悲しみは空の彼方に
悲しみは空の彼方に | |
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Imitation of Life | |
![]() ポスター(1959) | |
監督 | ダグラス・サーク |
脚本 |
エレノア・グリフィン アラン・スコット |
原作 |
ファニー・ハースト 『Imitation of Life』 |
製作 | ロス・ハンター |
出演者 |
ラナ・ターナー ジョン・ギャヴィン サンドラ・ディー |
音楽 | フランク・スキナー |
主題歌 |
「Imitation of Life」 サミー・フェイン(作曲) ポール・フランシス・ウェブスター(作詞) アール・グラント(唄) |
撮影 | ラッセル・メティ |
編集 | ミルトン・カラス |
製作会社 | ユニバーサル・ピクチャーズ |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 125分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | 約2,000,000ドル |
興行収入 | 6,417,807ドル(北米配収) |
『悲しみは空の彼方に』(かなしみはそらのかなたに、Imitation of Life)は、1959年のアメリカ合衆国のドラマ映画。ダグラス・サークの米国における最後の監督作品で、出演はラナ・ターナーとジョン・ギャヴィンなど。 1934年に『模倣の人生』(ジョン・M・スタール監督、クローデット・コルベール主演)として映画化されているファニー・ハーストの小説『Imitation of Life』の再映画化作品であり、ニューヨークのコニー・アイランドを舞台に、黒人差別の実態と資本主義を謳歌するアメリカ社会を描いている。
1984年(昭和59年)にスイスの映画作家ダニエル・シュミットがサークの同年当時の姿と足跡を追うドキュメンタリー映画『人生の幻影』を監督している[1]。同作の原題はフランス語で「Mirage de la Vie」であり、本作『悲しみは空の彼方に』のフランス語圏での公開タイトルと同一である[1]。
ストーリー
1947年のニューヨーク。無名の女優であるローラ(ラナ・ターナー)は、賑わう海岸で娘のスージー(サンドラ・ディー)を見失った。黒人女性のアニー(ファニタ・ムーア)がスージーを保護したことで、知り合うローラとアニー。二人は共に夫を亡くし、幼い娘を育てるシングル・マザーだった。宿無しのアニー母娘をアパートに泊めたことから、長い同居生活が始まる二組の母娘。
黒人のアニーの亡夫は白人で、娘のサラ・ジェーン(スーザン・コーナー)は一見、白人に見える美少女だった。白人として扱われたい一心で、母親の存在を隠し続けるサラ・ジェーン。やがて成長したサラ・ジェーンは白人青年に恋をするが、彼女が黒人の娘だと知った恋人は激怒し、サラ・ジェーンに激しい暴行を加えた。
女優として成功したローラは、アニーに家の切り盛りを任せ、娘のスージーはサラ・ジェーンと姉妹のように成長して行った。母の友人であるスティーブへの恋心を募らせるスージー。しかし、スティーブは母親のローラを愛しており、スージーの恋は悲恋に終わった。
一方のサラ・ジェーンは、母親のお陰で大学に進学しながら、場末のキャバレーで踊る生活に堕ちていた。大学では「黒人」だが、キャバレーでは「白人」として振舞えたのだ。そんなサラ・ジェーンを探し出し、面会して、もう母親と主張しないと告げるアニー。アニーは病気を患い、死が迫っていたのだ。
ローラに仕えることで娘を育て、それなりに蓄えも得たアニーは、自分の葬式について完璧な計画を立てていた。その日、楽団付きの盛大な葬列が実行された。地域の黒人社会に貢献したアニーの為に、町中の黒人たちが葬列を見送った。そして、サラ・ジェーンも、涙ながらに駆けつけるのだった。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
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NET版 | ||
ローラ | ラナ・ターナー | 瀬能礼子 |
スティーブ | ジョン・ギャヴィン | 山内雅人 |
スージー(16歳) | サンドラ・ディー | 上田みゆき |
サラ・ジェーン(18歳) | スーザン・コーナー | 谷育子 |
ルーミス | ロバート・アルダ | 田口計 |
エドワーズ | ダン・オハーリー | 寺島幹夫 |
アーニー | ファニタ・ムーア | 鈴木光枝 |
サラ・ジェーン(幼年) | カリン・ディッカー | 谷口真由美 |
スージー(幼年) | テリー・バーナム | 貴家堂子 |
フランキー | トロイ・ドナヒュー | 仲村秀生 |
ロマノ | タン・ワイエン | 細井重之 |
以下はノンクレジット | ||
ルイーズ | シシリー・エヴァンス | 浅井淑子 |
ケネス | ナポレオン・ホワイティング | 木原規之 |
不明 その他 |
N/A | 相模武 村越伊知郎 稲葉まつ子 村松康雄 緑川稔 花形恵子 矢田耕司 野本礼三 |
日本語版スタッフ | ||
演出 | 左近允洋 | |
翻訳 | 浅井寿子 | |
効果 | 赤塚不二夫 | |
調整 | 栗林秀年 | |
制作 | グロービジョン | |
解説 | 淀川長治 | |
初回放送 | 1971年6月20日 『日曜洋画劇場』 21:00-22:56 正味95分31秒 |
スタッフ
- 監督:ダグラス・サーク
- 製作:ロス・ハンター
- 脚色:エレノア・グリフィン、アラン・スコット
- 音楽監督:ジョセフ・ガーシェンソン
- 音楽:フランク・スキナー
- 撮影:ラッセル・メティ
- 編集:ミルトン・カラス
- 美術:アレクサンダー・ゴリツィン、リチャード・H・リーデル
- 装置:ラッセル・A・ガウスマン、ジュリア・ヘロン
- 衣裳:ビル・トーマス
- ラナ・ターナーのガウン担当:ジャン・ルイ
- ラナ・ターナーの宝石担当:LAYKIN et Cie
作品の評価
映画批評家によるレビュー
Rotten Tomatoesによれば、27件の評論のうち高評価は81%にあたる22件で、平均点は10点満点中7.6点、批評家の一致した見解は「ダグラス・サークは『模倣の人生』を豪華にリメイクし、人種差別への批判と鋭いエッジを加えて、破壊的な力を持つ挑戦的なメロドラマを生み出している。」となっている[2]。 Metacriticによれば、16件の評論のうち、高評価は15件、賛否混在は1件、低評価はなく、平均点は100点満点中87点となっている[3]。
受賞歴
賞 | 部門 | 対象者 | 結果 |
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第32回アカデミー賞 | 助演女優賞 | スーザン・コーナー | ノミネート |
ファニタ・ムーア | |||
第17回ゴールデングローブ賞 | 助演女優賞 | スーザン・コーナー | 受賞 |
ファニタ・ムーア | ノミネート |
ギャラリー
出典
- ^ a b “人生の幻影”. KINENOTE. 2010年2月2日閲覧。
- ^ "Imitation of Life". Rotten Tomatoes (英語). 2022年1月15日閲覧。
- ^ "Imitation of Life" (英語). Metacritic. 2022年1月15日閲覧。
関連項目
- 『Imitation of Life』 (原作、1933年の小説)
- 模倣の人生 (1934年の映画)
- 人生の幻影 (1984年のドキュメンタリー映画)
- ホワイトウォッシング (配役) - 白人以外の役柄に白人俳優が配役されること
- ムラート
- サザンオールスターズのアルバム綺麗に収録されている楽曲に「サラ・ジェーン」がある。