フォルクスワーゲン・T-Roc
T-Roc (ティーロック)はフォルクスワーゲンが製造・販売しているコンパクトクロスオーバーSUV(以下CUV)である。
フォルクスワーゲン・T-Roc | |
---|---|
フロント | |
リア | |
概要 | |
製造国 |
ポルトガル 中華人民共和国 ドイツ (カブリオレ) |
販売期間 | 2017年- |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
5ドアCUV 2ドアカブリオレCUV |
駆動方式 |
FF AWD |
パワートレイン | |
変速機 |
6MT 7DSG |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,590mm |
全長 | 4,240~4,250mm |
全幅 | 1,825mm |
全高 | 1,590mm |
車両重量 | 1,420kg |
概要
2014年のジュネーヴ国際モーターショーでコンセプトカーとして発表され、2017年8月にフォルクスワーゲンにおいて4番目のSUV(CUV)として販売を開始した[1][2]。主なライバルは、プジョー・2008、アウディ・Q2、日産・ジュークなどである[3]。
アグレッシブなデザインとAWDを備えたオフロード車として設計され、もともとT-Rocは生産されず、代わりに将来のフォルクスワーゲンSUVのコンセプトをテストするために使用されると言われていたが後にT-Rocに関連する車が生産に達するかもしれないと述べられた。
プラットフォームはゴルフ、セアト・レオン 、アウディ・A3 、シュコダ・オクタヴィアと共有するMQBプラットフォームを使用している[4]。また、その構造から車は比較的軽いとされている[5][6]。
ドライバーが運転モードを切り替えてエンターテイメントシステムにアクセスできる12.3インチの画面があり、ゲージは、デジタルゲージを含む情報画面にも置き換えられる。
欧州向けは当初、フォルクスワーゲン・シャラン フォードギャラクシー合弁会社のために建てられたポルトガル・セトゥーバルの端にある工場で組み立てられる。 中国市場向けは 仏山市にある一汽フォルクスワーゲン合弁工場で組み立てられる[7]。
インドでは2020年ニューデリーオートエクスポで展示され、輸入車として販売開始した[8]。北米、メキシコ、アルゼンチン、ロシアなどCIS諸国、中東、北アフリカ、東南アジアでは販売されていない( トゥーラン・シャランMPVと同様)。
2020年7月15日に日本でも発売を開始。日本仕様では2.0L TDIエンジンが搭載され、「TDI Style」、「TDI Style Design Package」、「TDI Sport」、「TDI R-Line」の4グレードが設定される[9]。
同年12月4日に日本仕様車を仕様変更。エンブレムの意匠変更を行うとともに、フォルクスワーゲンの日本仕様車としては初採用となる常時コネクテッドのインフォテイメントシステム「Discover Media」を「TDI Style」を除く全てのグレードに標準設定した。
2021年5月13日に日本仕様車に1.5L TSIエンジン搭載モデル「TSI Style」、「TSI Style Design Package」を追加発売。併せて、TDIエンジン搭載モデルが一部改良され、「TDI Style」と「TDI Style Design Package」は標準搭載のインフォテイメントシステムをTSIエンジン搭載モデルと同じ「Ready 2 Discover」へ変更し、「TDI Sport」と「TDI R-Line」には電動パノラマスライディングルーフのオプション設定が追加された。
同年11月2日に日本仕様の特別仕様車「Black Style」が発売された。「TSI Style Design Package」「TDI Style Design Package」をベースに、フロントグリル下部・ウインドーフレーム・ストリップ(サイド・リア)・ルーフレール・専用デザインCピラーをブラックに変え、18インチアルミホイールを特別装備。さらに、パークディスタンスコントロール(フロント/リア、前進/後退時衝突被害軽減ブレーキ機能付)、オプティカルパーキングシステム、純正インフォテイメントシステム「Discover Media」を特別装備した。
2022年7月25日に日本仕様車をマイナーチェンジ[10]。ダッシュボードやドアトリムにステッチを施したソフト素材やレザレットを採用するなどインテリアの改良が行われ、インフォテイメントディスプレイはタブレットのように配置され、ステアリングホイールを新デザインに変更。デジタルメータークラスターやタッチコントロール式エアコンパネルは全車に標準装備された。外観も刷新されており、前後バンパーやライトまわりを変更。フロントグリルにはエンブレムを挟んで左右に一本のLEDストリップが設置され、フロントエプロンには六角形のデイタイムライニングライトが備わった。安全面では同一車線内全車速運転支援システム「Travel Assist」や緊急時停車支援システム「Emergency Assist」が全車に標準装備され、駐車支援システム「Park Assist」も全車標準装備となった。グレード体系は既存グレードを「TSI Style」・「TDI Style」・「TDI R-Line」に絞り、1.5L TSIエンジン搭載モデルにはエントリーグレードとして「TSI Active」を追加。さらに、2.0L TSIエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデル「R」が日本初導入された。専用エクステリア、専用ナパレザーシート、専用レザーマルチファンクションステアリングホイール、専用スポーツサスペンションを採用するとともに、ステアリングヒーター、ブルーブレーキキャリパー、19インチタイヤ&アルミホイールといった専用アイテムを多数装備。T-Rocでは唯一となるフルタイム四輪駆動システム「4MOTION」が搭載された最上位グレードとなる。
同年8月9日に仕様変更を発表(同月下旬以降順次出荷)。ブラック仕様のルーフカラーを従来のディープブラック パールエフェクトからブラック(ソリッド)へ変更された。なお、車両本体価格(メーカー希望小売価格)は据え置きとなる。
2023年10月17に日本仕様車の特別仕様車「Black Style」が発売された。「TSI Style」・「TDI Style」・「TDI R-Line」・「R」をベースに、共通で外観はフロントグリル下部、ルーフレール、サイド・リアのクロームトリムがブラックアウト化され、Cピラーに専用デザインのフォイルを貼付。内装はダッシュパッド、エアコンベゼル、インフォテイメントディスプレイ、センターコンソールの加飾がブラックアウト化された。また、アルミホイールが専用意匠のブラックペイント仕様となり、「TSI Black Style」と「TDI Black Style」はベースグレードの17インチから18インチにインチアップされた。また、ベースグレードでは「R」に標準装備されている"Discover Pro"パッケージを「TSI Black Style」・「TDI Black Style」・「TDI R-Line Black Style」に特別装備された。
-
インテリア
-
Rライン
-
T-Roc R
-
T-Roc R リア
-
T-Rocカブリオレ
-
T-Rocカブリオレ リア
メカニカル
ゴルフのT-Rocのターボディーゼル噴射(TDI)エンジンは、6.9秒で車を0〜62 mph(100 km / h)に加速でき、最高速度は130 mph [11] フォルクスワーゲンは、燃費が57.6 MPGで、キロメートルあたり129グラムのCO2を見積もっている。
ガソリン | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
型 | タイプ | 出力 | トルク | 加速度
0〜100 km / h(0-62 mph) |
最高速度 | トランスミッション |
1.0 TSI 115 | 直列3気筒DOHC – 999 cc(61 cu in) | 115 PS (85 kW; 113 hp) 5,000〜5,500 rpm | 200 N⋅m (148 lb⋅ft) 2,000–3,500 rpm | 10.1秒 | 185 km / h(115 mph) | 6速マニュアル |
1.5 TSI 150 | 直列4気筒DOHC – 1,498 cc | 150 PS (110 kW; 148 hp) 5,000 rpmで | 250 N⋅m (184 lb⋅ft) 1,500–3,500 rpm | 8.4秒 | 204 km / h(127 mph) | 6速マニュアルまたは7速DSG |
2.0 TSI 190 4モーション | 直列4気筒DOHC – 1,984 cc(121 cu in) | 190 PS (140 kW; 187 hp) 5,000 rpmで | 320 N⋅m (236 lb⋅ft) 1,500 rpmで | 7.2秒 | 216 km / h(134 mph) | 7スピードDSG |
T-Roc R 2.0 TSI 4モーション | 直列4気筒DOHC – 1,984 cc(121 cu in) | 300 PS (221 kW; 296 hp) | 400 N⋅m (295 lb⋅ft) | 4.9秒 | 250 km / h(155 mph) | 7スピードDSG |
ディーゼル | ||||||
1.6 TDI 115 | 直列4気筒DOHC – 1,598 cc(98 cu in) | 115 PS (85 kW; 113 hp) 3,250 rpm | 250 N⋅m (184 lb⋅ft) 1,500 rpmで | 10.7秒 | 200 km / h(124 mph) | 6速マニュアル |
2.0 TDI 150cv SCR 4モーション | 直列4気筒DOHC – 1,968 cc(120 cu in) | 150 PS (110 kW; 148 hp) 3,500–4,000 rpm | 320 N⋅m (236 lb⋅ft) 1,750–3,000 rpm | 8.4秒 | 200 km / h(124 mph) | 7スピードDSG |
2018年のフォルクスワーゲンT-Rocには現在6つのエンジンがあり、すべてターボチャージャー付きで直接燃料噴射が可能であるが、最初から販売されているのはガソリンエンジン2台とディーゼル1台のみである。 [12]
2019年8月に、T-Roc Rと呼ばれるT-Rocのパフォーマンスバリアントがヨーロッパで発売され、300 hp 2.0 TSIエンジンが搭載された。 [13]
脚注
- ^ [1]
- ^ Tahaney, Ed (2017年8月23日). “VOLKSWAGEN T-ROC SUBCOMPACT CROSSOVER MAKES WORLD DEBUT IN ITALY”. MotorTrend. 2017年8月25日閲覧。
- ^ [2]
- ^ Kew, Ollie (2014年2月27日). “VW T-Roc concept (2014) first official pictures”. CarMagazine. 2014年7月26日閲覧。
- ^ “T-ROC”. VolkswagenUK. 2014年7月26日閲覧。
- ^ Gibbs, Nick (2014年3月3日). “Volkswagen T-ROC concept makes its debut”. AutoExpress. 2014年7月26日閲覧。
- ^ “Dieser Golf kann klettern”. stern.de GmbH, Hamburg (2017年8月23日). 2018年3月20日閲覧。
- ^ “Volkswagen T-Roc almost sold out in India” (英語). Autocar India. 2020年8月19日閲覧。
- ^ “フォルクスワーゲン T-Rocが発売開始。ゴルフ級のボディサイズを持つ新型SUV【新車】”. clicccar (2020年7月16日). 2020年7月16日閲覧。
- ^ “フォルクスワーゲンT-Rocがマイナーチェンジ。待望のスポーティ仕様「R」を追加”. Clicccar (2022年7月26日). 2022年7月28日閲覧。
- ^ Stoklosa, Alexander (2014年2月). “Volkswagen T-ROC Concept: Ready T' Rock Off-Road”. CarandDriver. 2014年7月25日閲覧。
- ^ “2018 Volkswagen T-Roc review”. AutoFile (2017年11月23日). 2017年11月25日閲覧。
- ^ “Volkswagen T-Roc R starts at €43,995”. Autodevot (2019年8月18日). 2019年8月18日閲覧。
関連項目
外部リンク
- T-Roc|SUV|フォルクスワーゲン公式(日本仕様)
- T-Roc|カブリオレ|フォルクスワーゲン公式(ドイツ仕様)