ブリティッシュ ベイクオフ
ブリティッシュ・ベイクオフ(The Great British Bake Off)は、イギリスの料理コンテスト番組。
2010年から2013年(第1から第4シーズン)はBBC Two、2014年から2017年(第5から第7シーズン)はBBC One、2018年(第8シーズン)以降はチャンネル4で放送されている。
日本ではDlifeで、2017年1月より第4シーズン、2018年7月より第5シーズン、2019年1月より第6シーズン、2019年7月より第7シーズンが放送された。Dlife閉局後は、2020年にクリスマススペシャルがFOXチャンネルで放送され、同局で2021年の2月20日より放送中(Dlife版と同様に第4シーズンからの放送)。
NHK Eテレでも一週分を前後編に分け30分ずつの形態を採って2022年4月7日夜10時から放送を開始。6月23日まで第1シーズン、6月30日から10月13日まで第2シーズンが放送された。それに先立ちBSプレミアムで同年1月17日から第1シーズン、3月7日から第2シーズンが集中放送された(時間は早朝6時、第3シーズンは放送されず)。第2シーズン終了後は『ソーイング・ビー5』の放送を挟み、2023年4月6日から8月17日まで第3シーズンを放送。2024年4月4日からは毎週木曜夜10時の放送枠で第4シーズンを放送中。NHK版は『ブリティッシュ・ベイクオフ1』というようにタイトルにシーズン名を付している。第3シーズン以降HDで製作されているため認識されにくいが、本国で10年以上前に放送された内容となる。
概要
事前オーディションで選考されたアマチュア料理家(番組内では「ベイカー」(Baker)と呼ばれる)たちが、毎週与えられるテーマに沿ったパンやパイ、ケーキや焼き菓子などの出来栄えを10週に渡って競い合う番組。
ひとつのシーズンに参加するベイカーは12名(第1シーズンは10名、第4シーズンは13名)。
各ベイカーには1人1台ずつのオーブンやグリル、製菓用ミキサー、IHヒーターなどを備えた調理台が割り当てられ、毎週、下記3つのチャレンジに挑戦する。
- オリジナルチャレンジ(Signature Challenge)
- 事前に用意し試作した、自分が得意なレシピで作成する。
- テクニカルチャレンジ(Technical Challenge)
- 審査員(第7シーズンまではポール又はメアリー)が作成した簡素なレシピ(焼成温度や焼く時間、混ぜる順序、材料を刻む細かさなどが省かれている)と材料が会場で与えられ、それを用いて課題を作成する。課題は事前に知らされず、レシピと材料は全ベイカーに同じのものが用意される。
- 完成品はどのベイカーが作ったかわからない状態で審査される。
- マスターピースチャレンジ(Showstopper Challenge)
- 事前に用意したレシピとデザインでそれぞれの技術と個性を競う。
各チャレンジには制限時間が設けられ、司会者による「ベイク!(Bake!)」の掛け声で一斉に調理を開始する。
ベイカーはその時間内で材料の準備、生地の醗酵、焼き上げ、冷却、飾り付けなどの作業をすべて終わらせる。
その後、各チャレンジごとに審査員による試食と批評が行われる。「テクニカルチャレンジ」だけは全員の順位も発表される。
さらに、3つのチャレンジの出来から総合的に判断し、審査員の評価が低かった1から2名が脱落し、その週に最も評価が高かった者は、「スターベイカー」(Star Baker)の称号を得る。
決勝では、それまでに勝ち残った3名のベイカーからその年の優勝者が選ばれる。
NHKの放送は日本語吹き替え版を新規製作。進行役の声優はDlife/NHK版の順に小島幸子/本田貴子(スー)、濱口綾乃/樋口あかり(メル)、羽鳥靖子/唐沢潤(メアリー)、永野善一/楠大典(ポール)。
出演者
審査員 | 司会進行 | |
---|---|---|
第1シーズン~第7シーズン | ポール・ハリウッド (英語版) メアリー・ベリー (英語版) |
スー・パーキンス (英語版) メル・ギェドロイツ (英語版) |
第8シーズン~第10シーズン | ポール・ハリウッド プルー・リース (英語版) |
ノエル・フィールディング (英語版) サンディ・トクスヴィグ (英語版) |
第11シーズン~第13シーズン | ノエル・フィールディング マット・ルーカス (英語版) | |
第14シーズン~ | ノエル・フィールディング アリソン・ハモンド (英語版) |
テーマ
第1シーズン
- 第1週:ケーキ
- オリジナルケーキ
- ビクトリアサンドイッチケーキ(スポンジの間にジャムを挟んで粉砂糖を振りかけたケーキ)
- お祝い用のチョコレートケーキ
- 第2週:ティータイムのお菓子
- 第3週:パン
- オリジナルブレッド
- コブローフ(イギリス伝統の丸パン)
- バスケットいっぱいのパンを作る(食事系・スイーツ系を12個ずつ)それぞれ3種類まで作っていいが、すべてが審査対象に入る。
- 第4週(準々決勝):プディング
- オリジナルプディング
- レモンスフレ:あるベイカーが卵黄を入れ忘れるアクシデントがあった。
- 3種類のプディング(クランブル・パンプディング・スェットプディング(suet pudding、生地にスエット(牛や羊の脂)を使った伝統的なプディング))
- 第5週(準決勝):ペイストリー
- 第6週(決勝 前編):24個のプチケーキ
- ポールとメアリーが後編のチャレンジに向けて、どのベイカーを脱落するかで大もめになるアクシデントがあった。
- 第7週(決勝 後編):ガーデンパーティ
- スコーン・シュークリーム・タルト・サンドイッチの4種のアフタヌーンティセットを作る。:あるベイカーがシュー生地の出来に納得できず、ごみ箱ではなく流しに捨てるアクシデントがあった。
第2シーズン
- 第1週:ケーキ
- カップケーキ 24個(2種まで) カップケーキにアイシングを施すこと
- コーヒーとくるみのバッテンバーグケーキ
- 2段以上のお祝い用ケーキ:あるベイカーがケーキを落として1段になってしまうアクシデントがあった。
- 第2週:タルト
- セイボリーキッシュ
- レモンタルト
- スイーツ系のミニタルト 2種24個:あるベイカーが材料の計量ミスによって焼き型から作品をはずせなくなり、そのまま提出するアクシデントがあった。
- 第3週:パン
- 型を使わずに焼く味つけパン:あるベイカーが材料を切る際に指を切るアクシデントがあった。
- フォカッチャ
- かごいっぱいのパン パンに入れるかごもパン生地で作らなければならない。かごに入れるパンは24個で、スイーツ系・セイボリー系どちらでもいいが2種まで
- 第4週:ビスケット:2人がスターベイカーに選ばれた
- ビスケット 12個
- ブランデースナップ 24個
- マカロン 3種60個
- 第5週:パイ:2人が脱落した
- ポットパイ
- ポークパイ 6個:焼き上げたあと1晩寝かせる必要があるため、試食と結果発表は翌日行われた。
- メレンゲパイ
- 第6週(準々決勝):デザート
- ベイクドチーズケーキ
- チョコレートルーラード(メレンゲの生地でクリームを巻くロールケーキ)
- クロカンブッシュ
- 第7週(準決勝):パティスリー
- レイヤードムースケーキ
- アイスドフィンガー(アイシング・パン) 12個
- デニッシュ生地のペイストリー 3種 いずれも同じ生地から作ること
- 第8週(決勝)
第3シーズン
- 第1週:ケーキ
- アップサイドダウンケーキ
- ラムババ 4個
- 断面に隠しデザインが施されたケーキ
- 第2週:パン
- 第3週:タルト
- 第4週:デザート:メルが休みのためㇲーのみで司会進行
- 第5週:パイ
- ウェリントン(パイ生地で覆ったセイボリーパイ) 長さは8インチ以上あること
- ハンドレイズドパイ(湯練りペイストリー) 成形にはドリー(木製の型)を使用すること:焼き上げたあと1晩寝かせる必要があるため、試食と結果発表は翌日行われた。
- 甘いアメリカンパイ
- 第6週:プディング
- スポンジプディング 2種12個
- クイーン・オブ・プディング
- シュトルーデル:あるベイカーがフードプロセッサーで指を切る大けがをし応急処置を受けたため実質リタイアとなり、不公平に脱落するのはいかがなものかという理由で脱落者がゼロというアクシデントがあった。
- 第7週:甘い生地(sweet dough):前週の措置を受けて2人が脱落した
- 第8週(準々決勝):ビスケット
- 第9週(準決勝):ペイストリー
- プチフール 3種36個
- フレイジャーケーキ(苺、カスタードクリームなどを使ったフランスのケーキ)
- シュー生地で作るペイストリー
- 第10週(決勝)
- ピティヴィエ
- フォンダンファンシー 25個
- シフォンケーキ テーマは「ベイカー個人の2012年の象徴」
第4シーズン
- 第1週:ケーキ - 全体を通してベイカー数人が指を切ってしまうアクシデントがあった。
- 第2週:パン
- ブレッドスティック 36本 イースト菌で醗酵させた長さ25cmのもの
- イングリッシュ・マフィン 8個 オーブンではなく鉄板かホットプレートで焼くこと:あるベイカーが醗酵させていたマフィンを、スーがヒジで押しつぶしてしまうアクシデントがあった。
- 美しく成形して装飾したローフ
- 第3週:デザート:2人が脱落した。
- 第4週:パイとタルト
- ダブルクラストのフルーツパイ 生地はスイートかショートクラストであること
- カスタードタルト 12個
- フィロ生地のパイ
- 第5週:ビスケットとトレイベイク
- 第6週:菓子パン(Sweet Dough)
- 第7週:ペイストリー
- スエット・プディング
- チョコレートをかけたルリジューズ 8個
- パフペイストリー 36個(フィリングを詰めたもの、アイシングしたもの、ベイカー独自のものの3種)
- 第8週(準々決勝):グルテンフリー、デイリーフリー(乳製品不使用)
- 第9週(準決勝):フレンチ・ペイストリー
- 甘くないカナッペ 36個(シュー生地、ショートクラスト生地またはラフパフ生地、自由に選んだ生地の3種)
- シャルロット・ロワイヤル(ドーム状の型の内側に薄切りしたロールケーキを隙間なく貼付け、中にフルーツ入りのババロアを流しいれて固めたデザート):ババロアを冷やし固める時間を取るため、試食と結果発表は翌日行われた。
- 第10週(決勝)
第5シーズン
- 第1週:ケーキ
- ロールケーキ
- チェリーケーキ(cherry cake)
- イギリスの伝統的なケーキ(classic British cake) ミニサイズを36個
- 第2週:ビスケット
- 甘くないビスケット 36枚
- 片面にチョコレート掛けしたフロランタン 18枚
- 物語の立体ビスケット(3D biscuit scene、他の支え無しで自立するビスケットのみを用いて、物語性のある一場面を立体的に作る)
- 第3週:パン
- ライ麦のロールパン 12個
- チャバッタ(イタリアの伝統的な平たいパン。内部に気泡があり、もっちりしている) 4個
- 具入りパンのセンターピース(bread centrepiece、食卓の中央に置くにふさわしい装飾のある大きな調理パン)
- 第4週:デザート
- 第5週:パイとタルト
- 第6週:ヨーロッパのケーキ(European Cakes)
- 第7週:ペイストリー
- 第8週(準々決勝):パン生地 上級編(Advanced Dough)
- 第9週(準決勝):パティスリー
- 第10週(決勝)
- ヴィエノワズリー(クロワッサンのようなパイ生地のパン) 2種24個
- ヴィクトリア・サンドイッチ(スポンジケーキにクリームとジャムを挟んだもの)、タルト・オ・シトロン(レモンクリームのタルト)、スコーン 各12個
- ピエスモンテ(Piece Montee、豪華で巨大かつ複雑な装飾菓子) 各ベイカーが思い入れを持つ何かの形にすること
第6シーズン
- 第1週:ケーキ
- マデイラケーキ
- クルミのケーキ 刻んだクルミを入れた三層のスポンジにバタークリームをはさみ、全体をメレンゲで覆って、キャラメライズしたクルミを10粒飾ること
- ブラックフォレストケーキ (チェリーと生クリーム、キルシュヴァッサーを使ったチョコレートケーキ)
- 第2週:ビスケット
- 第3週:パン
- 第4週:デザート
- クレームブリュレ バーナーを使わずグリルで表面をキャラメリゼすること 12個
- スパニッシュ・ウィンドトルテ(Spanische Windtorte、フレンチメレンゲを中空の円筒型にカリっと焼き、もっちりしたスイスメレンゲ、イチゴ、ラズベリーで出来たフィリングを詰めた、オーストリアのデザート) 全面にパイピングを施し、マジパンで作ったスミレの花で飾ること
- ベイクドチーズケーキのタワー 少なくとも3段に重ねたもの
- 第5週:代替食材(Alternative Ingredients)
- 第6週:ペイストリー
- 第7週:ヴィクトリア調(Victorian)
- 第8週(準々決勝):ペイストリー
- 第9週(準決勝):チョコレート
- チョコレートタルト
- チョコレートのスフレ:賞味時間の短いスフレの特性から、ベイカー毎に開始時間をずらしてスタートする形式で行われた。
- チョコレートの立体的なオブジェ 必ずホワイトチョコレートとビスケットを取り入れること
- 第10週(決勝)
- フィリング入りのアイシング・パン 2種16個
- ラズベリーのミルフィーユ 三層で、上面に白とピンクのストライプ柄のアイシングを施すこと
- イギリス伝統のケーキ 同一の生地で大きさの違う複数のケーキを焼き、すべて同じ焼き上がりであること
第7シーズン
- 第1週:ケーキ
- 第2週:ビスケット
- 第3週:パン
- 第4週:バッター(batter、小麦粉、卵などを水や牛乳で溶いた生地)
- ヨークシャープディング すべて均一な膨らみ具合にし、甘くないフィリングを詰めること 24個
- レースのパンケーキ ハート型のもの 12個(最初の試作1個は勘定に含まない)
- チュロス 36個
- 第5週:ペイストリー
- 第6週:植物(Botanical)
- 第7週:デザート
- 第8週(準々決勝):チューダー朝(Tudor)
- 第9週(準決勝):パティスリー
- 第10週(決勝)
第8シーズン
- 第1週:ケーキ
- フルーツケーキ ファミリーサイズで、生のフルーツを必ず使用
- チョコレート・ミニロール 12個 チョコ味のスポンジにミント味のクリームを巻きチョコをかけたもの
- 本物そっくりケーキ ケーキには見えないケーキで、サイズは実物大であること
- 第2週:ビスケット
- サンドビスケット 24個 フィリングはオリジナルのもの
- フォーチュンクッキー アーモンド風味とオレンジ色のものを6個ずつ計12個で中にはおみくじを入れること
- ビスケットのボードゲーム 直径40センチ以上で味は8種以上、遊んで食べられること
- 第3週:パン
- ティーケーキ 12個 均一な丸い形でフルーツも均等に配分されていること
- コテージローフ 生地は手でこねること
- パンのアート 着色料ではなく自然の素材で3色以上の色をつけること
- 第4週:キャラメル
- 第5週:プディング
- スチームプディング コンポートやカスタードを添えること
- ピーナツバター入りチョコレートプディング 6個 審査員が焼き立てを試食するため調理開始時間を1人ずつずらす
- トライフルテリーヌ カスタードかムースにゼリーを重ねること
- 第6週:ペイストリー
- ショートクラスト生地を使った甘くないパイ 4個
- パステル・デ・ナタ(ラフパフ・ペイストリー) 12個
- ハンドレイズドパイ ファミリーサイズで甘くないパイであればフィリングは自由だがツヤ出ししたフルーツを上に飾ること
- 第7週:イタリアン
- 第8週(準々決勝):忘れられたベイキング
- ベッドフォードシャー・クランガー(甘いものと甘くないものの2種類のフィリングが入った細長いパイ)
- ラムニッキー(ラム酒漬けのフルーツが入り上部は格子模様になったスイーツ・ショートクラスト) 添えるラムバターも手作りすること
- サヴォイケーキ(バターなどの脂肪分を使わない軽いスポンジを何段も重ねたヴィクトリア朝のケーキ)
- 第9週(準決勝):パティスリー
- シュークリーム 24個 アイシングをしたものと砂糖がけのシュークラックランの2種
- ミゼラブル 9個 クリーム3層、スポンジ4層を重ねたもの
- メレンゲのセンターピース(オブジェ) フレンチ、イタリアン、スイスの3種のメレンゲから最低2種を使用すること
- 第10週(決勝)
- パン 3種12個 1種は成形すること、1種は小麦を使わないこと
- ジンジャービスケット 10枚 楕円形と四角形の2種ですべてに決められたアイシングを施すこと
- アントルメ(多層ケーキ) スポンジを含め5つの要素を入れること
スピンオフ
- ブリティッシュ ベイクオフ マスタークラス
- 番組の審査員を務めるメアリー・ベリーとポール・ハリウッドが、番組内で出題された課題のいくつかを実際に作り、そのコツを披露する料理番組。「ブリティッシュ ベイクオフ」各シーズンの終了後に放送される。
- 日本ではシーズン4のマスタークラス全4回を2018年6月より、シーズン5のマスタークラス全4回を2018年9月より、シーズン6のマスタークラス全4回を2019年3月よりDlifeで放送。
- クリスマス ベイクオフ
- 2016年に撮影された特番。過去の出場者から選ばれた4名がクリスマスをテーマにした3つのチャレンジに挑み、優勝者1名が決定される。2回にわたって放送され、それぞれ異なるベイカーが出場した。
- 日本では2019年12月に全2回がDlifeで放送された。
- ソーイング・ビー (The Great British Sewing Bee)
- ブリティッシュ ベイクオフと同じフォーマットで構成されたソーイング(裁縫)コンテスト番組。
日本国内リメイク
脚注
出典
- ^ “坂井真紀&工藤阿須加『ベイクオフ・ジャパン』競い合いながらも助け合う参加者たちに感動”. ORICON NEWS (2022年4月12日). 2022年4月18日閲覧。
外部リンク
NHK Eテレ 木曜 22:00 - 22:30 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
クラシックTV
※1時間繰り上げ |
ブリティッシュ・ベイクオフ1
↓ ブリティッシュ・ベイクオフ2 |
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ソーイング・ビー5
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ブリティッシュ・ベイクオフ3
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