崑曲
崑曲(こんきょく、ピンイン:Kūnqǔ)とは中国の古典的な舞台演劇である戯曲の一形式、あるいは戯曲に使われる声腔(楽曲の曲調や演奏法、歌い方などの体系)の1つである。前者の意味で崑劇(こんげき)、後者の意味で崑腔(こんこう)とも言われる。現代ではもっぱら前者を指すことが多い。後者は明・清代の戯文や伝奇で用いられた。無形文化遺産保護条約の発効以前の2001年に、ユネスコによって「人類の口承及び無形遺産の傑作」の宣言を受けており、無形文化遺産に登録されることが事実上確定していたが、2009年9月の初の登録で正式に登録された。
歴史
元末明初、崑山(現・江蘇省蘇州市東部)一帯で流行した戯文の腔調を顧堅らが整理した崑山腔(こんざんこう)があったがそれを明の嘉靖年間、魏良輔がさらに弋陽腔や海塩腔の腔調、民間の曲調を取り入れることで作られた。
明の万暦以降、徐々に各地に流伝し各地で崑曲系統の地方劇が作られ、また川劇や婺劇といった地方劇の声腔として使われた。明末清初には崑腔が戯文の主流として隆盛したが、清中葉以降は徐々に衰退した。