野崎京子
野崎 京子(のざき きょうこ、1964年〈昭和39年〉2月9日 - )は、日本の化学者。専門は、有機金属化学・高分子化学。学位は、工学博士(京都大学・1991年)。東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻教授。同学部における初の女性教授である。父は、日本の有機化学研究を牽引した野崎一(京都大学名誉教授[1])。
略歴
大阪府に有機化学者・野崎一の三女として生まれる[1]。1979年大阪教育大学教育学部附属池田中学校卒業。1982年大阪教育大学教育学部附属高等学校池田校舎卒業[2]。1986年京都大学工学部工業化学科卒業。1988年京都大学大学院工学研究科修士課程修了。1991年京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了、学位論文「Studies on Triethylborane Induced Radical Reactions with Hydrides of Group 14 Elements(トリエチルボランを開始剤とする第14族金属ヒドリドのラジカル反応に関する研究)」で工学博士の学位を取得(内本喜一朗教授)[3]。米国カリフォルニア大学バークレー校留学[1]。
年譜
- 1991年 - 京都大学工学部工業化学科助手
- 1996年 - 京都大学大学院工学研究科材料化学専攻助手
- 1999年 - 京都大学大学院工学研究科材料化学専攻助教授
- 2002年 - 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻助教授
- 2003年 - 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻教授(現職)
研究領域
有機金属化学、特に重合触媒の研究で知られる。二酸化炭素をモノマーとして取り込む高分子の合成法は、グリーンなプロセスへの端緒として注目を浴びた。
受賞歴・栄典
- 2003年(平成15年) - OMCOS 有機金属化学賞
- 2004年 - 高分子学会Wiley賞
- 2006年 - 日本IBM科学賞
- 2008年 - 猿橋賞、向山賞
- 2009年 - 三井化学触媒科学賞、名古屋シルバーメダル
- 2015年 - アーサー・K・ドーリットル賞(アメリカ化学会)
- 2020年(令和2年) - 東レ科学技術賞
- 2021年 - ロレアル-ユネスコ女性科学賞
- 2022年 - 紫綬褒章[4][5]
ほか
編著
- 檜山爲次郎; 野崎京子『有機合成のための触媒反応103』東京化学同人、2004年3月。ISBN 4-8079-0586-4。
- 檜山爲次郎; 野崎京子; 中尾佳亮; 中野幸司『有機合成のための新触媒反応101』東京化学同人、2021年11月。ISBN 978-4-8079-2005-1。
脚注
- ^ a b c “【科学の先駆者たち】野崎京子・東京大教授 常識破りの触媒開発、多様なプラスチック生産に道”. 産経新聞. (2018年6月10日) 2021年2月17日閲覧。
- ^ 大阪教育大学附属池田中学校同窓会「皐城会」2011年(平成23年)同窓会報10号
- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ 『官報』号外第97号、令和4年5月2日
- ^ “令和4年春の褒章 受章者 東京都” (PDF). 内閣府. p. 3 (2022年4月29日). 2023年5月4日閲覧。