メル・コリンズ

メル・コリンズ
Mel Collins
2008年
基本情報
出生名 Melvyn Desmond Collins
生誕 (1947-09-05) 1947年9月5日(76歳)
出身地 イギリス王室属領
マン島の旗 マン島
ジャンル ロックプログレッシブ・ロックジャズ・ロックブルースロックファンク
職業 ミュージシャン管楽器奏者
担当楽器 サクソフォーンフルートメロトロン
活動期間 1963年 - 現在
共同作業者 サーカス
キング・クリムゾン
アレクシス・コーナー
ココモ
キャメル
KCプロジェクト

メル・コリンズ(Mel Collins、本名メルヴィン・デスモンド・コリンズ、1947年9月5日[1] - )は、イギリスミュージシャンサクソフォーン奏者。スタジオ・ミュージシャンとして精力的に活動して、数多くのアルバム制作に参加してきた。キング・クリムゾンココモのメンバーとしても知られる。

来歴

イギリス王室属領マン島出身。父が戦前からBBC専属のサックス・プレイヤーとして数多くの録音をこなしたセッションマンだった影響で、コリンズも幼い頃からジャズに親しみ、2002年のインタビューではチャールズ・ミンガスソニー・ロリンズから影響を受けていたと語っている[2]。10歳でピアノを、12歳でクラリネットを始め、その後サックスに転向した[2]

ロンドン南部クロイドンを拠点にローカルバンドをいくつか渡り歩き、労働許可証が貰える18歳の誕生日1965年9月からThe Dagoesというにツアーサポートバンドへ参加。ボ・ディドリー、P.J.プロビーのコンサートで演奏した。メロディメーカー紙の募集記事を頼りに1966年5月16日からフィリップ・グッドハンド・テイト率いるザ・ストームズヴィル・シェイカーズに加入、初めてレコーディングに参加した。同バンドは67年にサーカスと改名して同年からシングル2枚、テイトがソロ歌手として独立した後の1969年にアルバムを発表した。

1970年ロバート・フリップ(ギター、メロトロン)が率いるプログレッシブ・ロック・グループのキング・クリムゾンのセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』のレコーディングにゲスト参加。その後、正式メンバーとなり[注釈 1]、アルバム『リザード』『アイランズ』の制作に携わり、コンサートではフリップと分担してメロトロンも演奏した。キング・クリムゾンは1972年春のアメリカ・ツアーが終了すると同時に解散[注釈 2]し、コリンズは同僚のボズ・バレルイアン・ウォーレスと共にアメリカに残り、アレクシス・コーナーが率いるスネイプのメンバーとなった。因みに3名は、『アイランズ』の発表直後にキング・クリムゾンを去ったピート・シンフィールド(作詞、照明)が1973年に発表したアルバム『スティル』の制作に参加し、コリンズは収録曲の一曲をシンフィールドらと共作した。またコリンズは、フリップが新メンバーと再結成したキング・クリムゾンの1974年のアルバム『レッド』にゲスト参加した。

その後はスタジオ・ミュージシャンとして膨大な数のアルバムに参加した。また、1974年から1976年にかけてココモの正式メンバーとしても活動した。1977年にはブライアン・フェリーのツアー・バンドに加入し、フェリーの初来日公演に帯同し初来日。その後、キャメルに参加し、1979年1月の初の日本公演に帯同し、その後も度々レコーディングやライブにゲスト参加した。また、1978年にはローリング・ストーンズの世界的ヒット曲「ミス・ユー」でサックス・ソロを担当した。1980年代にもスタジオ・ミュージシャンとして活動を続け、ティナ・ターナープライヴェート・ダンサー』(1984年)やティアーズ・フォー・フィアーズシャウト』(1985年)といった世界的な大ヒット・アルバムで演奏。中島みゆきのアルバム『夜を往け』(1990年)のレコーディングにも携わった。また、1982年にはココモの再結成に参加した。

2002年には、キング・クリムゾンのオリジナル・メンバーであるイアン・マクドナルドマイケル・ジャイルズらとともに、キング・クリムゾンの初期の楽曲を再演するプロジェクト「21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド」を結成した[3]2003年には、フリップが主宰するディシプリン・グローバル・モービルが通信販売した『キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ CLUB23』[注釈 3]にライナーノーツを提供した。

2011年、フリップが主導する「キング・クリムゾン・プロジェクト」のアルバム『ア・スケアシティ・オブ・ミラクルズ』の制作に参加し[4]1974年の『レッド』へのゲスト参加以来、37年振りにフリップと共演した。そして2013年、フリップがキング・クリムゾンを再始動した時に正式メンバーとして復帰[5]。ライブ活動を行い、2022年現在も在籍中。

共演したミュージシャン

メル・コリンズがレコーディングやライブをサポートしたミュージシャンの一覧。姓またはバンド名の五十音順。

ディスコグラフィ

ソロ

  • Saxophone Ballads (1987年) ※西ドイツ盤LPのみ

フィリップ・グッドハンド・テイト・アンド・ザ・ストームズヴィル・シェイカーズ

  • "You can’t take love / J.C.Greaseburger" (1966年12月2日) ※シングル
  • The Stormsville Shakers (1966年) ※パリでの録音を含む4曲入りEP、フランス盤のみ
  • 1965 & 1966 / Ricky-Tick...40 Years On (2008年)
  • 『1965/67』 - 1965-1967 (2012年) ※レア音源集

サーカス

  • "Gone Are The Songs Of Yesterday / Sink Or Swim" (1967年8月8日) ※シングル
  • "Do You Dream? / House Of Wood" (1968年3月8日) ※シングル
  • 『サーカス』 - Circus(1969年)
  • When Circus Came To Stormsville 1967 (2009年) ※未発表スタジオ音源
  • One And One Is Two: Complete Recordings 1965-1967 (2015年5月) ※ザ・ストームズヴィル・シェイカーズ時代も含めたシングル+EP+未発表曲集

キング・クリムゾン

ア・キング・クリムゾン・プロジェクト

アレクシス・コーナー

  • 『アクシデンタリー・ボーン・イン・ニューオーリンズ』 - Accidentally Born in New Orleans (1973年) ※アレクシス・コーナー&スネイプ名義
  • 『ライヴ・オン・ツアー・イン・ジャーマニー』 - Live On Tour In Germany (1973年) ※Alexis Korner & Peter Thorup With Snape名義
  • Alexis Korner (1974年) ※ドイツとオーストラリア盤のみ

ココモ

  • 『ファンキー・マシーン★ココモ1号』 - Kokomo (1975年)
  • 『ライズ・アンド・シャイン』 - Rise and Shine! (1976年)
  • 『ココモ』 - Kokomo (1982年)
  • 『ライヴ・イン・コンサート』 - Live in Concert, 1975 (1998年)
  • 『トゥ・ビー・クール』 - To Be Cool (2004年) ※未発表音源集

キャメル

  • 『雨のシルエット』 - Rain Dances (1977年)
  • 『ブレスレス - 百億の夜と千億の夢 -』 - Breathless (1978年)
  • 『ライヴ・ファンタジア』 - A Live Record (1978年)
  • 『リモート・ロマンス』 - I Can See Your House from Here (1979年)
  • 『ヌードの物語 - Mr.Oの帰還 -』 - Nude (1981年)
  • 『プレッシャー・ポインツ - キャメル・ライヴ -』 - Pressure Points (1984年)

デヴィッド・バイロン・バンド

  • 『オン・ザ・ロックス』 - On the Rocks (1981年)

21st・センチュリー・スキッツォイド・バンド

  • 『オフィシャル・ブートレグ Vol.1』 - Official Bootleg V.1 (2002年)
  • 『ライヴ・イン・ジャパン 2002』 - Live in Japan (2003年) ※CD+DVD
  • 『ライヴ・イン・イタリー』 - Live in Italy (2003年)
  • 『ピクチャー・オブ・ア・シティー ライヴ・イン・ニュー・ヨーク』 - Pictures of a City – Live in New York (2006年)

脚注

出典

  1. ^ Mel Collins : AllMusic
  2. ^ a b 『ストレンジ・デイズ2004年4月号増刊 キング・クリムゾン』(ストレンジ・デイズ、雑誌05302-4)p.103
  3. ^ Smith (2019), pp. 313–314.
  4. ^ Smith (2019), pp. 315–318.
  5. ^ Smith (2019), pp. 323–324.
  6. ^ キング・クリムゾンのトニー・レヴィン&パット・マステロットにメル・コリンズも参加! 超絶技巧誇るスティック・メンが来日”. Mikiki (2017年2月3日). 2018年4月6日閲覧。

注釈

  1. ^ コリンズがキング・クリムゾンに在籍していた当時、GASS、ALAN BOWN両グループが発表したアルバムにプロデューサーMel Collinsというクレジットがあるが、Active Musicというプロダクションの同姓同名別人である。 BillBoard1971年11月13日号プロデューサー紹介より。
  2. ^ このアメリカ・ツアーの模様は、ライブ・アルバム『アースバウンド』に編集されて、同年、発表された。
  3. ^ フリップ、コリンズ、バレル、ウォーレスによる1972年2月27日のフロリダ州オーランドでのコンサートを収録したCD。

参考文献

  • 『キング・クリムゾン―至高の音宇宙を求めて』(新興楽譜出版社、1981年6月)
  • 『クリムゾン・キングの宮殿 風に語りて』シド・スミス著(ストレンジ・デイズ、2007年7月)
  • Smith, Sid (2019), In the Court of King Crimson: An Observation over Fifty Years, Panegyric, ISBN 978-1916153004 

外部リンク