プロミネンス (地誌学)
地誌学[訳語疑問点]においてプロミネンス(英語: prominence)とは、ある山や丘の頂上について、その頂上を囲む等高線の中でその頂上よりも高い地点を含まない最も低い等高線からの比高のことである。日本語では「地形突出度」などと呼ばれることもあるが、定訳がないため、本項目では「プロミネンス」と表記する。
世界最高峰かつユーラシア大陸最高峰のエベレストや日本最高峰かつ本州最高峰の富士山のような、その陸地における最高峰の場合、プロミネンスの基準となる等高線は海岸線となり、プロミネンスは海抜と一致する。
上記の等高線を使った定義以外にも、プロミネンスは別の表現で定義できる。
- ある山のプロミネンスがPメートルであった場合、その山の頂上からより高い地点へ行くには最低でもPメートルは下る必要があることになる。プロミネンスと海抜が一致している場合は、海岸線まで下りて他の島へ行く必要があるということである。
- ある頂Aとそれより高い頂Bを尾根沿いに繋いたときに、最も低い地点(最低鞍部)を見つけることができる。頂Aより高いすべての頂Bに対して、考えられるルートを取りつくしたとき、それらの最低鞍部の中で最も高い地点をkey colとする。頂Aのプロミネンスはkey colから頂Aまでの高さということになる。島の最高峰に対するkey colは海である。
世界の山をプロミネンスの高い順に並べた場合の5位までは以下のようになる。世界の山一覧 (プロミネンス順)に125位までのリストがある。
- 1位 - エベレスト(8,848 m)
- 2位 - アコンカグア(6,962 m)
- 3位 - デナリ(6,144 m)
- 4位 - キリマンジャロ(5,885 m)
- 5位 - クリストバル・コロン山(5,509 m)