ルイーズ・アラネタ・マルコス
ルイーズ・アラネタ・マルコス | |
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ルイーズ・アラネタ・マルコス(2022年) | |
フィリピン共和国のファーストレディー | |
任期 2022年6月30日 - | |
大統領 | ボンボン・マルコス |
前任者 | ホセ・ミゲル・アロヨ |
個人情報 | |
生誕 | Marie Louise Cacho Araneta[1] 1959年8月21日(64歳) マニラ |
配偶者 | ボンボン・マルコス(1993年結婚) |
子供 | Ferdinand Alexander "Sandro" (1994年生) Joseph Simon (1995年生) William Vincent "Vinny" (1997年生)[2] |
母 | Milagros A. Cacho |
父 | Manuel L. Araneta Jr. |
親族 | アラネタ家 マルコス家 |
住居 | マラカニアン宮殿 Bahay ng Pagbabago |
教育 | アテネオ・デ・マニラ大学 (B.A., LL.B) ニューヨーク大学 |
職業 | 弁護士、学者 |
ルイーズ・アラネタ・マルコス(Marie Louise "Liza" Araneta Marcos, 1959年8月21日 - )は、フィリピン共和国の弁護士、学者。フィリピンの第17代大統領ボンボン・マルコスの妻でファーストレディー。マニラで生まれ、アテネオ・デ・マニラ大学を卒業後、ニューヨーク大学の大学院課程を修了した。法律家としてフィリピンの様々な大学で教える一方、MOST (Marcos, Ochoa, Serapio & Tan) 法律事務所およびM&A Associatesの設立メンバーとなった。1989年にニューヨーク市でフィリピンの第10代大統領フェルディナンド・マルコスの息子であるボンボン・マルコスと出会い、1993年に結婚した。2022年フィリピン大統領選挙で夫の選挙参謀を務め、当選して第17代大統領となったボンボン・マルコスの大統領職に影響を与える重要人物の一人と見なされている[3]。
家系および教育
1959年8月21日にフィリピンのマニラで生まれた[4]。父マニュエル・L・アラネタ・ジュニアはイロイロ市で生まれて西ネグロス州のバゴで育ったバスケットボール選手で、1948年ロンドンオリンピックのフィリピン代表だった[2]。母はミラグロス・A・カチョである[2]。両親は共にスペイン系で、父方のアラネタ家はバスク地方にルーツがある[5][6]。父マニュエルは、第5代大統領マニュエル・ロハスの息子の妻ジュディ・アラネタ・ロハスの従兄弟にあたるためロハス家とのつながりがあり[2][7]、母ミラグロスは、末妹ロサリオ・A・カチョが第11代大統領コラソン・アキノの長兄ペドロ・コジャンコと結婚しているため、コジャンコ家とつながりがある[2]。なおルイーズは、映画監督ポール・ソリアノの父ジェリク・ソリアノの従姉妹にあたり、2015年のポール・ソリアノと女優トニ・ゴンザガの結婚式では、夫ボンボン・マルコスと共にプリンシパル・スポンサー(後見人)を務めている[8]。
ルイーズは1981年にアテネオ・デ・マニラ大学で学際的研究の学士号を取得し、1985年に同大学で法学士号を取得した[2]。アテネオ大学卒業後、ニューヨーク大学に入学し、刑事訴訟法の大学院課程を修了した[2]。
法律家として
ニューヨーク大学を卒業後、法律家としてフィリピンの様々な大学で教えた。1996年から1998年まではマニラにあるFar Eastern大学の法学部で、1998年から2006年までは北イロコス州にあるNorthwestern大学の法学部で法律を教えた[2]。2006年に大学の職を一時的に退き、MOST (Marcos, Ochoa, Serapio & Tan) 法律事務所の創立メンバーになり、その後2019年1月にMOSTを辞めて、自分の法律事務所であるM&A Associatesを創立した[2]。
大学には2010年に戻り、Pamantasan ng Lungsod ng Maynila(マニラ市立大学)で教授になり、2014年まで務め、2014年から2018年までバギオにあるセントルイス大学で、2018年から2020年まで北イロコス州にあるMariano Marcos State University (MMSU) で教授として教えた。MMSUでは法学部の副学部長も務め、世界的に流行した新型コロナウイルス[9]感染防止対策としてオンライン授業を行う対応に当たった[10][2]。
ファーストレディー
2022年フィリピン大統領選挙で、ルイーズは夫ボンボン・マルコスの選挙参謀を務め、縁戚である映画監督ポール・ソリアーノと共に選挙広告を制作した[11][12]。2022年5月9日に大統領選挙の投票が行われ、ボンボン・マルコスが圧勝し[13]、6月30日に第17代大統領に就任した。同時に大統領夫人ルイーズ・アラネタ・マルコスはフィリピン共和国のファーストレディーになった[14]。前代および前々代大統領のファーストレディーはいなかったため、第14代大統領グロリア・アロヨの夫でファーストジェントルマンであったホセ・ミゲル・アロヨがルイーズの前任者に当たる[15]。ルイーズはボンボン・マルコスの大統領職に影響を与える重要人物の一人と見なされている[3]。
私生活
1989年にニューヨーク市で共通の友人を介してボンボン・マルコスと出会った。ボンボン・マルコスの父フェルディナンド・マルコスは1965年から1986年まで20年に及ぶ長期政権をしいたフィリピンの第10代大統領で、マルコス大統領夫妻とその一族は1986年のエドゥサ革命[16]でフィリピンから脱出してアメリカに亡命していた[17][18]。ルイーズとボンボン・マルコスは1993年4月17日にイタリアのフィエーゾレにある聖フランチェスコ教会で結婚した[19]。夫婦には子供が3人いて、1994年生まれの息子サンドロ・マルコスは、父ボンボンが大統領に当選した2022年の大統領選挙と同時に行われた下院議員選挙で初当選した[20][21][22]。
脚注
- ^ Lawyers List. “ARANETA, MARIE LOUISE C.; Manila; April 6, 1990; Roll No. 36273. | Lawyers List” (英語). 2022年7月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “About the First Lady”. President of the Philippines. 2022年8月11日閲覧。
- ^ a b Robbles, Raisa (2022年3月14日). “Marcos Jnr’s wife emerges from shadows as Philippine election race heats up” (英語). South China Morning Post 2022年5月12日閲覧。
- ^ “Resume of Senator Ferdinand "Bongbong" R. Marcos, Jr.”. 元老院 (フィリピン). 2022年5月14日閲覧。
- ^ “Clan of Marcos Jr.'s wife join Leni-Kiko volunteer events in Bacolod, Iloilo”. Rappler. (2022年4月30日) 2022年5月14日閲覧。
- ^ Genealogist, Filipino. “First Lady Liza Araneta Marcos and the House of Araneta” (英語). 2022年8月4日閲覧。
- ^ “Araneta family tree explained: Here’s how Liza Marcos, Mar Roxas are related - Bilyonaryo Business News” (英語) (2022年6月1日). 2022年8月4日閲覧。
- ^ “Meet the man behind BBM’s ads: Direk Paul Soriano”. Manila Bulletin. (2022年4月23日) 2022年5月13日閲覧。
- ^ フィリンピンでの流行についてはen:COVID-19 pandemic in the Philippinesを参照。
- ^ Cos, Wena (2022年7月9日). “PH finally has a first First Lady again after 2 decades”. ABS-CBN News 2022年7月10日閲覧。
- ^ Robbles, Raisa (2022年3月14日). “Marcos Jnr’s wife emerges from shadows as Philippine election race heats up” (英語). South China Morning Post 2022年5月12日閲覧。
- ^ “Paul Soriano, the creative behind the BBM win”. Manila Bulletin. (2022年5月13日)
- ^ “焦点:悪名高い「王朝」が復権、比選挙でマルコス氏圧勝”. Reuters (2022年5月10日). 2022年5月10日閲覧。
- ^ “Number one adviser incoming First Lady Liza Araneta Marcos seen to play key role”. ABS-CBN News. (2022年6月27日) 2022年6月27日閲覧。
- ^ en:First Ladies and Gentlemen of the Philippines参照。
- ^ フィリピン市民革命、ピープルパワー革命。
- ^ 「イメルダ マルコス」コトバンク。2022年8月27日閲覧。
- ^ Bhagwat, Medha (2022年6月27日). “Who Is Louise Araneta-Marcos? Philippines New First Lady Will Remain Number One Adviser to Bongbong Marcos” (英語). International Business Times. Agence France-Presse (IBTimes Co., Ltd.) 2022年6月27日閲覧。
- ^ “Bongbong takes a bride”. Manila Standard (Kamahalan Publishing Corp.): p. 4. (1993年4月19日) 2021年10月10日閲覧. "Rep. Ferdinand (Bongbong) Marcos II wed his fiancee, Louise 'Lisa' Araneta Saturday [April 17] at the Church of St. Francis in Siesole 〔ママ〕, Italy."
- ^ “Marcos Jr aims to fulfil family’s ‘destiny’ as Philippines president” (英語). The Guardian. (2022年5月9日) 2022年5月14日閲覧。
- ^ 岩崎健太朗(バンコク)「マルコス氏が約6割の得票で圧勝 「独裁」元大統領の長男 フィリピン大統領選」『東京新聞』(2022年5月10日)。2022年8月27日閲覧。
- ^ 「マルコス大統領の長男、サンドロ・マルコス議員が下院の与党院内総務代行に」『日刊まにら新聞』(2022年7月28日)。2022年8月27日閲覧。