フレーメン反応
フレーメン反応(フレーメンはんのう、ドイツ語:Flehmen)とはウマなどの哺乳類に起こる、臭いに反応して唇を引きあげる生理現象である。この動作には主としてフェロモン受容を行う嗅覚器官である鋤鼻器(ヤコブソン器官)を空気に晒し、より多くの臭い物質を取り入れる機能があると考えられている。フレーメン現象、あるいは単にフレーメンとも言う。なお、ドイツ語の「嘲笑う」(Lachen:ラッヘン)仕草(上唇をまくれ上がらせる)のザクセン古方言(フレーメン)が、名詞として使われたのが語源で、「フレーミング、フレーメニング」とも言われる。
概説
この反応はウマの他には、ネコ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ゾウ、コウモリなどにも見られるが、ウマは唇を大きく捲り上げるため見た目がわかりやすい。胎児期に鋤鼻器が退化してしまうヒトでは起こらない。
野生においては異性の尿の臭いを嗅いだときによく起こるが、飼育下ではタバコの煙や揮発油の臭いに対しても起こることが観察できる。また、この反応によって、発情しているかどうか調べることができる個体も存在する。
人間から見てこの反応は「ウマが笑っている」「ネコが驚いた顔をする」などと受け取られるが、実際は特に動物の感情と結びついているわけではない。しかし、ヒツジなどでは腹部の痛みと関連している場合があるといわれる[1][出典無効]。
脚注
参考資料
- 『匂いの記憶 知られざる欲望の起爆装置:ヤコブソン器官』ライアル・ワトソン 旦敬介訳(2000年) ISBN 4-334-96104-5
関連項目
外部リンク
- 精選版 日本国語大辞典『フレーメン』 - コトバンク
- ネコのフレーメン反応 - ウェイバックマシン(2000年3月10日アーカイブ分)(GIFアニメーション)