、メジャー新記録となる715号本塁打を打たれた。

1974年は5勝を挙げワールドシリーズにも出場したが、1975年は2勝、1976年は1勝に終わり、1977年7月21日にドジャースから解雇され引退した。

通算成績 405試合登板 123勝107敗 1639奪三振 防御率3.22

2021年にアーロンが死去した際には悲しむとともに、715号を打たれたときに拍手を送ったこと、翌日にアーロンから「あなたは素晴らしいキャリアの持ち主なのだから715号本塁打を打たれたことを恥ずかしがることはない」という言葉を直接伝えられたことを電話での取材に対して述べた[2]

記録・タイトル

年度別投手成績





















































W
H
I
P
1961 NYY 5 1 0 0 0 0 1 0 0 .000 47 9.0 7 0 12 0 1 12 1 1 8 8 8.00 2.11
1962 1 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1.0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0.00 0.00
1963 24 22 10 4 13 5 0 0 .722 707 175.2 114 7 80 1 0 171 5 1 52 50 2.56 1.10
1964 37 35 11 1 13 8 2 0 .619 1041 244.0 201 18 120 5 0 217 14 3 104 94 3.47 1.32
1965 35 32 8 2 12 14 0 1 .462 902 212.0 185 16 105 2 2 179 5 1 92 80 3.40 1.37
1966 30 30 1 0 10 11 0 0 .476 845 200.0 178 23 79 3 1 152 4 0 90 79 3.56 1.29
1967 31 28 10 4 14 10 0 0 .583 807 201.2 158 13 61 1 6 171 5 0 65 59 2.63 1.09
1968 15 12 1 0 3 3 0 0 .500 256 61.1 54 7 20 2 1 40 1 1 24 24 3.52 1.21
1969 30 15 5 1 7 5 0 0 .583 550 130.2 117 12 49 6 0 85 5 0 57 49 3.38 1.27
1970 OAK 10 6 1 0 3 3 0 0 .500 180 41.0 39 5 22 0 1 26 0 0 19 18 3.95 1.49
MIL 17 16 1 0 2 10 0 0 .167 415 94.1 79 8 59 2 3 53 8 0 47 35 3.34 1.46
'70計 27 22 2 0 5 13 0 0 .278 595 135.1 118 13 81 2 4 79 8 0 66 53 3.52 1.47
1971 LAD 37 36 12 5 20 9 0 0 .690 1095 262.1 245 16 84 3 3 136 12 1 93 78 2.68 1.25
1972 31 30 7 4 9 9 0 0 .500 868 202.2 196 13 67 2 7 117 2 1 81 67 2.98 1.30
1973 30 28 5 2 9 9 0 0 .500 790 193.0 155 19 68 3 1 124 7 1 87 71 3.31 1.16
1974 21 16 1 1 5 6 0 0 .455 427 98.1 94 7 45 0 3 63 3 0 52 40 3.66 1.41
1975 22 6 0 0 0 2 1 1 0 .667 311 74.2 59 6 28 1 2 39 2 1 31 24 2.89 1.17
1976 17 3 0 0 0 1 2 0 0 .333 196 46.2 43 3 18 1 0 30 2 0 21 20 3.86 1.31
1977 12 1 0 0 0 0 1 0 0 .000 99 20.0 22 4 16 0 0 23 1 0 15 15 6.75 1.90
MLB:17年 405 317 73 24 123 107 3 1 .535 9539 2268.1 1946 177 933 32 31 1639 77 11 938 811 3.22 1.27
  • オールスター1回出場 (1967年)
  • 最多奪三振1回 (1964年)
  • カムバック賞 (1971年)

脚注

  1. ^ 伊東一雄. メジャーリーグこそ我が人生:パンチョ伊東の全仕事. サンケイスポーツ. p. 228-229. ISBN 978-4594041175 
  2. ^ “Downing, pitcher for 715, reflects on Aaron” (英語). MLB News. (2021年1月22日). https://www.mlb.com/news/al-downing-remembers-hank-aaron-hr-715 2021年1月23日閲覧。 

関連項目

外部リンク