玉泉洞
玉泉洞(ぎょくせんどう)は、沖縄県南城市玉城字前川にある鍾乳洞である。 1967年3月、愛媛大学学術探検部が調査を行った結果、初めてその全容が明らかにされた。 1972年4月に、株式会社南都によって観光用として公開された。現在は「おきなわワールド 文化王国・玉泉洞」の一施設となっている。
概要
かつては「ウワーガーガマ」と呼ばれていたが、1972年に「玉泉洞」の名で「玉泉洞文化村」の一施設である観光洞としてオープン。なお、「玉泉洞文化村」は後に幾度か改名を行い、現在は「おきなわワールド 文化王国・玉泉洞」となっている。
港川へ流れ出る雄樋川(ゆうひがわ)の河谷の東側、地下30メートルに水流があり、これが洞窟内を流れている。上流では雄樋川から流れ込み、下流では再びこの川に流れ入る[1]。観光用となっている部分は洞窟の主洞にあたり、約800メートルほどであるが、洞窟全体の総延長は5000メートルに達する(現在、公開されているのが890メートル)。これは沖縄県内で最大である。
無数の大石筍が林立する大広間「東洋一洞」の奥に位置する、白銀のロケットのような石柱(昇龍の鐘)は広く知られる。洞内には水が豊富で、二次生成物も豊富である。100万本以上はあるという鍾乳石については、石灰分を多く含む水が大量に流れ込む環境から、県外にある鍾乳洞に比べて成長が早く、つらら石は3年に1ミリメートルというスピードで成長している。
旧入道口のトンネル状階段は、洞内の一定した温度条件を利用した古酒(クース)の甕の貯蔵場所として利用されている。
洞内には、リュウキュウコキクガシラコウモリ・オオゲジ・カマドウマなどの陸生動物、体の白いテナガエビの一種やミジンコ・ワムシなど水棲動物が生息している。
洞内に流れ込んだ水によって運ばれた土砂は、洞内で砂礫(れき)堆積地層を作っている。この地層の中には1万5千年前に絶滅したと考えられているリュウキュウジカの骨の破片化石のほか、リュウキュウヤマガメの化石やサメの歯の化石が含まれている(リュウキュウジカの化石は洞内で見学可能)。海の生物の化石は、別の地層から分離して水で洞内に流されてきたものが堆積したものと考えられている。
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昇龍の鐘
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鍾乳石
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青の泉
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洞内の古酒蔵
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堆積層内に露出した化石群
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地煙の滝
珍珍洞と満満洞
玉泉洞のすぐ近くには、珍珍洞と満満洞がある。
沿革
営業時間
- 1月 - 12月:9:00 - 18:00(最終受付17:00)
脚注
- ^ 木崎他編集(1975)p.100
参考文献
- 下謝名松栄『カラー百科シリーズ4 沖縄の自然 島の自然と鍾乳洞』新星図書、1976年。
- 木崎甲子郎編集代表『沖縄の自然 その生い立ちを訪ねて』平凡社、1975年。
関連項目
外部リンク
座標: 北緯26度8分14.41秒 東経127度45分6.51秒 / 北緯26.1373361度 東経127.7518083度