寺家駅

寺家駅
南口(2020年6月)
じけ
Jike
JR-G10 西条[1] (2.3 km)
(3.7 km) 八本松[1] JR-G08
所在地 広島県東広島市寺家駅前5-1
駅番号 JR-G09
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 G 山陽本線[1]
キロ程 275.2 km(神戸起点)
電報略号 チケ
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度-
2,045人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日 2017年平成29年)3月4日[1][広報 1]
備考 簡易委託駅
POS端末設置
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寺家駅(じけえき)は、広島県東広島市寺家駅前にある西日本旅客鉄道(JR西日本)山陽本線である[広報 2]駅番号JR-G09

概要

東広島市の中心駅として既に西条駅があるが、寺家地区からは2 - 3kmと距離が離れている(徒歩で20 - 30分程度)ため、1987年(昭和62年)に発足した「寺家駅建設促進期成同盟会」等地元4団体によって、長年に渡り新駅開設が要望されて来た[2]。しかし、予定地周辺は整備されていない他、地権者との交渉が難航していたため、明確な計画は発表されないままであった。

その後、2009年(平成21年)4月東広島市が新駅開設に合わせた「寺家地区土地区画整理事業」の事業案を公開し、同年4月29日まで市民の意見を受け付ける等駅新設へ具体的に動き始めた。2010年(平成22年)2月、駅南口広場と国道486号を繋げる道路工事から順次進められて行き、2015年(平成27年)には駅舎工事が起工した。

2016年(平成28年)7月8日のJR西日本記者会見で、正式駅名を「寺家駅」とし、1日の乗車人員を1,400人と見込み、快速列車(平日朝運行の「通勤ライナー」・土休日データイム運行の「シティライナー」)は通過とする概要を発表した[3]

海田市駅[4]が管理し、東広島市が運営[広報 3]する簡易委託駅であるが、同市から再委託の形でJR西日本中国交通サービスが駅業務を受託している[5][広報 4]

一部時間帯を除いてPOS端末による窓口発券を行う他、近距離普通乗車券自動券売機も設置。ICOCA利用可能駅(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)。

電報略号は、「シケ」が重安駅上下駅で使われているため、「チケ」である。

歴史

予定地付近には1980年代から20年以上に渡って駅新設を願う看板が設置されていた(写真の看板は駅新設計画が正式に決定した2015年に撤去された)

駅構造

相対式ホーム2面2線を有する地上駅橋上駅舎を備える。

駅舎

  • 橋上駅舎に南北自由通路を併設。自由通路は自転車専用レーンが設置されており、自転車通行も可能[1]。自転車専用レーンと構内には柵が設置されており、自転車専用レーン入口から入ると駅改札方面へは行けない構造となっている。

コンコース内

  • きっぷうりば(みどりの窓口は未設置)
  • 改札口1箇所(ICOCA利用可能簡易自動改札機1台)
  • 公衆トイレ(自由通路南口階段横)
  • エレベーター(自由通路南口・改札内1番乗り場共用1基・自由通路北口1基、改札内2番乗り場用1基)
  • 自動販売機(自由通路2台・改札内2台)

のりば

のりば 路線 方向 行先
1 G 山陽本線 下り 八本松広島方面
2 上り 西条三原方面

利用状況

「統計でみる東広島」によると、1日平均乗車人員の推移は以下の通り。

なお、2016年度の実営業日数は28日であり、出典は「国土数値情報 駅別乗降客数データ」である。
年度 1日平均
乗車人員
2016年(平成28年) 403
2017年(平成29年) 1,232
2018年(平成30年) 1,467
2019年(令和 元年) 1,867
2020年(令和02年) 1,765
2021年(令和03年) 1,822
2022年(令和04年) 2,045

駅周辺

国立東広島医療センターと大沢田池

西条盆地と呼ばれる盆地の北西にあり周囲を山に囲まれている。駅の北東にあるのが龍王山(標高574m)である。駅付近は呉市へ流れる黒瀬川水系の源流域に当たり、西に2㎞ほど行くと広島市へ流れる瀬野川水系との分水嶺がある。駅舎は黒瀬川左岸(東岸)に位置する。盆地内に大河川はないが溜池を利用した稲作が発達し農地としては水田が多い。山際の扇状地も開墾され棚田も多く見られる。周辺はかつては溜池の中でも大きな大沢田池とその湖畔に建つ傷痍軍人広島療養所(1939年開設、現在の国立病院機構東広島医療センター)があるくらいで一面の水田であった。1960年代より駅北西側の山地を切り開いて工業団地が造成され(現在の八本松飯田二丁目付近)、また、広島市や三原市のベッドタウンとして一部の水田は埋め立てられて住宅地に転用され開発が始まった。駅周辺の住宅は一戸建てが多かったが、2017年の駅開業後は集合住宅(マンション、アパート)も増加している。

国道は駅の南口側を通っており駅周辺の主たる商業地となっている。かつての旧・山陽道も当駅付近を経由していた。駅南側の山地を鉄道や国道は北に迂回しているが、旧山陽道は飢坂(かつえざか)と呼ばれるルートで山地を越えて西隣の八本松地区へと抜けていた。山陽自動車道は駅北側の山地を通過するが、地区内にインターチェンジはない。現在の最寄は西条インターチェンジであるが、地区内の東広島医療センター及び工業団地付近に八本松スマートインターチェンジ(仮称)が建設中である。

東広島医療センター付近の龍王山南西斜面下部や、飢坂下部塚の峠地区において、扇状地上部を中心に土石流を対象とした土砂災害防止法における土砂災害警戒区域、若しくは更に厳しい特別警戒区域に指定されている箇所がある。一部の渓流では砂防ダムが整備されている[8]。八本松地区で大きな被害が出た平成30年7月豪雨では寺家地区の龍王山の憩いの森公園内の渓流で土石流が発生したが、駅周辺の住宅地では大きな被害が出なかった。

駅周辺の区間は以前の国道2号西条バイパス開通時に486号へ移管されたもの。

バス路線

駅南口のロータリー内に「寺家駅」停留所があり、芸陽バス中国ジェイアールバスの路線が経由する。

芸陽バス
中国ジェイアールバス

隣の駅

西日本旅客鉄道(JR西日本)
G 山陽本線
快速シティライナー」・快速「通勤ライナー」
通過
普通
西条駅 (JR-G10) - 寺家駅 (JR-G09) - 八本松駅 (JR-G08)

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c d e f 清水康志 (2017年3月5日). “県内3新駅、期待乗せて発車 可部線で一部復活し2駅、山陽線は「寺家」開業”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 広島版 
  2. ^ 地元「いよいよ」喜び JR寺家駅3月4日開業, 中国新聞, (2016-12-17 28面), オリジナルの2016-12-20時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20161220161705/http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=305442&comment_sub_id=0&category_id=112 
  3. ^ 可部線延伸区間3月4日開業 山陽線の寺家駅も, 中国新聞, (2016-12-17 30面), オリジナルの2016-12-20時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20161220162056/http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=305444&comment_sub_id=0&category_id=112 
  4. ^ 開校当初から本校最寄駅前で校外通学路指導を行う 大田 澄男さんにJR西日本から感謝状を贈呈, NEWS CAST(近畿大学), (2021-07-29), https://newscast.jp/news/0549123 
  5. ^ 待望のJR寺家駅開業 30年越し地元住民の悲願実るTHE WEEKLY PRESSNET 平成29年3月11日
  6. ^ 山陽本線,八本松駅仮設ホームを使用して部分運転を再開”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2018年8月27日). 2018年8月31日閲覧。
  7. ^ 株式会社JR西日本中国交通サービスの設立について” (PDF). 西日本旅客鉄道株式会社 (2021年4月1日). 2021年4月6日閲覧。
  8. ^ 土砂災害ポータルひろしま. 広島県砂防課 2022年9月15日閲覧

広報資料・プレスリリース等1次資料

関連項目

外部リンク