ジョン・チャドウィック

ジョン・チャドウィック(John Chadwick, 1920年5月21日 - 1998年11月24日)はイギリスの言語学者で、マイケル・ヴェントリスとともに線文字Bを解読したことで知られる[1]

リッチモンド・アポン・テムズ・ロンドン特別区East Sheen生まれ。ケンブリッジ大学コーパス・クリスティ・カレッジ言語学を学んだ。第二次世界大戦では英海軍に勤務し、イタリア海軍の暗号解読に続き、1944年には日本語学習を命じられ、その後日本海軍がストックホルムやベルリンなどに送る通信文の暗号解読に関わった。戦後、オックスフォード大学でラテン語辞典の編纂に携わり、ケンブリッジ大学では古典文献学を研究した。1952年から建築家のマイケル=ヴェントリスとともに線文字Bの解読に取り組み、1953年に発表した。線文字Bが古いギリシア語であると直感的に気付いたヴェントリスに対しチャドウィックは初め批判的だったが、まもなくギリシア語説を認め、古典ギリシア語の知識を武器として言語学者としては素人のヴェントリスに助言を与え、とともに研究を進めた。

ヴェントリスの事故死(1956年)後も線文字B研究を進め、イギリス学士院会員、ケンブリッジ大学ダーウィンカレッジに所属し、この分野の権威とされた。

脚注

  1. ^ ジョン・チャドウィック 著、大城功 訳『線文字Bの解読』みすず書房、1976年(原著1958年)。 

参考文献