ドラえもん のび太の日本誕生
『ドラえもん のび太の日本誕生』(ドラえもん のびたのにっぽんたんじょう)は、藤子不二雄Ⓕ(藤本弘)が1988年に執筆した大長編ドラえもんシリーズの雜誌連載漫画作品[注 1]。および、この連載漫画を元に作られ、1989年3月11日に公開された映画作品(映画公開時の脚本等の名義は藤子・F・不二雄)。大長編シリーズ第9作、映画シリーズ第10作。映画ドラえもん10周年記念作品。同時上映は『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』。
2016年に本作のリメイク版である『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』が公開された。
概要
7万年前の後期更新世日本および中国大陸を舞台に、精霊王ギガゾンビを擁するクラヤミ族と、それに相対するヒカリ族の側に付いているドラえもんとのび太たちの戦いを描いた長編作品。
ドラえもん のび太の日本誕生 (連載) | |
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漫画 | |
作者 | 藤子不二雄Ⓕ →藤子・F・不二雄[注 2] |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 月刊コロコロコミック |
発表期間 | 1988年9月 - 1989年2月 |
話数 | 6 |
その他 | 全180頁(扉6頁を含む) |
テンプレート - ノート |
漫画(連載)
連載漫画は『月刊コロコロコミック』1988年(昭和63年)10月号から1989年(平成元年)3月号に掲載された。全6回。
ドラえもん のび太の日本誕生 | |
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Doraemon: Nobita and the Birth of Japan | |
監督 | 芝山努 |
脚本 | 藤子・F・不二雄 |
原作 | 藤子・F・不二雄 |
製作 | シンエイ動画、テレビ朝日、小学館 |
製作総指揮 | 藤子・F・不二雄 |
出演者 |
レギュラー 大山のぶ代 小原乃梨子 野村道子 たてかべ和也 肝付兼太 ゲスト 松岡洋子 永井一郎 高島雅羅 |
音楽 | 菊池俊輔 |
主題歌 | 時の旅人/西田敏行 |
編集 | 岡安肇 |
制作会社 | シンエイ動画 |
製作会社 |
シンエイ動画 テレビ朝日 小学館 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1989年3月11日 |
上映時間 | 100分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 20億2000万円[1] |
前作 | ドラえもん のび太のパラレル西遊記 |
次作 | ドラえもん のび太とアニマル惑星 |
映画
画像外部リンク | |
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ポスター|英語版Wikipedia |
映画は1989年3月11日に公開された。テレビ朝日開局30周年、テレビアニメ10周年記念作品[2]。第7回ゴールデングロス賞優秀銀賞受賞[3]。
顧客動員数は、同シリーズでは原作者藤子・F・不二雄存命時には破られることはなく、2018年公開の『のび太の宝島』に破られた[4]。
公開直前の1989年3月4日には、ドラえもん映画公開記念スペシャルとして『ドラミちゃんと日本誕生!』も放映されているほか、公開後の1990年には、本作の続篇的内容のゲーム『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』が発売されている。
映画のアバンタイトルではククルが登場するのみでドラえもんたちが登場せず、ククルが時空乱流に吸い込まれた後に地球の全景が現れ、どこからともなく「ドラえもーん!」の叫びが聞こえてオープニングに入るという構成になっている。
終盤におけるタイムパトロール隊の出動シーンは、第一作の「のび太の恐竜」と同じカット割りの新作となっており、一作目をリスペクトしている。
本作よりドルビーステレオが採用された。
ドラえもん (1979年のテレビアニメ)のスタッフによって作られた。予告編は藤子不二雄Ⓕ名義である。
後日談
1989年6月に、本作の後日談が含まれる短編漫画「いつでもどこでもスケッチセット」[5]が掲載された『小学四年生』1989年7月号が発売された。
ドラえもん のび太の日本誕生 (大長編単行本) | |
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漫画 | |
作者 | 藤子・F・不二雄 |
出版社 | 小学館 |
レーベル | てんとう虫コミックス |
発売日 | 1989年7月28日 |
その他 | 全188頁[注 3] |
テンプレート - ノート |
漫画(単行本)
1989年7月28日に単行本(てんとう虫コミックス)が発売された。その際に加筆・修正が行われ、本編の頁数は13頁増加した。
最後の1頁が描き加えられ、ククルたち(新人)よりも前の日本には人間がいなかったという誤解を防ぐために、「彼等(旧人)は、やがて絶滅したらしく、今の日本人と血のつながりはない」という文章が記載されている。また、この頁に出てくる日本国王と、藤子・F作品『チンプイ』第5話「御先祖は日本王?」(1985年)に登場する日本国王は共にウンバホという名前で、同一人物であることが暗示されている。
あらすじ
学校でも家でも叱られてばかりののび太はついに家出を思い立つ。「無駄だからやめておけ」とドラえもん、しずか、ジャイアン、スネ夫の4人から揃ってバカにされるのび太。ひみつ道具を使って生活を始めようにも、どこもかしこも誰かの土地で思い通りになる場所が全然無い。一方のジャイアン、しずか、スネ夫も親からの期待や押し付けに嫌気が差し、更にドラえもんもパパが部長から預かったハムスターが天敵のネズミに見えることに耐えきれず、結局全員家出してしまう。途方に暮れる5人は、のび太の提案でまだ誰のものでもない「太古の日本」へ行こうと考え、史上最大の家出へと出発した。
タイムマシンで時空を超える途中に「謎の渦」へと巻き込まれそうになるものの、何とか無事に7万年前の日本へ辿り着く。住居を作り、食物や植物を育てる等、誰からも邪魔されない生活を思う存分満喫する一同。そんな中ペット係を任されたのび太は「動物遺伝子アンプル」を使って皆を驚かせようと、別々の動物をかけ合わせてみることにした。こうしてのび太は馬と白鳥からペガ、ワシとライオンからグリ、ワニと鹿とコウモリからドラコという3匹のペットを誕生させる。
またここへ来よう、と元の世界へ戻った5人。だが翌日、のび太たちは現代にいるはずのない原始人の少年と遭遇する。ドラえもんが「ほんやくコンニャク」で意思の疎通を図ると、少年は驚くべきことを話し始めた。自分はヒカリ族の少年・ククルで、ヒカリ族の村はクラヤミ族と名乗る謎の集団から襲撃を受けていたという。さらにクラヤミ族の背後には「不死身の精霊王」を名乗る呪術師「ギガゾンビ」という人物がいることも…。そしてとうとう彼らに両親や仲間が一斉にさらわれたその日、突如発生した「謎の渦」に巻き込まれてここへ来た、と。ドラえもんはタイムマシンでの移動時に遭遇した渦が「時空乱流」であり、ククルはそれに巻き込まれて現代にタイムワープしたのではと推理する。
5人はククルと共に再び7万年前の日本へ行くと、そこには立派に育ったペガ、グリ、ドラコの姿が。一行は彼等の背中に乗り、ヒカリ族が住んでいた中国大陸へ向けて出発する。海を越えなくては、と心配するのび太達に当時の地形図を見せるドラえもん。7万年前は氷河期のため海面が低く日本列島と大陸は地続きになっていたのだ。
ククルの村に辿り着いた一同はひみつ道具を使ってヒカリ族の行方を探り、その行き先を突き止めた。3匹のペットを村に留守番させて追跡を開始し、ついにクラヤミ族に連行されているヒカリ族を発見する。そこでドラえもんは自らを「ドラゾンビ」と名乗ってひみつ道具の力を見せつけクラヤミ族を追い払い、彼らを指揮する土偶型の怪物・ツチダマをも粉砕してみせた。ヒカリ族は歓喜し、ククルも無事に両親と再会を果たす。
クラヤミ族の襲撃が今後無いとも限らない、と心配した5人は、彼らヒカリ族を安全な日本に連れていくことを思い付く。どこでもドアを使って新天地へと移動したヒカリ族は、新たな村を自らの手で作り上げていく。その姿に感心する5人だったが、元の村にペガ、グリ、ドラコを忘れてきたのを思い出す。だがいくら探しても3匹は見つからず気落ちするのび太。ククルは飼っていた犬が狩りの途中ではぐれるもまた戻って来た話を始め、必ずまた故郷に帰ってくるとのび太を励ますのだった。
現代に戻り、また元の生活を始める5人。だがドラえもんは持ち帰ったツチダマの破片が粉々にしても元に戻ることから、これが未来に作られた形状記憶セラミック製であると見抜く。一方、ギガゾンビは元の姿に戻っていたツチダマから事の顛末を聞かされて激怒し、ドラゾンビを含めた仲間達を地の果てまで追ってでも捕えよと命ずる。ギガゾンビがただの呪術師ではない、と考えた5人はヒカリ族が心配になりみたび7万年前の日本へ。予感は的中し、ククルも含めたヒカリ族全員がまたもクラヤミ族に連れ去られていた。「助けてほしくばトコヤミの宮へ来い」というギガゾンビからのメッセージを見た5人は、ヒカリ族を救い出し太古の世界を守るため地の底にあるというトコヤミの宮を目指すのだった。
声の出演
- 「ドラゾンビ」を名乗り、変装する。科学の知識が無いククルに、「精霊を操るまじない師」との方便で説明した。名前は精霊王ギガゾンビに対抗してスネ夫が命名したもの。手に持っているショックステッキでクラヤミ族を退治し、助けられたヒカリ族からは大変慕われた。
- のび太 - 小原乃梨子
- ジャイアン - たてかべ和也
- スネ夫 - 肝付兼太
- しずか - 野村道子
- のび太のママ - 千々松幸子
- のび太のパパ - 加藤正之
- ジャイアンのママ - 青木和代
- 先生 - 田中亮一
ゲストキャラクター
- ヒカリ族
- 声 - 茶風林、坂東耕一郎、梁田清之
- 7万年前、現在の中国・和県付近に住んでいた原始人部族。ドラえもんたちの手助けにより、未開の地である日本に移住する。ドラえもんが変装したドラゾンビを神と敬い崇拝する。クラヤミ族に囚われ強制労働をさせられるが、タイムパトロール隊によって保護される。
- ククル
- 声 - 松岡洋子
- ヒカリ族の少年。集落近くの川で川魚を獲っていたため、辛くもただ1人、クラヤミ族の襲撃を免れた。その後、時空乱流(時空間の乱れ)に巻き込まれて現代の日本に転移してきた。仲間たちを救うべく、ドラゾンビ(ドラえもん)の力を借りてクラヤミ族に立ち向かう。一人称は2つ、「僕」「俺」を混用する。将来はウンバホ(「日の国の勇者」の意)と改名し、ヒカリ族の族長となる(漫画のみ)。
- なお、『チンプイ』の春日エリは、彼の子孫である[6]。
- タジカラ
- 声 - 仲木隆司
- ククルの父。クラヤミ族に立ち向かうなど勇敢である。祭りの際、野牛の蒸し焼きを石器の刃物で切断する描写が見られる[注 4]。
- タラネ
- 声 - 玉川紗己子
- ククルの母。日本に移住し、新しい村を建設した。祭りの際には、しずかに木の実をあげる仕草が見られる[注 4]。
- 長老
- 声 - 北村弘一
- ヒカリ族の長老。かなりの高齢で、連行に付いて行けず殺されかけた。
- クラヤミ族に再び囚われてからは、トコヤミの宮の建設のために強制労働させられるが、無事救出されて日本に移住した。
- ウズメ
- 声 - 林玉緒
- 頭に花を乗せた女の子。常に長老の側にいる。ヒカリ族が日本に移住した直後の宴では舞いを披露した。漫画には登場しない人物である。
- ウタベ
- 声 - 二又一成
- ヒカリ族の一員で、歌が得意な男(漫画では太目の中年、映画では痩身)。日本に案内された直後の宴で、ドラゾンビを称える歌を作った。ジャイアン曰く「石器時代の偉大なアーティスト」。
- ギガゾンビ
- 声 - 永井一郎
- 本編における黒幕。嵐と雷を操る不死身の精霊王を名乗る。当初は古代の呪い師と思われていたが、その正体は23世紀[注 5]から来た時間犯罪者。亜空間破壊装置によって時空間の往来を遮断して過去の歴史への干渉を防いだ上で過去の時代を我が物にし、恒久的な歴史支配を達成しようと目論んでおり、タイムパトロールからマークされていたため、追跡を避けて地下にトコヤミの宮を建造していた。
- トコヤミの宮に侵入してきたドラゾンビたちを根こそぎ捕らえて追い詰めたものの、遅れてやってきたのび太の手引きによって形勢逆転されタイムパトロール隊に基地を突き止められてしまう。部下のツチダマ、手下のクラヤミ族を見捨て、自分だけ逃亡を図ろうとするも、タイムマシーン目指して階段を上がっている途中でタイムパトロールのタイムスキッパーに体当たりされ階段を転落。そのまま亜空間破壊罪(漫画及び映画版第2期では歴史破壊未遂罪)で逮捕された(映画では逃げる暇もなくコントロール室で逮捕された)。
- 仮面をとった素顔は小柄で出っ歯の貧弱な顔の男だった[注 6][注 7]。一人称は「ワシ」または「私」。
- てんとう虫フィルムコミックスで逮捕の際に「山田博士」と呼ばれている。
- ツチダマ
- 声 - 高島雅羅
- ギガゾンビの部下で、言葉を話す遮光器土偶。クラヤミ族を操った張本人。形状記憶セラミック製[注 8]で再生能力を持っており、粉砕されても復活する。ただし、この再生能力はバラバラになった破片を繋ぎ合わせるに留まり、破片そのものが損失(作中では別時代に持ち去られて)した場合はその部位は再生(新構築)が出来ない。飛行能力を持ち、岩をも吹き飛ばす衝撃波を発生させることができる。時折「ギーガー」という奇怪な声をあげる。猛吹雪の中でも飛行が可能。ひみつ道具「瞬間接着銃」により身動きが取れなくなり、最後はギガゾンビに手駒扱いされ落盤に巻き込まれる。
- 漫画や映画版第2期では複数の個体が存在しているが、映画版第1期では1体のみの登場となった。
- クラヤミ族
- 声 - 広瀬正志(リーダー)、岸野一彦、郷里大輔
- 7万年前の中国に住む、猿人に近い種族でゴリラのような顔をしている。ヒカリ族に比べると身体能力は高く背丈も大柄だが知能が低いようで、ギガゾンビやツチダマの手下となっている。漫画では「サルども」とギガゾンビがツチダマに話すシーンもある。
- 架空動物
- のび太が動物の遺伝子アンプルとクローニングエッグで作り出した3匹の架空動物。また、電池切れが多く長時間使用できないタケコプターに代わる移動手段としての存在にもなっており、ドラえもん達を乗せて、長距離での移動が可能となった。だが、移動中に、ドラえもんの意向によって、一旦、ドラえもん一行と離れ離れとなってしまう。架空動物ゆえに石器時代や20世紀に存在することは許されないため、事件解決後に3匹ともタイムパトロールに引き取られ、「空想動物サファリパーク」で育てられることになった。漫画では「可愛がられ幸せに暮らしている」という一文もある。
- ペガ
- ペガサス。馬と白鳥のアンプルを同時に使って作られた。のび太としずかが乗る。特にのび太はペガにしか乗らず、名前を口にする機会もペガが最も多かった。
- グリ
- グリフィン。ワシとライオンのアンプルで作られた。ドラえもんとククルが乗る。ワニを急降下で攻撃した事もある。嗅覚が鋭いのか、猛吹雪直後の丘陵地帯からのび太の答案を発見する描写がある。
- ドラコ
- 東洋の龍(ドラゴン)。ワニとシカとトカゲ(映画ではトカゲの代わりにコウモリ)のアンプルで作られた。ジャイアンとスネ夫が乗り、漫画ではさらにしずかとククルを加えた4人で乗った事もある。その外見でワニやサーベルタイガーを威圧させている。しずかは「ドラちゃん」と呼び、ドラえもんから「紛らわしい名前付けないでよ」と突っ込まれた。
- タイムマシン
- 声 - 三ツ矢雄二
- 言葉を発し、行き先は音声で認識する。
- 前作映画『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』で音声機能が搭載されている。パラレル西遊記は漫画版が無いので、大長編漫画では本作25頁で初めて喋る。
- マンモス
- 声 - 大宮悌二
- ドラえもん達とはぐれたのび太の前に現れる喋るマンモス。猛吹雪で遭難したのび太に栄養ドリンクを与え、小箱(正体は発信機)を託した。その正体はタイムパトロール隊が乗ったタイムスキッパーが偽装した姿。トコヤミの宮の位置を突き止めるために後期更新世にワープして張り込みをしており、ギガゾンビに警戒されないためマンモスに変装して隠密行動していた。
- 空き地の地主
- 声 - 田口昂
- のび太たちがいつも遊んでいる空き地の地主。恰幅の良い体型ではげ頭。家出したのび太が空き地に住もうとしたところ、キャンピングカプセルを揺さぶられ(映画ではレンチで叩いた)、家を建てたら困ると注意された。不動産会社から土地を3億円で売るように勧められていた(当時はバブル景気の真っ只中)。
- タイムパトロール隊員
- 声 - 橋本晃一
- マンモスに変装したタイムパトロール隊の応援要請によって後期更新世にワープし、トコヤミの宮を襲撃した隊員の一人。落盤で逃げ道を失ったドラえもんたちの救助に現れ、基地を歴史に残さないために爆破消滅させると言い、ドラえもんたちをタイムスキッパーの中に入るよう指示した。
- 少年
- 声 - 真柴摩利
- のび太たちの仲間に入ろうとしたが、スネ夫が「ジャイアンのリサイタルの相談」だと言ったので逃げ出した(その後、スネ夫はこの冗談が気に入らなかったジャイアンに殴られた)。
- 少女
- 声 - 林玉緒、前田雅恵
- 学校の外で縄跳びをして遊んでいた。
用語
- 時空乱流(じくうらんりゅう)
- 時空間の乱れが生み出す、ブラックホールのような落とし穴。時間の流れが渦を巻いて乱れる。冒頭でククルを飲み込み、20世紀の東京に時空移動させた。ドラえもん達が最初にタイムマシンで7万年前に向かう道中で目撃する。飲み込まれた人間は、永久に亜空間をさまようか、運がよければ出口が開いて他の時代に落とされる。
- 作中、ドラえもんは、日本の神隠しや世界中の行方不明事件などは、時空乱流に人間が巻き込まれて消えたのではないかと、実例を挙げて説明している[7]。
- 藤子F作品『T・Pぼん』では登場人物のリームが「タイムトリッパー(時間転移者)」について説明する際、行方不明事件の実例を挙げるなど、本作とほぼ同様の説明を行っている[8]。リメイク版ではククルが巻き込まれた時空乱流はギガゾンビによる亜空間破壊装置の影響で発生したとされている。
スタッフ
- 制作総指揮・原作・脚本 - 藤子・F・不二雄
- 作画監督 - 富永貞義
- 監修 - 楠部大吉郎
- 美術設定 - 川本征平
- 美術監督 - 沼井信朗
- 録音監督 - 浦上靖夫
- 音楽 - 菊池俊輔
- 効果 - 柏原満
- 撮影監督 - 斎藤秋男
- 特殊撮影 - 三沢勝治
- プロデューサー - 別紙壮一、山田俊秀、小泉美明、波多野正美
- 監督 - 芝山努
- 演出助手 - 安藤敏彦、平井峰太郎
- 動画チェック - 内藤真一、原鐵夫
- 色設計 - 野中幸子
- 仕上監査 - 代田千秋、枝光敦子
- 特殊効果 - 土井通明
- コンピューターグラフィックス - 亀谷久、渡辺三千成、水端聡
- エリ合成 - 酒井幸徳、末弘孝史、渡辺由利夫
- 編集 - 渡瀬祐子、林美都子 / 井上和夫
- 文芸 - 滝原弥生
- 制作事務 - 古井俊和、大神田富人
- 制作進行 - 中村守、和田泰
- 制作デスク - 市川芳彦
- 制作協力 - 藤子プロ、旭通信社
- 制作 - シンエイ動画、小学館、テレビ朝日
主題歌
- オープニングテーマ「ドラえもんのうた」
- 作詞 - 楠部工 / 補作詞 - ばばすすむ / 編曲·作曲 - 菊池俊輔 / うた - 山野さと子 / セリフ - 大山のぶ代(ドラえもん)(コロムビアレコード)
- この作品から、この曲が山野版になり[注 9]、1998年『のび太の南海大冒険』・2000年『のび太の太陽王伝説』の2作を除く2004年『のび太のワンニャン時空伝』までの作品で使用された[注 10]。
- エンディングテーマ「時の旅人」
- 作詞 - 武田鉄矢 / 作曲 - 堀内孝雄 / 編曲 - 若草恵 / うた - 西田敏行(CBS・ソニーレコード)
- この曲は後に作曲した堀内孝雄や作詞した武田鉄矢によってそれぞれカバーされ、堀内のバージョンは1996年のフジテレビ系作品『700年前の約束』のイメージソングとして使用された。
- 歌詞は、2番と最後のサビ部分が西田と武田・堀内では異なり、入れ替わった歌詞となっている。
脚注
注釈
- ^ 『月刊コロコロコミック』での連載最終回から藤子・F・不二雄名義に改められた。
- ^ 連載第6回のみ。
- ^ 扉1頁+本編187頁。
- ^ a b 漫画ではこの描写は存在しない。
- ^ 映画版第1期では、出自が23世紀だとは言及していない。
- ^ 「ドラえもんクラブ」第2巻に掲載された「ドラえもん映画アカデミー賞」では「史上最弱ライバル賞」を受賞している。
- ^ 漫画でも1コマだけ素顔を見せているが、こちらでは体格の良いワシ鼻の男で映画ほど貧弱ではない。
- ^ 漫画及び映画版第1期では、現在へ戻ったドラえもんが形状記憶セラミックであることを突き止めたが、映画版第2期ではドラえもんが素材を見つけられず妹のドラミに調べさせている。
- ^ テレビシリーズ版では1992年10月9日放送分から山野版を使用。
- ^ テレビシリーズ版での使用は2002年9月20日放送分まで。
出典
- ^ 1989年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
- ^ “「のび太の新恐竜」がドラえもん50周年記念作品として 2020年3月公開! - ドラえもんの映画ヒストリーをおさらい”. 小学館 (2019年10月28日). 2020年3月25日閲覧。
- ^ “過去のゴールデングロス賞 - 全国興行生活衛生同業組合連合会”. Japan Association of TheaterOwners.. 2020年3月25日閲覧。
- ^ “映画「ドラえもん」絶好調「6年連続のベトナム公開も決まりました」テレビ朝日”. スポーツ報知 (2018年4月24日). 2018年12月5日閲覧。
- ^ 掲てんとう虫コミックス41巻収録。テレビアニメ版は1989年11月10日に放送。
- ^ 『チンプイ』第5話「御先祖は日本王?」
- ^ 漫画単行本64~66頁。
- ^ 『T・Pぼん』「超空間の漂流者」。このエピソードは本作の漫画版で行方不明事件の実例として挙げられていたアンブローズ・ビアスがタイムトリッパーとして登場。遥か未来まで漂着してしまったことになっている。
関連項目
- ドラえもん ギガゾンビの逆襲
- ドラミちゃん ミニドラSOS!!!
- ドラえもん映画作品
- 映画ドラえもんのひみつ道具
- アニメーション映画
- タイムトラベル
- ザ・スーパーサンデー - 1996年9月29日(藤子Fの葬儀・告別式当日)藤子Fの追悼番組として本作が放送された。
- ドラえもん 新・のび太の日本誕生 - ドラえもん映画36作目で、本作のリメイク。
外部リンク
- 漫 - 原作漫画、大長編漫画等の執筆者の頭の1文字または略記号。藤=藤子不二雄。F=藤子・F・不二雄。1987年の独立前のみ「藤」と記載した(ただし『ドラえもん』は連載開始時から藤本単独作)。FP=藤子プロ。それ以外は作画者を記載。括弧付きは藤本以外が執筆した外伝、短編など。詳細は大長編ドラえもん#作品一覧(併映作品は各作品のページ)を参照。