靴磨き
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靴磨き(くつみがき)は、革靴やブーツを磨く作業、またはその職業である。
概要
靴磨きは、革製品であるところの靴を磨く(油脂や靴墨などを塗って布でこする)作業であるが、簡易なものでは特に油脂や靴墨を付けず乾いた布でこすることも行われる。この作業を行うことで、革靴やブーツはつやを増し、また皮素材の柔軟性が維持され、長く使用に耐える。靴に詰まった泥などをブラシで払ったりもする。家庭においては家事の範疇で行われる。
職業としては、この靴を磨く作業を専門に行うもので、磨り減った踵を補強したりほつれた部分を直すなど、靴の補修や仕立てを行うこともある。かつては流しの露天商や訪問販売的な業態が主流であったが、日本において今日ではミスター・ミニットのようなチェーン店も多く、前述の露天商などは余り見かけられないものとなっている。
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日本では第二次世界大戦の敗戦以降、社会の貧困と戦災孤児が浮浪児化したことから都市部を中心に所謂「シューシャインボーイ」と呼ばれる靴磨きを生業とする少年らがあふれ[1]、『東京シューシャインボーイ』(1951年発表・歌:暁テル子・作詞:井田誠一・作曲:佐野鋤)などの歌にもなった。路上で靴磨きを始めるには道路使用許可と道路占用許可が必要となるが、取り締まりが強化されたことで、東京都内では昭和50年代から新規参入が難しくなり、許可を受けた者は2016年で5人、2020年で1人となっており。最後の男性が廃業すると都内から路上営業が消えるとされる[2][3]。このため店舗型が増加している[3]。
同様に経済状態の良好でない国では、靴磨きの少年の収入が家計を支えたり、ストリートチルドレンの唯一の収入源となることもある。アメリカのソウルシンガージェームス・ブラウンや公民権運動活動家のマルコムX、ブラジル大統領のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ、俳優の黒部進など、著名人の中にも靴磨き経験者がいる。
なお合成樹脂や合成皮革の大量生産によって廉価に販売されている靴は、基本的に靴磨きを必要としない。泥や汚れを払い落とし、或いは水洗いして陰干しするだけである。
磨き方の種類
磨き方はこの2種類が知られている。
- 鏡面磨き(ハイシャイン)
- 爪先を乳化性クリームと油性ワックスで磨く方法。2007年頃にBrift H(ブリフトアッシュ)の長谷川裕也、ブロガーのピカピカ靴磨きらにより日本で広まる。
しかし技術が必要で、一部の靴磨き屋のみでしか出来ずにいたが、2018年に靴磨きYouTuberのWilliam Tempson(ウィリアム テンプソン)がコンパウンドを使用した鏡面磨きを発案し、難易度が一気に下がる。
- アンティーク磨き
- 2色の乳化性クリームやワックスを使い、あえて古く見せる方法。
どちらも水で磨くのが基本だが、薄めたアルコールを用いる方法もある(油性ワックスを塗った後)。
脚注
- ^ 空襲の激しかった名古屋市でも、名古屋駅などに住み着いた少年たちが唯一の商売道具である足載せ台を枕に寝ている姿の写真も残されている。
『決定版・一億人の昭和史』(中)P.129/P.113(毎日新聞/ユーキャン) - ^ 日本放送協会. “路上の靴磨き、最後の1人に会いに行く”. NHKニュース. 2020年12月30日閲覧。
- ^ a b “靴磨きサービス | 業種別開業ガイド”. J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]. 2020年12月30日閲覧。