五霞町
ごかまち 五霞町 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 関東地方 | ||||
都道府県 | 茨城県 | ||||
郡 | 猿島郡 | ||||
市町村コード | 08542-1 | ||||
法人番号 | 5000020085421 | ||||
面積 |
23.11km2 | ||||
総人口 |
7,750人 [編集] (推計人口、2024年1月1日) | ||||
人口密度 | 335人/km2 | ||||
隣接自治体 |
古河市、猿島郡境町 埼玉県:久喜市、幸手市 千葉県野田市 | ||||
町の木 | 梅 | ||||
町の花 | バラ | ||||
町の鳥 | ヒバリ | ||||
五霞町役場 | |||||
町長 | 知久清志 | ||||
所在地 |
〒306-0392 茨城県猿島郡五霞町大字小福田1162-1 北緯36度06分51秒 東経139度44分45秒 / 北緯36.11414度 東経139.74597度座標: 北緯36度06分51秒 東経139度44分45秒 / 北緯36.11414度 東経139.74597度 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
特記事項 | 市外局番:0280(町内全域・古河MA) | ||||
ウィキプロジェクト |
五霞町(ごかまち)は、茨城県西南端の県西地域に位置する猿島郡にある町である。旧・下総国葛飾郡。東京都市圏。
概要
茨城県の西南端に位置し、関東平野のほぼ中央にあり、東京都心からの距離は約50キロメートルである。
町内の北東部を利根川、東部を江戸川、南西部を権現堂川および中川の四方を河川に囲まれている。隣接している自治体は、茨城県古河市・境町、埼玉県久喜市・幸手市、千葉県野田市の5市町である。茨城県内の自治体では唯一、町内全域が利根川の右岸(南側)にあり[注釈 1]、江戸川の起点としても知られている。
茨城県内の他市町村から当町へ直接アクセスできる道路は、1981年(昭和56年)に新4号国道春日部古河バイパスの新利根川橋が有料道路として架かる(2001年(平成13年)4月7日からは無料開放)まで存在していないため、同じ茨城県内へ直接行くことが出来ない飛び地であった。このような理由から、住民の日常生活における物品の購入・就労・進学など当町における生活圏は、利根川を隔てて隣接する茨城県古河市、猿島郡境町より、埼玉県幸手市や久喜市(旧栗橋町)との結びつきが強い。そのため、茨城県・県西地域の自治体では唯一、東京都市圏(都市雇用圏)に属する。最新の2015年(平成27年)の統計では、同じ県西地域の古河市、県南地域のつくば市・土浦市よりも東京都へ通勤・通学する就業者・通学者の割合が高い[注釈 2]。
東京都市圏には属するものの、隣接する古河市とともに昭和30年代から工業立地が進み、埼玉県方面からの労働力流入も多く、 昼間人口比率が124%(平成17年国勢調査)と高いことも特徴である。最新の平成27年の国勢調査では昼夜間比率が県内1位である。
また、当町の指定金融機関は、さいたま市に本店を有し埼玉県を拠点としている武蔵野銀行である。一方で、茨城県の指定金融機関であり、県庁所在地である水戸市に本店のある常陽銀行は、茨城県内の自治体では唯一、店舗・ATMともに当町には存在しない。
わずかではあるが、夏には冬木地区などで蛍が飛ぶ。
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)五霞インターチェンジの供用に伴い、圏央道・新4号国道・県道西関宿栗橋線等の高次な広域交通体系が確立された立地を生かし、商業・工業・流通業務等を中心とした「五霞インターチェンジ周辺地区土地区画整理事業」を進めている[1]。圏央道供用に伴い、当町における工業地の地価上昇率が全国1位となった(平成29年都道府県地価調査)[2]。
地理
概要
- 地勢:海抜は14m(土与部・江川などの台地)から7m(山王)であり、町内全域がほぼ平坦である。かつての利根川本流の権現堂川より東側に位置し、一部は猿島台地上のため、1947年(昭和22年)のカスリーン台風では浸水を免れている。
- 町内の三角点
- 下坪(5439-15-0902) 標高9.92m
- 宮脇(5439-16-0001) 標高11.45m
河川
地名
- 元栗橋(もとくりはし)
- 川妻(かわつま)
- 小手指(こてさし)
- 新幸谷(しんこうや)
- 小福田(こふくだ)
- 大福田(おおふくだ)
- 山王山(さんのうやま)
- 山王 (さんのう)
- 江川(えがわ)
- 幸主(こうしゅ)
- ごかみらい
- 冬木(ふゆぎ)
- 前林(まえばやし)
- 釈迦(しゃか)
- 原宿台(はらじゅくだい)
注意 : 住所などとして地名を用いる場合、「原宿台」及び「ごかみらい」以外では「大字元栗橋」のように「大字」をそれぞれの地名の前に冠する。
隣接する自治体
歴史
- 1857年(安政4年)10月 : 赤松宗旦『利根川図志』に、現在の五霞町の町域が「五ヶ村島」として紹介され、下総国葛飾郡に属し、南は権現堂川、北は赤堀川、東は逆川の間にあり、佐伯川の西に川妻村と東に他の十一ヶ村があるが、古くは五ヶ村であったものが分かれたとされる[3]。
- 1878年(明治11年)12月2日 : 郡区町村編制法により、茨城県管下の下総国葛飾郡の区域に西葛飾郡が発足。
- 1881年(明治14年) : 西葛飾郡幸館新田・主税新田が合併して幸主村となる。
- 1889年(明治22年)4月1日 : 市町村制施行に伴い、西葛飾郡元栗橋村・幸主村・山王山村・山王村・江川村・冬木村・新幸谷村・川妻村・小手指村・大福田村・小福田村の十一ヶ村が合併し、五霞村が発足[4][5]。
- 1892年(明治25年)
- 村役場を元栗橋から小福田の無量寿寺境内へ移転。
- 五霞村小学校を創設。
- 1893年(明治26年) : 五霞尋常小学校が五霞第一尋常小学校に、幸主分教場が五霞第二尋常小学校に改称。
- 1895年(明治28年) : 東葛飾郡関宿町の権現堂川以北(江戸町の一部)を編入。
- 1896年(明治29年)3月29日 : 郡制施行に伴い、西葛飾郡が廃止され、猿島郡に編入される。
- 1910年(明治43年)
- 1916年(大正5年) : 利根川(赤堀川)南岸の猿島郡香取村大字前林の一部・釈迦の一部を編入し、大字前林・釈迦を設置。
- 1921年(大正10年) : 村役場を無量寿院境内から小福田に新築移転。
- 1927年(昭和2年) : 山王閘門が竣工となる。
- 1935年(昭和10年) : 7.99mの水位を記録する洪水が発生する。
- 1963年(昭和38年) : 村役場の新庁舎(現在の町役場庁舎)が竣工となる。
- 1964年(昭和39年) : 関宿橋、境大橋が開通する。
- 1970年(昭和45年) : 五霞東小学校が設置される。
- 1971年(昭和46年) : 五霞西小学校が設置される。
- 1979年(昭和54年)11月27日 : 村章を制定する。
- 1981年(昭和56年) : 新4号国道春日部古河バイパスに新利根川橋が開通する。
- 1983年(昭和58年) : 村役場の庁舎を増築する。
- 1986年(昭和61年) : 村の花・村の木・村の鳥を制定する。
- 1989年(平成元年) : 村制百周年記念事業を挙行。
- 10月20日 : 五霞村民憲章を制定する。
- 1993年(平成5年) : 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)のインターチェンジの村内設置が決定。
- 1996年(平成8年)6月1日 : 町制を施行し、五霞町となる。
- 2001年(平成13年)4月7日 : 新4号国道春日部古河バイパスの新利根川橋を無料開放する。
- 2002年(平成14年)11月 : 合併に関する住民アンケートの結果、枠組みは「埼玉県内」が81.2%、「茨城県内」が17.1%となる。12月には幸手市との任意合併協議会が設置。
- 2003年(平成15年)4月1日 : 埼玉県幸手市との法定合併協議会を設置。
- 2004年(平成16年)1月31日 : 合併協議会を解散、単独での存続を決定。
- 2005年(平成17年)4月23日 : 道の駅ごかがオープン。
- 2013年(平成25年)10月1日 : 五霞町コミュニティ交通「ごかりん号」試験運行開始。
- 2015年(平成27年)3月29日 : 首都圏中央連絡自動車道(圏央道) 久喜白岡JCT - 境古河IC間開通、町内に五霞ICが開設。
- 2016年(平成28年)10月1日 : 五霞町コミュニティ交通「ごかりん号」本格運行開始。
- 2021年(令和3年)3月20日:茨城県道267号幸手境線バイパスの中川橋梁「令和橋」を含む延長約1.8kmの区間が供用。
変遷表
五霞町町域の変遷表 | |||||||||
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1868年 以前 |
明治元年 - 明治22年 | 明治22年 4月1日 |
明治22年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 | ||||
西葛飾郡 | 幸館村 | 明治14年 幸主村 |
五霞村 | 明治29年3月29日 猿島郡に編入 |
五霞村 | 平成8年6月1日 町制 |
五霞町 | ||
幸館新田 | |||||||||
主税新田 | |||||||||
山王山村 | |||||||||
山王村 | |||||||||
江川村 | |||||||||
冬木村 | |||||||||
新幸谷村 | |||||||||
元栗橋村 | |||||||||
川妻村 | |||||||||
小手指村 | |||||||||
大福田村 | |||||||||
小福田村 | |||||||||
釈迦村の一部 | 香取村 の一部 |
大正5年 五霞村に編入 | |||||||
前林村の一部 | |||||||||
東葛飾郡 | 関宿江戸町の一部 | 関宿町 の一部 |
明治28年 五霞村に編入 |
五霞村 |
人口
五霞町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 五霞町の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 五霞町
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 |
五霞町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
行政
平成の大合併
平成の大合併の大号令の元、改めて五霞町民の意識調査が行われ、希望が多かった埼玉県幸手市との全国的にも稀である越境合併を目指し、2003年(平成15年)4月1日、合併協議会が設置された。
しかし、埼玉県久喜市との合併の優先を望む幸手市民によるリコール運動を受け、五霞町との先行合併を唱えてきた幸手市長(当時)の増田実は辞職。増田は五霞町先行合併派の支持を受けて出直し市長選挙に改めて立候補したものの、久喜市優先派の市民団体が擁立した元久喜市水道部長・町田英夫が当選した。この結果、幸手市・五霞町合併協議会は2004年(平成16年)1月31日をもって解散となり、五霞町は単独での存続を決めた。
現在、茨城県内では河内町に次いで人口が少ない自治体となっている(平成の大合併以前は県北地区を中心に当町より人口の少ない自治体があったが、多数が常陸大宮市、常陸太田市、城里町に姿を変えた)。2007年4月に町議選が行われた際は県内で最も少ない議員定数10となった。
広域行政
- さしま環境管理事務組合 - 境町、坂東市、古河市(旧総和町および旧三和町の区域のみ)とともに、し尿処理(坂東市のうち旧岩井市の区域を除く)、さしま斎場および清水丘聖地霊園の設置・運営、霊柩車輸送業務(坂東市のうち旧岩井市の区域を除く)、さしまクリーンセンター寺久および最終処分場(ごみ処理施設)の設置・運営、さしま健康交流センター遊楽里および猿島コミュニティセンターの設置・運営を行なっている。
- 茨城西南地方広域市町村圏事務組合 - 古河市、下妻市、坂東市、常総市(旧石下町の区域のみ)、八千代町、境町とともに、消防の設置・運営、救急医療の確保、利根老人ホームの設置・運営および長井戸沼、大山沼、飯沼第一、鵠戸沼の各排水機場の設置・運営(下妻市と五霞町を除く)を行なっている。
- 利根川栗橋流域水防事務組合 - 埼玉県久喜市、埼玉県春日部市、埼玉県幸手市、埼玉県北葛飾郡杉戸町とともに利根川右岸および江戸川右岸の水防に関する事務処理を共同で行っている。
経済
産業
工業
- 工業事業所数(2018年)57ヵ所[7]
- 製造品出荷額等(2018年)2254億5806万円[7]
- 町内の工業団地 - 土与部工業団地、川妻工業団地、江川工業団地、大崎工業団地、押出工業団地、五霞IC周辺工業団地[1]
- 町内に工場・事業所を置く主な企業
農業
1966年(昭和41年)、県営土地改良事業および圃場整備事業。1974年(昭和49年)、農業構造改善事業によるカントリーエレベーター建設。
- 農家数(2015年)698戸(うち主業農家 47戸)[8]
- 農家人口(2000年)4082人[9]
- 耕地面積(2017年) - 田 904ha、畑 40ha[8]
- 農業産出額(2016年)9億6000万円[8]
- 主な作物の収穫量(2004年)[10]
就業人口
(2002年)[12]
金融機関
- 武蔵野銀行 五霞支店
- 茨城むつみ農業協同組合(JA茨城むつみ) 五霞支店
地域
教育
町の主要施設
- 五霞町役場
- 中央公民館
- 介護予防センター「やすらぎの家」
- 保健センター
- 福祉センター「ひばりの里」
- ごか西児童館
- ごか南児童館
- 五霞郵便局
- 五霞原宿台郵便局
- 道の駅ごか
- 五霞町B&G海洋センター
- 環境浄化センター
- 川妻浄水場
消防
- 茨城西南地方広域市町村圏事務組合 古河消防署(古河市)
- 五霞分署
警察
- 茨城県境警察署(境町)
- 元栗橋駐在所
- 小福田駐在所
公園
交通
1981年に新利根川橋が架橋される前は、五霞町と茨城県内を直接結ぶ道路がなかったこともあり、五霞町と茨城県内の他市町村を結ぶ路線バス路線が開設されたことはない。公共交通機関で五霞町から茨城県内の他市町村へ出る場合は必ず埼玉県を経由しなければならない。
東北新幹線が大宮駅 - 小山駅間で当町内の西端をわずかながら通過しているものの、鉄道駅はない。最寄り鉄道駅は、東武鉄道日光線南栗橋駅。町の北部地区では、JR宇都宮線・東武日光線栗橋駅も利用圏である。
バス
- 朝日自動車
- 五霞町役場前 - 辰堂 - 幸手駅前
- 五霞町コミュニティバス「ごかりん号」[13]
- 五霞町が朝日自動車へ運行委託している。運行担当は朝日自動車久喜営業所。
- 詳細は「朝日自動車久喜営業所#五霞町コミュニティバス「ごかりん号」」を参照
道路
- 高速道路
- C4 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)
- 一般国道
- 都道府県道
- 道の駅
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 健康福祉まつり
- 五霞ふれあいまつり
- 幸主名馬尊
- 栗橋城址
- 東昌寺
- 川妻一色神社
- 穴薬師古墳
- 冬木A・B貝塚
- 童夢公園
- 中の島公園
- 道の駅ごか
- 情報・防災ステーションごか[14]
- 大福田大杉囃子
- 小手指台囃子
- 川妻ひょっとこ踊り
著名な出身者
- 木村純夫(埼玉県幸手市長)
- 神谷尚(元・埼玉県庄和町長)
- 高山利昭(元・国立公文書館公文書課長)
- 三坂二三吉(元・内閣総理大臣官房参事官)
- 猿橋英之(元・漫才コンビ5番6番)
- 青木才次郎(貴族院多額納税者議員)
- 渡辺庄三郎(版元、版画家)
その他
- 自動車登録番号標(ナンバープレート)は、「つくばナンバー」である。ご当地ナンバーとして新設され、2007年2月13日から導入された。
- 隣接県境に位置するため、町内のライフラインを管轄するほとんどの企業の支店が県外にある。
関連項目
脚注
注釈
出典・引用文献等
- ^ “周辺地区土地区画整理事業 | 五霞町公式ホームページ”. www.town.goka.lg.jp. 2018年5月2日閲覧。
- ^ 関東地方整備局, 国土交通省. “圏央道茨城県区間全線開通後の整備効果 圏央道を利用した物流・観光が活発に | 記者発表 | 国土交通省 関東地方整備局”. www.ktr.mlit.go.jp. 2018年5月2日閲覧。
- ^ 赤松宗旦『利根川図志 』、岩波文庫、1938年 ISBN 4003020316 より
- ^ 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 8 茨城県』、角川書店、1983年 ISBN 4040010809 より
- ^ 日本加除出版株式会社編集部『全国市町村名変遷総覧』、日本加除出版、2006年、ISBN 4817813180 より
- ^ 「利根川治水の成立過程とその特徴」1981 宮村忠
- ^ a b 経済産業省経済産業政策局調査統計部「平成30年工業統計表」
- ^ a b c “茨城県五霞町”. わがマチ・わがムラ. 農林水産省. 2019年1月5日閲覧。
- ^ 農林水産省「2000年世界農林業センサス(農業編)」
- ^ 農林水産省「平成16年(産)作物統計調査」
- ^ 「茨城ブランド ローズポークまん 角切り肉で食べ応え」読売新聞2008年5月15日付朝刊、茨城2、34ページ
- ^ 総務省統計局「平成12年国勢調査」
- ^ 五霞町コミュニティバス「ごかりん号」時刻表&マップ 五霞町役場
- ^ 2017年4月7日「情報・防災ステーションごか」竣工五霞町公式ホームページ(2018年4月16日閲覧)