ビル・マゼロスキー

ビル・マゼロスキー
Bill Mazeroski
2010年
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ウェストバージニア州ホイーリング
生年月日 (1936-09-05) 1936年9月5日(87歳)
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 内野手二塁手
プロ入り 1954年
初出場 1956年7月7日
最終出場 1972年10月4日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
殿堂表彰者
選出年 2001年
選出方法 ベテランズ委員会選出

ウィリアム・スタンリー・マゼロスキーWilliam Stanley Mazeroski, 1936年9月5日 - )は、アメリカ合衆国ウェストバージニア州ホイーリング出身の元プロ野球選手二塁手)。右投右打。ニックネームは「Maz(マズ)」

経歴

現役時代

1954年に17歳でピッツバーグ・パイレーツと契約し、1956年7月7日に19歳10か月でメジャーデビュー。以後、1972年を最後に現役引退するまで、パイレーツ一筋に二塁手として活躍。 軽快な守備ですぐにレギュラーとなり、1958年には初のオールスター出場を果たす。同年初のゴールドグラブ賞に選出された。 この年には打撃面でも打率.275、本塁打19、打点68と活躍し、ナ・リーグMVP投票でも8位に入った。

特に守備面では卓越しており、通算守備率は.983。ナショナルリーグゴールドグラブ賞に輝くこと8回。通算1706回の併殺に参加し、これはMLB歴代記録である。 パイレーツの名アナウンサー、ボブ・プリンスは「ザ・グローブ」と称えた。 17年間のキャリアで3個しかグローブを使わず、くたびれたグローブはチームメイトから「パンケーキ」と野次られた。 一度、チームメイトのいたずらでグローブにバターシロップを塗られたことがあったが、それを修繕してまた使ったという。

1960年にはチームがリーグ優勝を果たし、ニューヨーク・ヤンキースとのワールドシリーズに駒を進める。 3勝3敗で迎えた第7戦(フォーブス・フィールド)は、MLBの歴史に残る1戦となった。 序盤パイレーツが4-0とリードするが、強打のヤンキースは5回から8回までに7点を取り逆転。 8回裏パイレーツが5点を取り9-7と逆転するが、9回表ヤンキースは2点を取って同点に追いつく。 そして9回裏、マゼロスキーがワールドシリーズ最終戦としては史上初のサヨナラ本塁打を打って、不利が予想されたパイレーツが4勝3敗でヤンキースを下した。 このシリーズを通じて、ヤンキースの55得点に対しパイレーツは27得点。安打数でも91対60と完敗であったが、シリーズには勝った。 この活躍で、マゼロスキーはベーブ・ルース賞に選ばれた。

ワールドシリーズ最終戦のサヨナラ本塁打は、その後1993年のワールドシリーズジョー・カーターまでなかった。この時のカーターは第6戦であり、3勝3敗の第7戦でサヨナラ本塁打を打ったのは、現時点でマゼロスキーのみである。なお、この際のホームランボールは、ファンの1人がキャッチしたが、ビール2ケースと交換にマゼロスキーの手に渡り、現在でもアメリカ野球殿堂に保管されている。

その後も、1966年に自己最多の82打点を記録するなど活躍を続ける。 1969年以後は出場機会が減るが、1971年のワールドシリーズ(対ボルチモア・オリオールズ)で自身2度目のワールドチャンピオンとなった。 翌1972年を最後に現役を引退。

引退後

マゼロスキーの背番号「9」。
ピッツバーグ・パイレーツの永久欠番1987年指定。

1987年8月7日にマゼロスキーの背番号『9』がパイレーツの永久欠番に指定される。

2001年ベテランズ委員会の選考でアメリカ野球殿堂入りを果たした。

現在は古巣パイレーツの特別アドバイザーとして、毎年スプリングトレーニングにて指導を行っている。また、2023年現在、マゼロスキーは存命する唯一のパイレーツ永久欠番選手である。

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
1956 PIT 81 277 255 30 62 8 1 3 81 14 0 0 4 0 18 1 0 24 4 .243 .293 .318 .611
1957 148 568 526 59 149 27 7 8 214 54 3 3 11 3 27 2 1 49 6 .283 .318 .407 .725
1958 152 607 567 69 156 24 6 19 249 68 1 1 9 3 25 3 3 71 15 .275 .308 .439 .747
1959 135 537 493 50 119 15 6 7 167 59 1 3 10 4 29 1 1 54 16 .241 .283 .339 .622
1960 151 591 538 58 147 21 5 11 211 64 4 0 4 8 40 15 1 50 9 .273 .320 .392 .712
1961 152 595 558 71 148 21 2 13 212 59 2 1 2 6 26 10 3 55 9 .265 .298 .380 .678
1962 159 617 572 55 155 24 9 14 239 81 0 3 2 4 37 16 2 47 15 .271 .315 .418 .733
1963 142 576 534 43 131 22 3 8 183 52 2 0 7 3 32 6 0 46 15 .245 .286 .343 .629
1964 162 644 601 66 161 22 8 10 229 64 1 1 10 4 29 11 0 52 21 .268 .300 .381 .681
1965 130 527 494 52 134 17 1 6 171 54 2 1 4 9 18 5 2 34 16 .271 .294 .346 .640
1966 162 660 621 56 163 22 7 16 247 82 4 3 2 5 31 9 1 62 16 .262 .296 .398 .694
1967 163 679 639 62 167 25 3 9 225 77 1 2 5 5 30 7 0 55 17 .261 .292 .352 .644
1968 143 556 506 36 127 18 2 3 158 42 3 4 6 4 38 10 2 38 18 .251 .304 .312 .616
1969 67 256 227 13 52 7 1 3 70 25 1 1 1 4 22 3 2 16 6 .229 .298 .308 .606
1970 112 404 367 29 84 14 0 7 119 39 2 0 5 3 27 9 2 40 6 .229 .283 .324 .607
1971 70 213 193 17 49 3 1 1 57 16 0 0 2 3 15 1 0 8 3 .254 .303 .295 .598
1972 34 72 64 3 12 4 0 0 16 3 0 0 3 2 3 1 0 5 2 .188 .217 .250 .467
MLB:17年 2163 8379 7755 769 2016 294 62 138 2848 853 27 23 87 70 447 110 20 706 194 .260 .299 .367 .666
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



二塁(2B) 三塁(3B)
























1956 PIT 81 163 242 8 56 .981 -
1957 144 308 443 17 96 .978 -
1958 152 344 496 17 118 .980 -
1959 133 303 373 13 100 .981 -
1960 151 413 449 10 127 .989 -
1961 152 410 505 23 144 .975 -
1962 159 425 509 14 138 .985 -
1963 138 340 506 14 131 .984 -
1964 162 346 543 23 122 .975 -
1965 127 290 439 9 113 .988 -
1966 162 411 538 8 161 .992 -
1967 163 417 498 18 131 .981 -
1968 142 319 467 15 107 .981 -
1969 65 134 192 4 46 .988 -
1970 102 227 325 7 87 .987 -
1971 46 95 121 3 22 .986 7 2 5 0 0 1.000
1972 15 29 39 1 7 .986 15 0 4 0 0 1.000
MLB 2094 4974 6685 204 1706 .983 10 2 9 0 0 1.000
  • 各年度の太字はリーグ最高、赤文字はMLBの二塁手における歴代最高
  • 太字年ゴールドグラブ賞受賞

表彰

記録

背番号

  • 9(1956年 - 1973年、1979年 - 1980年)

関連項目

外部リンク