サザエさん

サザエさん
ロゴ
ジャンル 家庭漫画
漫画
作者 長谷川町子
出版社 姉妹社朝日新聞社
掲載誌 夕刊フクニチ新夕刊朝日新聞
発表期間 1946年4月22日 - 1974年2月21日
巻数 全68巻
話数 6477話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画
東京都世田谷区桜新町駅前に設置されているサザエさん一家の銅像
(フグ田サザエ・フグ田タラオ)
東京都世田谷区桜新町駅前に設置されているサザエさん一家(フグ田家)の銅像
(フグ田サザエ・フグ田タラオ・フグ田マスオ)

サザエさん』は、長谷川町子による日本漫画[1]。また、その主人公となる「フグ田サザエ」の呼び名の一つである。

作品解説

原作漫画は新聞連載の4コマ漫画であるが、5ページほどのショートストーリー漫画が雑誌連載されており「別冊サザエさん」に収録されている。西日本新聞社から独立したフクニチ新聞社の整理部長牟田口宗一郎が長谷川に『夕刊フクニチ』誌上での連載を依頼[1]。1946年4月22日から連載を始めた[1]が、長谷川が東京へ引越しするために連載中止。連載開始当初は、台詞カタカナで書かれていた。漫画の舞台では、サザエは独身だったが、連載中止時にサザエがマスオと結婚しており、最終回とみられる回のオチの部分が、『サザエさんうちあけ話』で描かれている。長谷川の家族が東京桜新町へ引っ越した後は、『夕刊フクニチ』で連載再開[1]。舞台も東京へ移り、マスオが磯野家に同居する。

掲載誌は間もなく東京スポーツの源流となる夕刊紙の『新夕刊』に移り、『朝日新聞』系列の『夕刊朝日新聞』を経て、1951年4月16日からは『朝日新聞』の朝刊に連載[1]。途中、長谷川の病気が理由で同年11月7日から11月14日まで休載し、11月15日に連載を再開。また、1953年1月16日にも健康上の理由から同年3月31日まで休載となり、4月1日に再び連載を再開。その後はほぼ無休で連載が続いたが、1973年になると毎週月曜日の定期休載に加えて7月15日から8月9日、9月5日から9月9日など「作者病気のため」短期の休みが多くなり、1974年2月21日をもって休載に入るが[注 1]、その後は連載が再開されることはなかった[1]。話数は単行本収録分で6477話[2]に及んだ。

本作はいわゆるストーリー漫画ではなく、一貫した舞台、人物が登場する比較的独立したエピソードからなる。季節が移り変わっても登場人物達は年を取らない。新聞連載の4コマ漫画らしく、時代背景を象徴する内容が多く、終戦直後から復興期の時代に描かれた初期から中期と高度経済成長の時代に描かれた後期とでは作風が大きく異なる。特に、初期から中期にかけてはサザエとその家族および彼らの周辺の人物たちの日常生活が主な題材であったが、後期には主に社会風刺をネタにした作風が目立つようになった[注 2]。連載は1974年で終了したが、1976年から1978年まで長谷川による『サザエさんえほん』が9冊刊行されている[3]

長谷川の作品の出版は姉妹社が行ってきた[1]が、長谷川の没後の1993年4月に廃業し絶版となり、長谷川町子美術館著作権を継承した。後に朝日新聞社から文庫本(全45巻)と「長谷川町子全集」(全33巻中1〜23巻が本編、他に30巻『別冊サザエさん』と33巻『カラー版 よりぬきサザエさん』)が出版されている。なお、本作の単行本の出版に際しては、時代背景の変化によって相応しくないと判断された話を掲載しなかった。清水勲著『サザエさんの正体』(平凡社、1997年)によると、掲載を見合わせた話は700点ほどである。なお姉妹書に『古きよきサザエさんの世界』(いそっぷ社、2002年)がある。姉妹社版には作者が自ら編集し発売した『よりぬきサザエさん』シリーズが存在し、「長谷川町子全集」にはその中から『カラー版よりぬきサザエさん』全1巻が収録されている。2012年12月〜2013年3月には「朝日新聞」に掲載された作者及び『サザエさん』関連の特集記事を特典として収録し復刊したもの(全13巻)が朝日新聞出版から発売された[4]。この復刊版『よりぬきサザエさん』には省かれた作品の一部が収録されているが、姉妹社版『よりぬきサザエさん』と比較すると削除された話も数話存在する。2018年より今まで単行本未掲載だった新聞掲載エピソードを収録した『単行本おたからサザエさん』全6巻が朝日新聞出版より発売された。また、2020年1月〜2021年11月には姉妹社版全68巻の復刻版が、長谷川の生誕100周年を記念して朝日新聞出版から刊行された。単行本とは別に、2018年1月より季刊で週刊朝日臨時増刊号扱いとして、それぞれの季節ごとのテーマの作品を集めた作品集[5]が発売されている。なお週刊朝日本誌は2023年6月9日休刊特別増大号を持って休刊したが、今後は同じ朝日新聞出版の週刊誌AERA臨時増刊の形で発行を続ける。

漫画本の累計発行部数は8600万部以上(姉妹社版が7000万部以上[6]、朝日新聞社版の文庫本が1600万部以上[7])に達する。日本の新聞連載漫画としては最大のベストセラーである。妹・長谷川洋子による回想記『サザエさんの東京物語』(朝日出版社、2008年)がある。

1997年4月には、講談社インターナショナルから「対訳サザエさん The wonderful world of Sazae-san」が刊行され、アメリカでも、『The wonderful world of Sazae-san』というタイトルで翻訳出版された[注 3]。その際一部のコマが反転されている[注 4]

連載の履歴

  • 1946年4月22日に『夕刊フクニチ』紙上に連載開始、同年8月22日に連載中断
  • 1947年1月3日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、同年5月8日に連載中断
  • 1947年10月25日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、同年11月5日に連載中断
  • 1948年2月6日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、同年6月21日に連載中断
  • 1948年3月に『漫画少年』誌上に連載開始
  • 1948年11月17日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、1949年4月4日に連載終了
  • 1948年11月21日に『新夕刊』紙上に連載開始、1949年4月2日に連載終了
  • 1949年12月1日に『夕刊朝日新聞』紙上に連載開始、1950年12月31日に連載終了
  • 1951年4月16日に『朝日新聞』(朝刊)紙上に連載開始、1960年4月に連載中断
  • 1955年1月に『少女クラブ』誌上にて連載開始、同年12月に連載終了(1953年にも同誌に読みきりを掲載している)
  • 1957年1月に『若い女性』誌上にて連載開始、1959年1月に連載終了
  • 1961年10月15日に『朝日新聞』(朝刊)紙上に連載再開、1974年2月21日に連載中断、事実上連載終了(以降掲載されず)

主な登場人物・ペット

なお、出典は基本的に現行の朝日新聞社版を参考にする。

フグ田 サザエ
本作の主人公。磯野家の長女で23歳(アニメでは24歳)。特徴的な髪型は当時の流行にあわせた。
単行本1巻で東京に引っ越し、単行本2巻でフグ田マスオと結婚しタラオをもうける。
性格は快活でそそっかしく乱暴、親切で勇ましい反面、それが裏目に出ることもしばしば。よくカツオと取っ組み合いの喧嘩をしている[9]
磯野 カツオ
磯野家の長男で小学生[9]。サザエと一回り年の差がある弟。
英語での名前は"ボニート"
アニメ版では一貫してかもめ第三小学校5年3組となっている[9]
髪型は基本的に丸刈り。
連載開始当初は、ワカメの面倒をよく見ているちょっと抜けているお兄さん、といった雰囲気を持っていた。連載後半になるにつれ、現在のアニメ版のようなズル賢く機転の利く腕白坊主となり、口も達者となり登場回数も格段に多くなる。漫画界における「世渡り上手」の代表的キャラクター。
なお原作においては、学校での生活や友達関係が描かれることは少ない。
磯野 ワカメ
磯野家の次女。原作漫画では最終的に小学1年生で7歳の設定だが、アニメではかもめ第三小学校の3年生[9]
原作とアニメ版において最も性格が異なる。性格は天真爛漫で、非常に活溌である。アニメ版では「優等生」になっており[9]、カツオと比べ存在感も薄いが、原作では立場が逆であった。
連載中盤まででは、サザエに次いで登場回数の最も多いキャラクターであり、話の「オチ」を担うこともかなり多い。
磯野 波平
磯野家の大黒柱で、3姉弟(サザエ、カツオ、ワカメ)の父[9]。年齢は54歳[9][10]
職業はサラリーマン(東証一部上場の総合商社・山川商事株式会社の事務職[注 5])で、会社は銀座晴海通り沿いにある。
初期の役職は「局長」であったがいつの間にか降格しており、後期には平社員となっていた。
アニメでは磯野家の“家長”として威厳があるが、原作においては威厳がなく、家族を叱るシーンもあまり多くなく、登場回数も必ずしも多くない。しかし登場した時は、話の「オチ」を担当している。
性格はかなり抜けており、お茶目なところがある。そのため、子供に威厳を示そうとするも、その情けないキャラクターゆえにカツオに逆に手玉にとられることも多い。それ以外に『都下禿頭会(とか・とくとうかい)』の理事をしていると話している。
実は、初期には名前は設定されておらず、東宝および宝塚映画のシリーズでも「波平」として出てくるのは最終作『福の神 サザエさん一家』のみで、当初の役名は「サザエの父親」とされていた(ただし、家の表札には五作目まで「磯野松太郎」と掲げられている。また、同シリーズでは「波夫」といった名前も出てくる)。
磯野 フネ
波平の。旧姓は石田。原作では48歳(公式ではない)でアニメでは50歳。
アニメではほとんど怒らないが、原作では性格は厳しく、激しい気性の持ち主である。家族を叱る回数も波平より多い。
波平の陰口を言ったり、喧嘩中は波平にちょっとした嫌がらせをするなど、アニメではあまり見られない陰湿な一面もある。東宝および宝塚映画のシリーズでは原作寄りの厳しい気性で描かれる。
初期には波平同様に名前が設定されていなかったため、東宝および宝塚映画のシリーズでは初期の役名は「サザエの母親」とされたが、三作目においてフネの名前が明かされ、中盤以降の役名は「フネ」、「舟子」といった名前も出てきた。
フグ田マスオ
日刊フクニチ連載当時の最終回で初登場し、2巻でサザエと結婚したサラリーマン。結婚当初はサザエとタラオとのフグ田家3人で磯野家の近所にある借家に住んでいたこともあり、2巻において木製の塀を勝手にノコギリで切り、大家と喧嘩し追い出されたため磯野家と同居。現在に至る。
アニメではかなり気の弱い夫となっている[9]が、原作では磯野家に対して主張する時もある。
基本的にはいい兄貴分であるので義弟カツオと義妹ワカメに慕われている。
勤めている会社(東証一部上場の総合商社の海山商事株式会社・営業課)は当初は郊外だったが、後に有楽町に移る。当初は平社員だったが、後に係長に昇進。その時の年齢は32歳(アニメでは28歳)。
実家は大阪で、時々出てくる母親は大阪弁を話す。
実は長谷川は東京で連載再開するまで彼の顔を忘れていたというエピソードがある。
フグ田 タラオ
サザエとマスオの長男でアニメでは3歳。2巻から登場。赤ん坊コンクールで2等賞をもらったことがある[11]
アニメでは大人しく物分りの良い「いい子」だが、原作では若干乱暴者である。サザエに背負われるなどして登場回数こそ少なくないが、セリフがほとんど無い。カツオ、ワカメはごく初期[12]において、タラちゃんの前で自分達のことをそれぞれ「おじちゃん」「おばちゃん」と称していた。当初、タラちゃんの登場を予告する文面では「女の子」設定だった。
タマ
磯野・フグ田家で飼われている白色のオス猫。首輪の大きな鈴がトレードマーク。
波野 ノリスケ
波平の妹の三男(波平の甥、サザエ・カツオ・ワカメの従兄弟[13])。体型はやや太り気味。新聞記者。8巻から12巻の間、押しかけ同然に磯野家に居候する。
波平や新入社員に借金を頼み込んだこともあるなど図々しい性格でちゃっかり屋であるが、その人柄の良さからか、磯野家の面々からは嫌われてはいないようである。
12巻で入江(旧姓)タイ子とお見合い結婚。結婚後は「東アパート」という所に住む。恐妻家である。14巻で子供をもうける。この子はアニメではイクラとなっているが、原作においては劇中で名前は出てこない。アニメでは磯野家の隣人で作家・伊佐坂難物の担当でもある[13]ため、平日の昼間でもよく隣の磯野家に現れる。カツオ・ワカメとは従兄弟ではあるものの、歳が離れているせいか「ノリスケおじさん」と呼ばれる。
波野 タイ子
ノリスケの妻[13]。旧姓は入江。
結婚当初は身のこなしが上品であった。しかし登場回数が少ないからか、結婚後は時に太っていたりと、容姿に変遷が見られる。アニメ版のような家族ぐるみの付き合いは描かれていないが、サザエとは初期によく絡んでいた。

連載当時は動物を飼育している家庭も多く、本作にもニワトリヤギなどが多く登場する。特にニワトリは多く登場し、イタズラをしたカツオやワカメがお仕置きとしてニワトリ小屋に閉じ込められたこともある。磯野家では比較的頻繁に登場する猫の「ミー公」や犬の「ジョン」を始め、登場回数は少ないがアニメ版と同じ「タマ」などのや「エルザ」、「太郎」といったも登場する。他には小動物として、カツオがカナリヤ伝書鳩ハムスターを、ワカメが金魚を、サザエが「マイク」というリスを飼っていたこともあった。カツオは飼っているペットを世話しているという名目で小遣い値上げを訴えたこともあった[14]

また、長谷川の他作品からは『似たもの一家』の主人公の一家も登場する。伊佐坂家はアニメでは磯野家の隣家だが、原作10巻の一部に登場するのみである。本作にはキャラクターとして特定の名前が与えられていないが、非常に多く登場する人々がおり、相撲が好きだった作者は、相撲をネタにした話をしばしば用いている。

1954年に文藝春秋から出版されたスピンオフ作品には、10年後を描いた「サザエさん一家の未来予想図」が収録されており、この中でフグ田サザエとフグ田マスオの第二子「ヒトデちゃん」が登場する。ヒトデは長谷川の全作品の中でもこれ以外で言及がなく、アニメにも登場しない[注 6]

実在の人物が登場することもあり、その当時の総理大臣はほとんど登場している。昭和天皇が登場する回もある[15]が、あくまで作中での波平の想像に現れるのみであり、顔は描かれていない。後に長谷川は実際に昭和天皇と園遊会で対面している。

なお、原作の磯野家は話によって間取りが変わり、連載時期によっても造りが異なる(連載初期は二階建ての日本家屋、東京での連載再開時は平屋となっている[16])。長谷川町子美術館ではアニメ版の間取りを展示している。

執筆時のエピソード

長谷川は、西日本新聞社の絵画部に所属していた。1946年『夕刊フクニチ』に彼女は連載漫画を頼まれた。自宅の近所である百道海岸付近を妹と散歩しているときに、本作の家族構成や名前を思いついた[17]。当初は作者自身は、アルバイトのつもりでやっていた、と語っている。連載を再開する際、作者本人がマスオの顔を忘れていて、西日本新聞社東京支局まで行き確認したエピソードがある。その後、1951年に「ブロンディ」の後を承けて朝日新聞の朝刊を飾ることになる。連載末期には月曜日が休みとなった。

単行本の第1巻はB5判の横綴じだったが、書店の店頭に並べにくいということですべて返品され、自宅は返品された単行本に占拠される事態となった。そこで判型をB6判に変更した第2巻を出したところ読者には好評で問題の第1巻にも注文が入るようになり、この事態は解消された。姉妹社の廃業までこの判型が踏襲され、第1巻も後にB6に変更された。このB5判横綴じの第1巻を再現した復刻版が、2013年4月27日より長谷川町子美術館の売店で販売された。

執筆にまつわるこのようなエピソードは、長谷川のエッセイ漫画『サザエさんうちあけ話』に詳しい。

作風とその変化

連載が長くなるにつれ、作者の長谷川自身は1960年代中頃から従来と異なる新しい作風に興味が移っていった。彼女は自伝『サザエさんうちあけ話』の中で「子供にも無害なヒューマニズム(ヒューマニタリズム)には飽きた」[18]「書き手にとっては取材範囲が限られるのが苦しい」[18]などと語っている。このような時期に生まれたのが、後に長谷川の代表作の1つとなった「いじわるばあさん」(1966年〜1971年)である。そして、この頃から、『サザエさん』もそれまでのヒューマニズム色の強い作風から大きく変化し、社会風刺の要素を取り入れたアイロニカルな作風へと移行している。

評価

戦後の日本の復興と共に歩み、「(当時の)日本家庭の象徴」とも言われた[19]

哲学者・評論家鶴見俊輔は、サザエたちを叱る波平がフネに叱られたり、カツオを罰したサザエがカツオに裁かれたりすることで、権威が笑いで批判され(時には権威自体がみずからを笑い)、家族内のメンバーの対等性が形成され父権主義に対する批判へつながっているとともに、女系家族での生活で育まれた作者の「家庭内での出来事を処理する規準をそのまま拡大して社会を見る」視点が、作中での「自分の持ち場をはなれずに社会を批判」するスタンスを形づくっている、と述べている[20]。さらに、核家族ではなく3世代が一つ屋根の下に暮らし、家族それぞれがそれぞれの仕事・役割を担って膨大なコミュニケーションを交わす、という高度成長時代からは遅れた家風を磯野家が残していることで、現実の家庭に対し戦後民主主義の理想を説く役割を与えられている、とも論じている[20]

評論家の樋口恵子[注 7]は、原作漫画について「『サザエさん』では木造の日本家屋、3世代7人の雑居型大家族、地域社会の年中行事と緊密な人間関係が描かれている。そして何より一点の曇りもなく人間の持つ屈折にも、シワを伸ばし光を当ててしまうような明るさ、素直さを持つ専業主婦・サザエさんの存在。まさに安心・安定・安全度100%の舞台装置と配役なのです」と絶賛している[19]。さらに「登場するサザエさんは戦後の嫁に求められていた滅私奉公に背を向け、時には“すかしっ屁”を放つなど自由気ままな日々を満喫しています。フェミニズムというべき新しい時代の香りが立ち上がってくる女・子供の生活讃歌になっているのです。この多面体ゆえに、男性にも女性にも時代を超えて愛されるのです」とも評している[19]

漫画以外のメディア化

メディア化の概略

  • 1948年9月28日にマキノ映画により映画化。『サザエさん 七転八起の巻』が上映。東屋トン子主演。
  • 1950年4月2日から7月2日まで(推定)、NHKラジオ第2放送で「ラジオ漫画」としてラジオドラマ化。出演は徳川夢声七尾伶子のみ。[21]
  • 1950年7月29日に先述の映画の続編『サザエさん のど自慢歌合戦』が上映。東屋トン子主演。
  • 1955年1月4日にニッポン放送によりラジオドラマ化(1965年4月まで)
  • 1955年10月3日にKRテレビ(KRT、現・TBSテレビ)により五分の帯番組(月から土)でテレビドラマ化(1957年9月28日まで)。
  • 1956年12月12日に東宝により映画化。江利チエミ主演、青柳信雄監督。1961年まで、全10作のシリーズ。
  • 1965年11月19日にTBSにより江利チエミ主演でドラマ化。1967年9月29日まで。
  • 1966年、江利チエミ主演で舞台化。以降1975年、1978年にも上演。
  • 1969年10月5日にフジテレビによりアニメ化[1]
  • 1975年、江利チエミ主演の舞台、「チエミ喜劇「決定版サザエさん」」が上演。
  • 1977年ごろから1988年まで、文化放送「マエタケの朝は自由大通り」「お元気ですか高島忠夫です」内にて「連続ラジオまんが おはようサザエさん」を放送。声優はテレビアニメ版と同一で提供も東芝だった。
  • 1978年、江利チエミ主演の舞台、「コマ・ファミリー劇場「夏休みだよ!!サザエさん」」を上演。
  • 1979年、本作が生まれるまでの長谷川一家及び姉妹社の経緯が、NHK総合により連続テレビ小説マー姉ちゃん』としてドラマ化。フジテレビの『火曜ワイドスペシャル』で、人気作品をリメイクする番組『TVスーパーヒーロー傑作選』が放送、本作も榊原郁恵主演でドラマ化された。
  • 1981年にフジテレビで星野知子主演のスペシャルドラマとしてドラマ化、1984年には「フジテレビ開局25周年記念 長谷川町子スペシャル サザエさんVS意地悪ばあさんVSいじわる看護婦」を放映。
  • 1992年3月、NHK衛星第二で特集番組『サザエさん』放送。出演:西田敏行森口博子 音楽:ミッキー吉野。この番組のためのテーマソングも新たに作曲された。西田・森口の2人で数役をこなしながら声を当てる4コマ漫画の朗読や、マー姉ちゃんなどの映像資料をもとに制作された番組。フジテレビで放送した過去のアニメも一部オープニングとエンディングも含め放送したが、フジテレビの名前や提供クレジットが出る歌の後奏はカットされた。本番組のために長谷川は自画像などのイラストを寄稿したが、これが遺作となった。
  • 1992年〜1996年にフジテレビにて浅野温子主演でスペシャルドラマとして計6作ドラマ化された。
  • 1994年、榊原郁恵主演で舞台化。榊原は『TVスーパーヒーロー傑作選』以来15年振りにサザエを演じる。
  • 1995年、熊谷真実東ちづる主演(ダブルキャスト)で1994年版舞台の再演。
  • 1993年11月25日に飛鳥新社から『磯野家の謎』の実写版ビデオが発売された。役者はすべて素人を起用している。ナレーションは大沢悠里、メイクアップはトニー・タナカが担当した。
  • 2004年より、朝日新聞土曜日別刷り付録Beにて、「サザエさんをさがして」というコラム(執筆:朝日新聞東京本社文化部・社会部記者で構成する「be編集部」)を長期連載。同作品で描かれた時代背景を、実際の出来事に絡ませてその当時の世相を振り返るもので、単行本(朝日新聞出版)が発売されている
  • 2008年9月10日より放送の江崎グリコの『アーモンドプレミオ』『バンホーテン ディアカカオ』のCMにおいて、『25年後の磯野家』という設定の実写版CMが制作された。
  • 2009年、フジテレビ開局50周年とテレビアニメ40周年を記念したスペシャルドラマとして観月ありさ主演でドラマ化され、11月15日の18:30〜20:54(JST)に放送(テレビ大分は11月21日12:00〜14:25に、テレビ宮崎は12月5日14:00〜16:25に遅れ放送)。カラーテレビの普及とウーマンリブ運動が活発化した昭和40年代を時代背景として描かれた。2010年8月8日に第2弾が18:30〜20:54(JST)に、2011年1月2日に第3弾が生誕65周年記念で18:30〜22:00(JST)に放送された。
  • 2013年10月11日にニッポン放送『サザエさんのオールナイトニッポンGOLD』を放送。パーソナリティは主人公のフグ田サザエ(声・加藤みどり)[22]。フジテレビのアニメキャラクターの担当は『浅倉南のオールナイトニッポン』以来9年ぶり2回目となった。
  • 2015年10月20日、理研ビタミンの「わかめスープ」シリーズのパッケージに磯野ワカメがキャラクターとして採用され、11月2日から12月15日にワカメのデザイン入りマグカップが抽選で当たるキャンペーンを展開。2016年3月に「ふえるわかめちゃん」シリーズや「わかめご飯」シリーズ、「コリコリ茎わかめ」シリーズでも限定でパッケージデザインに採用される予定[23]
  • 2019年、藤原紀香主演で舞台化。アニメ「サザエさん」の50周年イヤーを記念した作品[24][25]

アニメ版

舞台版

江利チエミ主演舞台

江利チエミ特別公演「サザエさん」
チエミ喜劇「決定版サザエさん」
コマ・ファミリー劇場「夏休みだよ!!サザエさん」
  • 脚本:安永貞利
  • 演出:松浦竹夫
  • ショウ場面構成・演出:西山博行
  • 公演期間:1978年8月1日 - 23日
  • 公演会場:新宿コマ劇場
  • 出演
    • 江利チエミ(フグ田サザエ)
    • 佐山俊二(磯野波平)
    • 清川虹子(磯野フネ)
    • 大野しげひさ(フグ田マスオ)
    • 高松しげお(波野ノリスケ)
    • 松田洋治(磯野カツオ)
    • 大屋光子(磯野ワカメ)
    • 曾我廼家五郎八
  • 同時上演:「スタージンガーとダンガードA」(原作=松本零士、構成・脚本=三好道明、演出=新美正雄・中込綏彦、出演=ささきいさお・こおろぎ '73・かおりくみこ・堀江美都子・大杉久美子・水木一郎)

三谷幸喜脚本舞台

音楽劇「サザエさん」
音楽劇「サザエさん」(再演)

舞台「サザエさん」

第1弾

アニメ版の10年後を舞台とした作品

第2弾

再演ではなく上記の第1弾の続編作品

映画

テレビドラマ

高杉妙子版

1955年10月3日[26]から1957年にKRT(現・TBS)で放送されたドラマ。KRT初の武田薬品一社提供のドラマであり、『タケダアワー』の前身。放送時間は-18:35 - 18:40→月-土18:30 - 18:35。

一説には「絵に台詞を付けた紙芝居のような番組」と言われているが、演出を行った拵井巍の証言によると、実際は五分帯のコント風ののスタジオドラマであった[27]

KRT タケダアワー
前番組 番組名 次番組
(なし)
サザエさん
(高杉妙子主演ドラマ版)
KRT 月曜 - 土曜 18:35 - 18:40枠
映画枠
サザエさん
(高杉妙子主演ドラマ版)
(1955年10月3日〜1956年4月28日)
-
KRT 月曜 - 土曜 18:30 - 18:35枠
月 - ボクシングゲーム
木-子供会
金・土 - 映画
※ 以上18:00 - 18:35
火 - 憧れのスター
水 - 松田トシ ショー
※ 18:10 - 18:35
サザエさん
(高杉妙子主演ドラマ版)
(1956年4月30日〜1957年9月28日)
月 - こども寄席
火 - 三平ちゃんといっしょ
水 - 赤胴鈴之助(実写版)
木 - ユキ夫の冒険
金 - 口笛横丁
土 - とんちんかん物語
※ 18:15 - 18:45

江利チエミ版

1965年から1967年にTBS系列で放映されたドラマ。1966年1月7日放送で瞬間最高視聴率37.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録。

放送局
TBS 金曜21:00 - 21:30枠
前番組 番組名 次番組
サザエさん
(江利チエミ主演ドラマ版)

榊原郁恵版

1979年6月12日にフジテレビ系列の『火曜ワイドスペシャル』枠で、人気作品をリメイクする『TVスーパーヒーロー傑作選』が放送、本作も榊原郁恵主演でドラマ化、榊原にとっては舞台より15年も前にサザエを演じた。しかし後年の『サザエさん』関連番組や文献、フジテレビ番組ではほとんど取り上げる事はない。

星野知子版

1981年 - 1985年にフジテレビ系列で放映された単発ドラマ

放送経歴
タイトル 放送日 放送時間(JST 備考
1 サザエさん[34] 1981年4月1日 水曜19:30 - 20:54
2 サザエさん
秋ですネ、サザエさん
1981年9月30日
3 春一番だョ! サザエさん 1982年3月31日
4 秋祭りだよ! サザエさん 1982年9月29日
5 '83出発進行だよ!
サザエさん
1983年1月6日 木曜20:02 - 21:48 木曜ファミリーワイド』で放送
6 サザエさん
恋の季節だよ! サザエさん
1983年4月6日 水曜19:30 - 20:54
7 サザエさんPARTVII 1983年9月28日
8 サザエさん
サザエさん頑張る・主婦たちの戦後史
1985年1月4日 金曜21:02 - 22:52 金曜女のドラマスペシャル』扱いはされず
メイン出演者
パート1(1981年)
パート2(1981年)
パート3(1982年)
パート4(1983年)
パート5(1983年)
パート6(1985年)

浅野温子版

1992年 - 1996年にフジテレビ系列で放映された単発ドラマ、6作

放送経歴
タイトル 放送日 放送時間(JST) 備考
1 サザエさん[35] 1992年10月5日 月曜21:00 - 22:24
2 サザエさん2 1993年4月9日 金曜21:02 - 22:52 金曜エンタテイメント』で放送
3 サザエさん3 1993年10月15日
4 サザエさん4 1994年4月7日 木曜21:00 - 22:54
5 サザエさん 1995年1月6日 金曜19:00 - 20:54 3本立てオムニバス作品
6 サザエさん 1996年1月4日 木曜19:00 - 20:54
メイン出演者
パート2(1993年)
パート3(1993年)
パート4(1994年)
パート5(1995年)
パート6(1996年)

観月ありさ版

21世紀初頭より、観月ありさがサザエを演じる単発ドラマが、これまでに4回アニメ同様フジテレビ系列全国ネットで放送されている。いずれもハイビジョン制作

  • パート1: 2009年11月15日にフジテレビ開局50周年記念番組として放映。視聴率は20.9%(関東地区、ビデオリサーチ調べ。以下同様)
  • パート2: 2010年8月8日(フジテレビの日)に夏休みスペシャルドラマとして放映。視聴率は16.5%[36]
  • パート3: 2011年1月2日に正月特番および「サザエさん生誕65年記念」(原作誕生から65年目)として放映。視聴率は11.0%。
  • パート4: 2013年12月1日にフジテレビ開局55周年記念番組及び「アニメ『サザエさん』放送45周年記念」番組として放映。視聴率は14.4%。

ドラマの放映日は、いずれもアニメ版の定時放送日と重ねており、その日はアニメが第1部、ドラマが第2部として1枠化したコンプレックス形式が取られる。パート4ではアニメとの更なるシナジー効果を狙い『サザエさん アニメ&ドラマで2時間半SP』と題され、全3話のうち1話「磯野家はチャレンジャー」の前半をアニメで、後半をドラマで制作するという特殊な構成[注 8]に用いられた。

観月版では時代設定1970年代前半であり、ダイヤルチャンネル式のテレビや、伊藤博文千円札岩倉具視五百円札といった紙幣などその当時の物が作品内で登場する[注 9]など、その当時の生活ぶりが垣間見られる。BGM、玄関扉や襖の開閉音、タラオの足音、タマの鳴き声などはアニメと同じものが流用されている。

パート1に、サザエ役の声優の加藤みどりと、波平役の声優の永井一郎が顔出しで特別出演し、出演自体は短いがいずれも波平・フネと絡んでいる。加藤はその後もパート2に湯水夫人として、パート3にタバコを買いに来た波平と海平とを続けて見て驚くタバコ屋のおばさん、パート4に足を挫いた老婦人役でゲスト出演を果たした。

その他
アニメ版声優による特別出演
  • 永井一郎
    • 自動車教習所 所長(1)
  • 加藤みどり
    • 波平の勤務先の女性社員(1)[注 10]
    • 湯水夫人(2)
    • タバコ屋のおばさん(3)
    • 足を挫いた老婦人(4)
パート1他
パート2他
パート3他
パート4他

天海祐希版

磯野家の人々〜20年後のサザエさん〜』のタイトルで、フジテレビ開局60周年及びアニメ「サザエさん」放送50周年記念番組として、2019年11月24日の20:00 - 21:54に放送 [注 11]。内容は本編の20年後となっており、磯野家には新たに、1954年発行の雑誌『漫画読本』(文藝春秋)創刊号に掲載された一コマ漫画「サザエさん一家の未来予想図」に登場したタラオの妹ヒトデが加わっている[37]。今作では時代設定はより現代に近いものとなっており、劇中にはこれまでの各メディア作品には登場していなかったスマートフォン液晶テレビドローンなどが登場している。

スタッフ

映画及びテレビドラマ版での配役

出演期間 フグ田 サザエ フグ田 マスオ 磯野 カツオ 磯野 ワカメ フグ田 タラオ 磯野 波平 磯野 舟
(映画)1948年 - 1950年 東屋トン子 不在 - - 不在 - -
(TV)1955年 - 1957年 高杉妙子 小野田勇 石井修 猿若久美惠 奥村千秋 昔々亭桃太郎 水の也清美
(映画)1956年 - 1957年 江利チエミ 小泉博 小畑やすし 松島トモ子 不在 藤原釜足 清川虹子
(映画)1957年 - 1958年 白田肇
(映画)1959年 - 1960年 猿若久美恵
(映画)1960年 - 1961年 小串丈夫
(TV)1965年 - 1967年 川崎敬三 吉原誠利 上原ゆかり - 森川信
(TV)1979年 榊原郁恵 江藤博利 近田春夫 - - 宮尾すすむ -
(TV)1981年 - 1982年 星野知子 小野寺昭 - - - 小林亜星 乙羽信子
(TV)1983年 佐野大輔 網田麻澄 高山幸久
(TV)1984年 斎藤優一
(TV)1985年 大森嘉之
→斎藤優一
(TV)1992年 - 1993年 浅野温子 宅麻伸 上村裕樹 遠山真澄 - いかりや長介 吉行和子
(TV)1994年 小林俊平
(TV)1995年 - 1996年 田宮賢太朗 森安加代子
(TV)2009年 - 2011年 観月ありさ 筒井道隆 荒井健太郎 鍋本凪々美 庄司龍成 片岡鶴太郎 竹下景子
(TV)2013年 清水錬 錦辺莉沙 中野遥斗
(TV)2019年 天海祐希 西島秀俊 濱田岳 松岡茉優 成田凌 伊武雅刀 市毛良枝

ラジオ

NHKラジオ第2版

  • 1950年に徳川夢声の脚色によって「ラジオ漫画」としてラジオドラマ化されたものが放送。[21]7月9日から同枠で「西遊記」が始まっている[53]ので、放送は4月2日から7月2日までの3か月と思われる。夢声自身、上手くいったと思っておらず、新聞のラジオ評も芳しくなかったという。キャストは夢声と七尾伶子の二人のみである。[21]
    • 放送期間:1950年4月2日~7月2日(推定)
    • 放送日時:毎週日曜17時30分~17時45分
    • 脚色(演出も?):徳川夢声
    • 出演:七尾伶子、徳川夢声
    • 音楽:古関裕而

ニッポン放送版

文化放送版

オールナイトニッポン版

  • 2013年10月11日にはテレビアニメが放送開始45周年を迎えることを機に、ニッポン放送で『サザエさんのオールナイトニッポンGOLD』が放送された[54]。これもパーソナリティーのサザエを始め、キャストはテレビアニメ版と同一である。

CM

OTONA GLICO 〜25年後の磯野家〜

江崎グリコの『オトナグリコ』の一環として2008年から2009年にかけてオンエアされたシリーズ。

磯野家の先祖の法事で親族が集まることから始まるCMオリジナルストーリー。原作ではなくアニメ版の世界をベースとしている。BGMもアニメ版のOP、EDテーマをアレンジしたものが使用されている。

CM中には波平やフネ、サザエ、マスオが一切登場しないが、江崎グリコの広報によると「ご先祖様の法事であり、存命です」と説明している[55]

カツオ:浅野忠信
36歳。ワンパク小僧の容姿は変わらず未だ野球好きで、大学のテスト(地理)では0点を取ったり相変わらず勉学が苦手だったようだが、ワカメに生き方を諭すなど、磯野家の長男としての自覚はあるようである。職業は不明。独身。トライアウトに向けたような運動をしているCMがある。ワカメからは「カツオ兄ちゃん」と呼ばれている。
ワカメ:宮沢りえ
34歳。法事に現れたタラオとイクラを優しく気遣い、カツオとも仲良く接する等、こちらもアニメのワカメのイメージを踏襲しているが容姿端麗に成長している。大手百貨店エレベーターガール。独身。カツオとワカメは25年を経過しても磯野家で一緒に生活している。
タラオ:瑛太(現・永山瑛太
28歳。マイペースに生きている。移動たこ焼き屋を一人で営んでおり、いつかはチェーン展開しようと大志を抱いているが、イクラに業務提携を持ちかけたところ「それは無いな。」と一蹴された。イクラには負けたくないと思っていたらしい。
イクラ:小栗旬
26歳。かつては「ハーイ」・「バブー」・「チャーン」しか喋れなかった彼も立派な青年へと成長し、彼もタラオにライバル意識を持っていた。その努力が結実し、ベンチャー企業「イクラネット(IKURA.net)」のCEOに就任、高級一戸建てや高級外車、ヘリコプターを所有する等、CM中では出世頭となっている。カツオとワカメの呼称も「カツオ兄さん」・「ワカメ姉さん」になった。
タマ(3代目)
再会篇と兄妹の今篇に登場。白猫である。
カツオの友人:中山祐一朗
2009年からのカツオ篇に登場するメガネの男性。花沢不動産勤務。

CM放送開始以降、ラジオ放送版を含む全篇がかつてはオトナグリコサイトで視聴可能だった。ラジオ放送版も基本的にテレビCM版の内容を踏襲しているが、テレビ版と異なるエピソードもある。声の出演は以下の通り。

マイライン

2000年4月から2001年にかけて、マイラインサービスの告知として、パンフレットとテレビCMで原作(漫画)を基にしたキャラクターが使用された[56]。テレビCMはアニメ版の声優を使用しているが、作画はあくまで原作に準じたものとなっている。出稿主であるマイライン事業者協議会は実質上NTT東日本NTT西日本が運営しており、電電公社以来約16年ぶりの起用であった。

カップヌードル

日清食品カップ麺カップヌードル」が2017年に展開している、有名作品の登場人物が現代日本の高校生として青春を謳歌しているという設定のCMシリーズ『HUNGRY DAYS』の第3弾として2017年11月22日より「サザエさん」編が放送[57][58]。タイトルは『サザエさんの青春』[注 14]

原作では公開お見合いで出会って結婚したサザエとマスオが、もし2017年の現代で同じ高校に通う高校生として過ごしているとしたら、という設定のパラレルワールドとなっており、高校最後の文化祭でマスオがサザエに公開告白を行うというストーリーとなっている。サザエ役を和久井優、マスオ役を島﨑信長が演じ、磯野家の家族も声は無いものの登場している。他のシリーズCMと同様にキャラクターデザインを窪之内英策、アニメーション制作をタツノコプロが手がけている。

CM公式サイトではストーリー紹介と共に、原作でのサザエとマスオのなれそめも紹介されている。

そのほかに

テレビアニメ版を長年1社で協賛した東芝家電製品(現・東芝ライフスタイルTVS REGZA他)の他、コカ・コーラの果汁飲料「hi-c」(終売)、日本電信電話公社(現在の日本電信電話とその傘下の地域通信会社・NTTドコモ他)「プッシュフォン」「親子電話」、ハウス食品のサザエさんキャラクターを起用した食品類、JAバンク旭電化(現・ADEKA)「リス印マーガリン」(新聞広告)などに起用されている。(後述参照

派生作品

かるた

姉妹社から本作を題材にした3組のかるたが発売されていた。このうち『かるたサザエさん』以外の2組は、赤ちゃんとママ社から復刻版が発売されている。

サザエさんかるた
1949年頃発売。1枚目の読み札は「いまないた ワカメが もうおねだり」。2012年に復刻版が発売された[59]
2012年10月25日発売(復刻版)、ISBN 978-4-87014-080-6
サザエさんかるた その弐
製作年代等不明。1枚目の読み札は「いつでも ようきな サザエさん」。長谷川町子美術館にも1組しか現存しておらず、幻のキャラクターグッズとされていたが2013年に復刻版が発売された。
2013年10月24日発売(復刻版)、ISBN 978-4-87014-090-5
かるたサザエさん
前2組よりも後の年代に製造されたとみられる。1枚目の読み札は「いびきに ねごとの おとうさん」。

楽曲

漫画のイメージソングとして制作された楽曲。

サザエさん
1950年発売。作詞:田河水泡、作曲:長谷川堅二、歌:服部富子ビクター[60]
サザエさん音頭
1954年発売。作詞:大下文代、作曲:細川潤一、歌:照菊若原一郎・キング合唱団。キングレコード盤。

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サザエさん通り

本作の舞台となった東京都世田谷区桜新町、福岡市に「サザエさん通り」を称する道路がある。

東京都・世田谷区桜新町

サザエさん通りに設置されているサザエさん一家(磯野家)の銅像(磯野波平・磯野カツオ・磯野ワカメ・磯野フネ)

生涯で最も長い期間住み続け、本作の舞台となったこと、長谷川町子美術館が1985年に開館したため、桜新町商店街振興組合が音頭をとって東急田園都市線桜新町駅前から国道246号へとつながる「中通り」を1987年に「サザエさん通り」と改称された。

歩道には『サザエさん』のキャラクターが描かれた看板もある。ほとんどが原作の時の絵になっている。2012年3月25日には、磯野家メンバーの銅像が設置された[61]。この銅像に対し、2013年6月3日付で都税事務所から58万9200円の固定資産税(償却資産)の納税通知書が届き、桜新町商店街振興組合では困惑していたが[62][63]、10月19日に一転して固定資産税の免除が通知された[64][65]。同じく長谷川町子原作のいじわるばあさんの看板や銅像もある。

『サザエさん』に登場する「三河屋」は「サザエさん通り」にコンビニエンスストアセブン-イレブン・世田谷サザエさん通り店として実在する。三河屋の屋号は、出入口のセブン-イレブンのロゴの下に「三河屋酒店」と小さく表記されていたが、のちにこの表記は「三河屋」に変更された。

舞台の沿線となる東京急行電鉄の広告キャラクターに採用されたこともある。東急世田谷線では、一時期『サザエさん』のラッピングを施した車両が運行されていたことがある。

福岡県・福岡市早良区

サザエさん発案の地(磯野広場)/福岡県福岡市早良区

福岡市では2007年4月26日、長谷川が住んでいた福岡市早良区百道浜一丁目に磯野広場ができ、記念碑が建てられた。記念碑には『サザエさんうちあけ話』からの引用が記載されている。

2013年2月には、サザエさんと福岡市在住の波平の兄・海平の着ぐるみが完成し、地元のイベント等で活用されるようなった[66]

2014年5月20日 - 7月13日に福岡市博物館で展覧会「サザエさん展 長谷川町子とその時代」が開催されたり[注 15]、2015年1月30日に、西新駅に第1巻の表紙と第1話をモチーフにした高取焼の陶板の設置[67]や、2017年1月29日より樋井川(旧今川橋)から藤崎駅南東まで続くオレンジ通り・西新中央・中西・高取・藤崎の5つの商店街の通りに「サザエさん商店街通り」の愛称が付いた[68]

著作権問題

原作者の長谷川が『サザエさんうちあけ話』にて「サザエさんの単行本をコピーした、いわゆる海賊版が国内に出回っていた」と語っており、発行元の姉妹社に損害が起きていた[注 16]

無許可でキャラクター画を使用した「サザエさんバス事件」以後、本作は他の作品以上に版権管理が厳しくなり、版権を管理する長谷川町子美術館に画像使用許可などを申請しても門前払いされていた時期があった。

1970年、奥成達が編集長を務めた雑誌『東京25時』(アグレマン社)9・10月合併号に、テディ片岡(片岡義男)原案・木崎しょう平作画によるパロディ漫画『サザエさま』が掲載されたが、過激な内容と著作権の問題で姉妹社から訴えられ、示談の結果、罰金50万円の支払いと謝罪広告の掲載がなされた[69]。長谷川は飯沢匡との対談の中で本作品の存在に触れ、「名誉毀損で裁判沙汰にいたしました」「むこうの編集者が謝罪しました」としている。この際、訴えを起こした理由として、長谷川は「作品を見たときに悪意を感じた」上に「それが面白いものならばまだしも出来が悪く、ぜんぜんひどいと思った」旨を挙げている[70]

1980年前後にケイブンシャが発行していた「全アニメ大百科」(年度ごとに改訂版あり)では、日本で制作された連続テレビアニメについて草創期から当時の最新作までを網羅しており、各作品ごとに放送期間や声優、ストーリーの概略などをキャラクターの画像と共に紹介していたが、『サザエさん』と『いじわるばあさん(1970年版)』については画像を掲載することができなかった[注 17]1988年徳間書店から出版された「TVアニメ25年史」についても同様で、本作のみ画像が掲載されていない。ただし、アニメ版のスポンサーである企業についてはこうした限りではない。

1992年頃に流行となった謎本のひとつ、東京サザエさん学会により『磯野家の謎 サザエさんに隠された69の驚き』(飛鳥新社)が刊行され、続編『磯野家の謎おかわり』とともに大ヒットとなったが、これらは原作やアニメのコマが一切掲載できなかったため、文中で「●巻p.●●」のように出典を示す脚注が付けられたのみであった。原作漫画やアニメのコマが一切掲載されていない理由について、「作者の許諾が得られなかったから(代わりに脚注を付けたので、そちらを参照してほしい)」と記述している。また翌年にはビデオ版も発売されたが、こちらも著作権者の許可を得なかったため長谷川毬子と長谷川町子美術館から訴えられており[71]、絶版となっている。

同じく1992年にシングルCDとして再発されたアニメ主題歌のシングルでも、ジャケットにはキャラクターの画像は一切使用されていない。

現在でもこの厳しい版権管理は続いており、映像化作品(ドラマ、映画全般も含む)のビデオソフト(DVD、BD)化は行われておらず、インターネットでの有料配信やCSなどでの放送といった映像の二次利用自体が行われていなかったが、2016年にサザエさん誕生70周年を迎えたことから、CSの「日本映画専門チャンネル」にて、同年4月から2017年1月にかけて東宝および宝塚映画のシリーズ全10作が順番に毎月1作品ずつ放送されている[注 18]。また、2018年12月26日より、アニメ放送50周年を記念してフジテレビの有料配信サービスFOD及びAmazon プライム・ビデオにて、放送開始年である1969年から1978年までのエピソードがデジタル化され配信されることが決定した[72][注 19]

2020年2月まで絶版作品を含む電子書籍化は行われていなかったが、同年に世界規模で感染が拡大している新型コロナウイルスの影響で自宅待機を余儀なくされている人々向けへの支援として、朝日新聞出版が長谷川町子美術館による協力の下、同年3月に期間限定ではあるが電子書籍化と無料公開が行われた[73][74]

また、文藝春秋発行の「文藝春秋デラックス」では「日本の笑い マンガ1000年史」(No.17 昭和50年9月号)に新聞掲載の4コマ作品3本、「アニメーションの本」No.42 昭和52年10月号)には、一家が勢揃いしたアニメのキャラクターの画像が掲載されている。

キャラクターの二次利用

上述したように、連載初期頃には文明堂森永製菓旭電化(現・ADEKA)リス印マーガリンなどの広告で起用されており、いくつかの長谷川の手による広告用の原画、贈答用の物や包装紙などが存在する。また、選挙の投票期間告知のポスターでも採用されている。

作者が存命中の頃はテレビアニメの筆頭スポンサーである東芝をはじめ、ハウス食品日本コカ・コーラHi-C)・日本電信電話公社などのCMに起用されていたが、1990年代はほぼ東芝一社のみとなり、1996年以降は同社のテレビCMにも起用されなくなった。

1998年に発行されたお年玉つき年賀はがきの東京地方版では、漫画では初めてサザエさんが採用された。

作者の没後8年を経過した2000年頃から、マイライン(→#CM)やJAバンク、日本コカ・コーラ(ミディペットボトル)などのCMで、アニメ版を中心とした本作のキャラクター画を使用されることが多くなってきている。ただし、これらのタイアップは作者の生前に契約が存在した企業がほとんどである。また、後述の理由から東京急行電鉄のイメージキャラクターにも起用されたこともあった。

2008年に江崎グリコのチョコレート製品のテレビCMとして制作された「OTONA GLICO 〜25年後の磯野家〜」は、その独特な世界観から話題を集めた。

JAバンクについては、キャッシュカード一体型のJAカードにアニメ版のサザエさん一家が描かれた「JAカード(サザエさん)」が存在しており、2010年前後になってJAバンクを統括する農林中金側の公式サイト内にあるJAカードのサイトに掲載されるようになっている。

2011年、2013年には防災週間のPRキャラクターに起用された。

2019年11月24日に放送されたアニメ50周年スペシャルでは、当時のスポンサーである9社(『日清食品』、『日産自動車』、『花王』、『宝くじ』、『西松屋』、『味の素』、『大和ハウス』、『Amazon』、『こくみん共済』)とのコラボレーションCMが放送された。

2022年5月に警視庁から防犯広報大使に任命された[75]。その一環で同年8月13日に東京ドームで開催された読売ジャイアンツ広島東洋カープ戦ではサザエが始球式を務めた[76]。なお、始球式の模様はアニメ版制作局であるフジテレビと同業会社の日本テレビニュース番組でも放映された[77]

日本中央競馬会が毎年夏季に地方予選大会→秋季の東京競馬場(概ね10月第2日曜日の最終レース後)に全国決勝大会を行っている、小学4年から中学1年生を対象としたポニー競馬の全国選手権大会「ジョッキーベイビーズ」に世田谷区長谷川町子美術館が協賛しており、全国大会ではサザエさん一族の着ぐるみが会場に来場している[78]

2022年7月より日清食品の「カップヌードル シーフード/レッドシーフード」のテレビCMに期間限定で起用されている(同年8月末〈予定〉までのオンエアで、CM本編にはサザエのほか、カツオとワカメが登場している)。

2024年4月よりP&Gの「レノア オードリュクスサンデー」のテレビCMに原作のサザエが起用されている。ただし声の担当は加藤みどりではない。

商品化

本作のアニメが放映開始された当初は、キャラクター商品の許諾を全くしない方針だった。玩具メーカーバンダイが打診したが断った。放映当時はマルサン商店今井科学の倒産で玩具業界ではキャラクター商品は敬遠されていたためとみられる。

サザエさんバス事件の判決が出た1976年にタカラ(現・タカラトミー)が初めて商品化した。タカラは同年の年末商戦における「最大の関心事」と位置づけ、人形から貯金箱まで幅広く商品を展開。しかしあまり売れなかった。業界では「人間キャラは売れない」というジンクスがあり、本作もそれを証明することになった(後にこのジンクスを打ち破るのは『ちびまる子ちゃん』である)。

ハウス食品から1984年に「サザエさんちのふりかけ」「サザエさんちのお茶漬け」が、1985年に「サザエさんちのおにぎり」が発売され、1990年代前半まで発売が続けられた。ただし、パッケージデザインに関しては著作権の関係上、テレビアニメ版のものが採用された。また、明治製菓(現・明治)から1984年にスナック菓子として「かつおくん」と「わかめちゃん」が発売された。

非売品ではあったが、1980年代には、スポンサーである東芝からもグッズが多数出ており、東芝の特約店などで商品を買うと、主にサザエタラちゃんがプリントされた財布などを進呈するというフェアもあった。

また、名古屋に本社を置く長登屋が商品化権を取得しており、全国各地の土産物屋を中心にキャラクターを利用した菓子商品の製造販売を行っている。

2006年7月15日、お台場のフジテレビ本社ビルに、『サザエさん』のキャラクター商品を扱う専門店「サザエさんのお店」が開業した。

サザエボン問題

1995年 - 1996年頃、サザエとバカボンのパパを合成した「天才サザエボン」や、波平と鉄腕アトムを合成した「鉄腕波平」、波平と安室奈美恵を合成した「アムロ波平」などといったキャラクターグッズが無許可で制作され、修学旅行生が集まる全国の土産物店に卸して販売したものが有名になった。これに対し1997年夏に長谷川町子美術館や赤塚不二夫手塚プロダクションなど(原告)が著作権著作者人格権などの侵害として、グッズを企画・製造していた福岡県春日市の衣料品会社「大成」を相手に訴訟を起こした[79]

これに対し会社側は「大阪固有のギャグ、パロディー文化を踏襲したものであり、著作権侵害の意図は全くない」などと反論した[80]

1997年8月、裁判所は、被告の文化的解釈はあくまでもアマチュアにおける二次創作(例としては、漫画やアニメを同人誌として頒布することなど)に摘要されるものであり、企業が利益目的として販売する場合、被告の主張する社会的文化の範囲に含まないのが通例である。よって、著作権侵害とすることが相当である。また、原告の主張には始終一貫として正当性が認められる。それに対する被告は先の文化的解釈など、狭義な見解が散見された、と結論づけ原告の勝訴となった。「大成」は販売禁止を命令され、同社は2000年1月27日に破産した。

「サザエボン」の起源を巡っては、次のような説がある。

大阪商工会議所新淀川支部では、後者の説にちなみ、TOY魔人が商っていた西商店街を「波平通り」と名づけた。さらには1999年頃、合成キャラクター「鉄腕波平」の街路灯を同じ通りに設置した[83]ものの、2012年には撤去されたという[84][85]

TOY魔人の活動は、著名人や関係者からは一般人による二次創作の範疇だと判断されていたため、当初は特に追及はされなかった。しかし、先述の企業「大成」がTOY魔人を模倣し、明らかな商業目的で全国的に販売するようになったことで社会問題化した。この問題が報じられたことを受けて、オリジナルのTOY魔人は販売を自粛した。

関連書籍

  • 『サザエさんの〈昭和〉』(鶴見俊輔 齋藤愼爾編、柏書房、2006年)
    寺山修司が本作をテキストに1972年に発表した「サザエさんの性生活」などを所収。
  • 1992年に東京サザエさん学会『磯野家の謎 サザエさんに隠された69の驚き』(飛鳥新社、のち集英社文庫やパンドラ新書:日本文芸社で再刊)という本が出され、200万部を超える大ヒット。続編『磯野家の謎おかわり』(集英社文庫で再刊)も出された。本作に新たなスポットを当てて人気復活に大いに貢献し、その後数年続く「謎本ブーム」の火付け役になった。ただ本作と食い違う記述が多々見られ、批判も多かった。翌年にはビデオ版も発売されたが、著作権者の許可を得なかったため訴えられており、絶版にしている。
  • 類似本に『サザエさんの秘密』(世田谷サザエさん研究会、データハウス刊、1993年)があり、数度装丁を変え重版されている。続編として『サザエさんの悲劇』(世田谷サザエさん研究会、データハウス刊、1993年)が刊行されたが、内容に『磯野家の謎』の批判が多く含まれており抗議を受けたためか、装丁を変えた版は出なかった。
  • 新書では2008年に民俗学者鳥越皓之『「サザエさん」的コミュニティの法則』(生活人新書日本放送出版協会)が出されている。
  • 朝日新聞の土曜版「be」で、毎週1本の作品から当時と現代との違いを比較する「サザエさんをさがして」という記事が連載されており、2005年から2010年にかけ朝日新聞出版で5冊出されている。基本的に刊の単行本の収録作をそのまま掲載しているが、夕刊フクニチでの最終回など単行本未収録の回が掲載されたこともある。
  • 『2015年 磯野家の崩壊 ―アベノミクスの先にある「地獄」―』(山田順 徳間書店、2013年)
    『サザエさん』は本人が結婚し子までいるにも拘らず親と同居している三世代家族であるなど、舞台設定が高度経済成長当時から全く変化していない。経済情勢のみを2010年代に移したら磯野家はどうなるかをシミュレートする。

脚注

注釈

  1. ^ 朝日新聞1978年4月10日付23面に『サザエさんうちあけ話』の連載予告の記事が載ったが、この時点で『サザエさん』は休載中と明記されていた。
  2. ^ 具体的には、長谷川の『エプロンおばさん』の連載が終了し、『いじわるばあさん』の連載が開始された1960年代中頃から『サザエさん』の作風も大きく変化している。1965年4月から1991年9月まで朝日新聞に連載されていた『フジ三太郎』(サトウサンペイ作)もサザエさん形式で社会風刺を取り入れた内容になっていた。
  3. ^ 「対訳サザエさん」の翻訳者のあとがきによると、翻訳版はまず日本で刊行し、続いてアメリカで刊行するスケジュールになっていたとのこと。
  4. ^ これは、翻訳者によると、「台詞の流れを損なわないようにするためにその措置を取った」とのこと[8]。ただし、反転されず存置されたコマもある。
  5. ^ 泊まりで出張するシーンもあるので営業職と考えられる場合もある。
  6. ^ 2019年にフジテレビ開局60周年特別企画 サザエさん放送50周年を記念してフジテレビで放送されたスペシャルドラマ” 磯野家の人々〜20年後のサザエさん〜」のみに高校生になった姿でヒトデが登場している
  7. ^ 東京家政大学名誉教授。著書に『サザエさんからいじわるばあさんへ』がある。
  8. ^ 磯野家がサブロウとともに初めて長縄跳びの練習を行う部分までがアニメパートになっている
  9. ^ 例外として、パート4の「磯野家はチャレンジャー」のドラマパートに登場したラジカセは、1980年代半ば頃のラジカセだった。
  10. ^ 第1弾は放送日が加藤の70歳の誕生日だったことから、エンディングのクレジットにバースデーケーキのイラストが描かれた。
  11. ^ テレビ大分は同年12月7日深夜(8日午前)遅れネットで放送。
  12. ^ そのため、一時期は『新・サザエさん』という題で放送。また、これに伴いサザエの結婚まで進行していた話も全て独身時代にリセットされた。
  13. ^ 途中からは「市川寿美礼」名義
  14. ^ 東宝製作の映画シリーズ3作目と同名タイトルである。
  15. ^ その展覧会の開催に先立って、「恋するフォーチュンクッキー」(AKB48)の「サザエさんの街でつながろう!」編が、世田谷区・早良区および長谷川町子美術館の協力で制作され公開している。
  16. ^ 全く逆の話として、「ニセ本が出ている」と長谷川に送られてきた本が、実は絵柄が変化したことに気付かなかった読者の勘違いで本物の初期の単行本だった、という事例もある。
  17. ^ ただし、1978年から1979年にかけて発売された「70年代テレビアニメ全集」(秋元文庫)と、1982年・1983年に発売された「アニメNOW」シリーズ(集英社文庫)には、アニメの一場面が掲載されている(『テレビアニメ全集』には『いじわるばあさん』も)。双方とも著者は杉山卓
  18. ^ 『サザエさん』ではないが、2018年1月に同じ長谷川原作の『新やじきた道中記』の映画化作品『新やじきた道中』が前述の映画を放送した「日本映画専門チャンネル」で1月に、「時代劇専門チャンネル」にて3月に放送されている。
  19. ^ なお、Amazon プライム・ビデオでの1969年から1978年までのエピソード(シーズン1)は2022年1月13日現在配信停止されている。

出典

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関連項目

外部リンク