プー あくまのくまさん
プー あくまのくまさん | |
---|---|
Winnie-the-Pooh: Blood and Honey | |
監督 | ライズ・フレイク=ウォーターフィールド |
脚本 | ライズ・フレイク=ウォーターフィールド |
原作 |
A.A.ミルン E.H.シェパード (キャラクター創作) |
製作 |
リース・フレイク=ウォーターフィールド スコット・ジェフリー |
製作総指揮 |
スチュアート・オルソン ニコール・ホランド |
出演者 | 後述 |
音楽 | アンドリュー・スコット・ベル |
撮影 | ヴィンス・ナイト |
編集 | ライズ・フレイク=ウォーターフィールド |
製作会社 | Jagged Edge Productions |
配給 |
Altitude Film Distribution アルバトロス・フィルム |
公開 |
2023年3月10日[1][2] 2023年6月23日[3] |
上映時間 | 84分 |
製作国 | イギリス |
言語 | 英語 |
製作費 | $100,000[4] |
興行収入 |
$25,497[5] $4,186,127[5] |
次作 | プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち |
『プー あくまのくまさん』(原題:Winnie-the-Pooh: Blood and Honey、直訳:クマのプーさん: 血と蜂蜜)は、2023年に公開されたイギリスの低予算ホラー映画。ザ・ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバースの1作目。A・A・ミルン原作の児童小説『クマのプーさん』をホラー映画化した作品である[3][6]。これは原作が2010年代後半から2020年代前半にかけて、世界各国で著作権の保護期間が相次いで終了し[8]、パブリックドメイン化されたことから実現した[3][9][10]。
あらすじ
青年になったクリストファー・ロビンは、大学進学のためプーとピグレットを森に残して旅立ってしまう。時が経ち、婚約者のメアリーを連れて森に戻ってきたロビンだったが、そこで目にしたのは血に飢えて野生化してしまったプーとピグレットの異様な姿だった。
キャスト
※括弧内は日本語吹替
- クリストファー・ロビン
- 演 - ニコライ・レオン(石毛翔弥)
- マリア
- 演 - マリア・テイラー(河村梨恵)
- ジェシカ
- 演 - ナターシャ・ローズ・ミルズ(横山友香)
- アリス
- 演 - アンバー・ドイグ=ソーン(夏葵)
- ゾーイ
- 演 - ダニエル・ロナルド(葛原詩織)
- ララ
- 演 - ナターシャ・トシーニ(阿部彬名)
- メアリー
- 演 - ポーラ・コイズ
- ティナ
- 演 - メイ・ケリー
- シャーリーン
- 演 - ダニエル・スコット
- プー
- 演 - クレイグ・デヴィッド・ドーセット(かぬか光明)
- ピグレット
- 演 - クリス・コーデル(相馬康一)
スタッフ
- 監督・脚本・編集・製作:ライズ・フレイク=ウォーターフィールド
- 音楽:アンドリュー・スコット・ベル
- 撮影:ヴィンス・ナイト
- 製作総指揮:スチュアート・オルソン、ニコール・ホランド
- 製作:スコット・ジェフリー
日本語版スタッフ
- 字幕:中沢志乃
- 宣伝:エクストリーム
- 提供:ニューセレクト
- 配給:アルバトロス・フィルム
公開
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国では2023年2月15日に劇場公開し、初日は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を抜いて全米3位に入る快挙を見せた[11]。しかし、当初から期間限定を前提とした劇場公開だったこともあり、翌日以降は上映館が縮小し、9日間で劇場での上映を終了した[11][12]。
日本
日本では2023年6月23日に劇場公開することが同年3月31日に発表された[3]。邦題については「くまのプーさん」が日本国内で商標登録されていることに配慮し、前述のタイトルになったとしている。本作品の映画配給を担当しているアルバトロス・フィルムの宣伝担当者はSNS上にて話題になった影響で若年層の来場が多いとしている[13]。
香港・マカオ
香港とマカオでは2023年3月23日に上映を予定していたが、検閲を担当する香港当局による許可が下りていたにもかかわらず、直前の同月21日に急遽上映中止が発表された。クマのプーさんは中国共産党では習近平総書記(最高指導者)を揶揄するキャラクターとしてあらゆる使用が禁止されていることから、 映画館側が習近平に配慮して上映を中止したのではないかという憶測を呼んでいる[14][15][16]。
評価
批評
評価は低く、エンターテインメント情報サイトのIGNは「引きのあるアイデアが多くの人々の注目を集めたが、期待を裏切られた。このおもしろみのないホラーパロディにはもやもやとした気持ちになるだろう。キャラクターデザインのおもしろみもかなり早い段階で失われてしまう。野生化したという設定のはずが、動物らしいのはフルフェイスのマスクだけだ。それも、毛皮などもない上に表情が乏しい。低予算ホラーの基準に照らしても手抜きでしかなく、もっと説得力のあるものにしようとかいった工夫すらない。注意が払われているのは、どれだけ残虐シーンを血生臭くできるかということだけのように感じる。さらに、ピントを合わせないカメラマン、異なるトーンを混ぜ合わせる監督、画面も暗く、そもそも映像として見づらい。映画制作の最も基本的な要素さえ押さえていないことにはがっかりした。本家の甘いはちみつ好きのプーさんが許さないほど、すっぱい味わいになってしまった。」と総評されている[17]。
また、映画評論サイトのRotten Tomatoesにおいても、批評家スコア4%の低評価を叩きだし、「史上最低評価の映画100」にランクインしたことが2023年3月に発表された[11]。
受賞歴
映画賞 | 授賞式 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
第44回ゴールデンラズベリー賞 | 2024年3月9日 | 最低作品賞 | 『プー あくまのくまさん』 | 受賞 | [18][19] |
最低監督賞 | ライズ・フレイク=ウォーターフィールド | ||||
最低スクリーンカップル賞 | 血に飢えた切り裂き魔/殺人鬼としてのプー&ピグレッド | ||||
最低前日譚・リメイク・盗作・続編賞 | 『プー あくまのくまさん』 | ||||
最低脚本賞 | ライズ・フレイク=ウォーターフィールド |
映像ソフト
2023年12月6日にアルバトロスよりBlu-ray並びにDVDが発売された。日本語吹替版が収録されており、本作でプーを演じているかぬか光明はディズニー版くまのプーさんにおいても同役を担当している。
脚注・出典
- ^ “Winnie the Pooh horror movie confirms UK release in cinemas”. Digital Spy (2023年2月10日). 2023年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月16日閲覧。
- ^ Madden, Emma. “The gory new Winnie the Pooh horror causing a storm”. BBC. 2023年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月16日閲覧。
- ^ a b c d 馬淵寛昭 (2023年3月31日). “「くまのプーさん」のホラー映画が6月23日に日本公開決定!邦題は『プー あくまのくまさん』 殺意にまみれたプーさんが迫りくる”. IGN Japan. 2023年3月31日閲覧。
- ^ Yossman, K. J. (2023年2月7日). “'Winnie the Pooh: Blood and Honey': Inside the Viral Micro-Budget Slasher Hoping to Slay the Box Office (EXCLUSIVE)”. Variety. 2023年2月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月8日閲覧。 “Frake-Waterfield’s production company Jagged Edge and ITN Films, which co-financed the project, declined to give the exact budget for "Pooh" but indicated it was under $100,000”
- ^ a b “Winnie the Pooh: Blood and Honey (2023)”. Box Office Mojo. IMDb. 2023年2月24日閲覧。
- ^ “クマのプーさん&ピグレットが登場するホラー映画『Winnie the Pooh: Blood and Honey』予告編”. cinemacafe.net. (2022年9月1日) 2023年3月25日閲覧。
- ^ Thomas Buckley (2023年2月17日). “「くまのプーさん」、新作映画で殺人鬼に-著作権切れで恐ろしい変貌”. Bloomberg.com. 2023年3月31日閲覧。
- ^ 但し、ウォルト・ディズニー・カンパニーが制作した同社版くまのプーさんは引き続き著作権の保護期間が継続している[7]。
- ^ tks24 (2017年5月15日). “「くまのプーさん」が5月21日にパブリックドメイン入り、注意すべきポイントとは?”. INTERNET Watch. 2023年3月31日閲覧。
- ^ 福井健策 (2022年9月27日). “著作権が切れるミッキー、怖すぎるプー”. 日経クロストレンド. 2023年3月31日閲覧。
- ^ a b c 中谷直登 (2023年3月17日). “殺人鬼『くまのプーさん』ホラー映画、米Rotten Tomatoesで4%スコアを叩き出す”. THE RIVER. 2023年4月1日閲覧。
- ^ Ritman, Alex (2022年11月1日). “Viral Low-Budget Horror ‘Winnie-the-Pooh: Blood and Honey’ Getting Theatrical Release in U.S., U.K., Canada, Mexico (Exclusive)”. The Hollywood Reporter. 2023年4月1日閲覧。
- ^ 浅野英介 (2023年7月3日). “くまのプーさんがホラー映画に 二次創作可能の背景に「著作権切れ」”. 産経新聞. 2023年7月5日閲覧。
- ^ “Screenings of Winnie the Pooh horror film cancelled in Hong Kong” (英語). The Guardian. Reuters (Guardian Media Group). (2023年3月21日)
- ^ “「くまのプーさん」題材のホラー映画、香港とマカオで上映せず=配給会社”. BBC. (2023年3月22日) 2023年3月25日閲覧。
- ^ “香港で「プーさん」モチーフのホラー映画が公開中止に…「習氏への忖度か」と臆測呼ぶ”. 読売新聞. (2023年3月23日) 2023年3月25日閲覧。
- ^ Donatobomb (2023年6月23日). “実写ホラー映画『プー あくまのくまさん』レビュー 血とはちみつは混ぜてはいけないことを教えてくれる作品”. IGN Japan. 2023年10月21日閲覧。
- ^ “Winnie-the-Pooh: Blood and Honey, Megan Fox sweep the 2024 Razzie Awards”. Entertainment Weekly (2024年3月9日). 2024年3月10日閲覧。
- ^ 入倉功一 (2024年3月9日). “最低映画賞ラジー「クマのプーさん」ホラーが作品賞含む5部門受賞”. シネマトゥデイ. 2024年3月10日閲覧。
関連項目
- マッド・ハイジ - 本作品と同じく著作権切れにより製作された映画として、日本ではほぼ同時期に公開された。
外部リンク
- 英語版オフィシャルサイト
- 日本語版オフィシャルサイト
- プー あくまのくまさん (@akumano_pooh) - X(旧Twitter)
- プー あくまのくまさん - allcinema
- プー あくまのくまさん - KINENOTE
- Winnie-the-Pooh: Blood and Honey - オールムービー(英語)
- Winnie-the-Pooh: Blood and Honey - IMDb(英語)