第44回ベルリン国際映画祭
第44回ベルリン国際映画祭は1994年2月10日から21日まで開催された。
概要
政府の方針で大幅な予算削減を余儀なくされた1994年のベルリン国際映画祭は、しかし、その難しい状況下でも多くの作品と観客を集め、成功を収めたと言える。コンペティション部門には長編22本、短編9本が出品され、実話を基にしたジム・シェリダンの 『父の祈りを』 が金熊賞を受賞。また、ソフィア・ローレンが名誉賞を授与された。
部門で見ると、フォーラム部門ではモンゴル映画が、パノラマ部門でもアジア映画が多く上映された。
受賞
- 金熊賞: 『父の祈りを』 (ジム・シェリダン)
- 銀熊賞
- 審査員特別賞: 『苺とチョコレート』 (トマス・グティエレス・アレア)
- 監督賞: クシシュトフ・キェシロフスキ (『トリコロール/白の愛』)
- 男優賞: トム・ハンクス (『フィラデルフィア』)
- 女優賞: クリシー・ロック (『レディバード・レディバード』)
- 芸術貢献賞: セミョーン・D・アラノヴィッチ (『God sobaki』)
- 貢献賞: アラン・レネ (『スモーキング/ノースモーキング』)
上映作品
コンペティション部門
- 長編映画のみ記載。アルファベット順。邦題がついていない場合は原題の下に英題。
題名 原題 |
監督 | 製作国 |
---|---|---|
A magzat | マールタ・メーサーロッシュ | ハンガリー ポーランド |
第三の岸辺 A Terceira Margem do Rio |
ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス | フランス ブラジル |
Al otro lado del tunel (On the Far Side of the Tunnel) |
ハイメ・デ・アルミニャン | スペイン |
Alles auf Anfang (Back to Square One) |
ラインハルト・ミュンスター | ドイツ |
Cari fottutissimi amici (Dear Goddamned Friends) |
マリオ・モニチェリ | イタリア |
Charachar | ブッドデブ・ダシュブプト | インド |
Der Blaue (The Blue One) |
リーンハルト・ヴァヴツィーン | ドイツ |
Els de davant (The Window Over the Way) |
ヘスス・ガレイ | フランス スペイン |
Exile | ポール・コックス | アメリカ合衆国 |
フィアレス Fearless |
ピーター・ウィアー | アメリカ合衆国 |
苺とチョコレート Fresa y chocolate |
トマス・グティエレス・アレア | キューバ メキシコ スペイン アメリカ合衆国 |
Год собаки (The Year of a Dog) |
セミョーン・アラノヴィッチ | ロシア フランス |
火狐 (Sparkling Fox) |
呉子牛 | イギリス領香港 中国 |
華厳経 화엄경 |
チャン・ソヌ | 韓国 |
Il giudice ragazzino | アレッサンドロ・ディ・ロビラント | イタリア |
レディバード・レディバード Ladybird Ladybird |
ケン・ローチ | イギリス |
父の祈りを In the Name of Father |
ジム・シェリダン | アイルランド イギリス |
Pas très catholique (Something Fishy) |
トニー・マーシャル | フランス |
フィラデルフィア Philadelphia |
ジョナサン・デミ | アメリカ合衆国 |
スモーキング/ノースモーキング Smoking/No Smoking |
アラン・レネ | フランス |
トリコロール/白の愛 Trzy kolory: Bialy |
クシシュトフ・キェシロフスキ | フランス ポーランド スイス |
コンペティション外
- 永遠の愛に生きて – リチャード・アッテンボロー (イギリス・アメリカ)
- カリートの道 – ブライアン・デ・パルマ (アメリカ)
- 静かなる一頁 – アレクサンドル・ソクーロフ (ロシア・ドイツ)
- 日の名残り – ジェームズ・アイヴォリー (イギリス・アメリカ)
- リトル・ブッダ – ベルナルド・ベルトルッチ (イギリス・フランス)
- Abschied von Agnes – ミヒャエル・グヴィスデク (ドイツ)
日本映画
パノラマ部門で廣木隆一の 『800 TWO LAP RUNNERS』、山田洋次の 『学校』、フォーラム部門で山岡秀雄の 『Pickled Punk』、崔洋一の 『月はどっちに出ている』 がそれぞれ上映された。
審査員
- ジェレミー・トーマス (イギリス/プロデューサー)
- チンギス・アイトマートフ (キルギスタン/作家)
- マリア・ルイサ・ベンベルグ (アルゼンチン/監督・脚本)
- フランシス・ジロー (フランス/監督)
- カルロ・リッツァーニ (イタリア/監督)
- スーザン・シーデルマン (アメリカ/監督)
- シュー・フォン (香港/女優)
- モーガン・フリーマン (アメリカ/俳優)
- コリンナ・ハルフォーフ (ドイツ/女優)
- ヴォルフラム・シュッテ (ドイツ/ジャーナリスト)
- 柴田駿 (日本/フランス映画社代表)
外部リンク
- 公式サイト (ドイツ語・英語)