フィリップ・ストレイフ

フィリップ・ストレイフ
Philippe Streiff
フィリップ・ストレイフ (2014年)
基本情報
国籍 フランスの旗 フランス
出身地 同・イゼール県ラ・トロンシュ英語版
生年月日 (1955-06-26) 1955年6月26日
没年月日 (2022-12-23) 2022年12月23日(67歳没)
F1での経歴
活動時期 1984,1985-1988
所属チーム '84 ルノー
'85 リジェ
'85,'86-'87 ティレル
'88-'89 AGS
出走回数 55 (53スタート)
タイトル 0
優勝回数 0
表彰台(3位以内)回数 1
通算獲得ポイント 11
ポールポジション 0
ファステストラップ 0
初戦 1984年ポルトガルGP
最終戦 1989年ブラジルGP
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フィリップ・ストレイフPhilippe Streiff, 1955年6月26日 - 2022年12月23日[1])は、フランス出身の元レーシングドライバー。1984年にF1デビューし、1988年最終戦までF1に参戦。1989年はAGSからF1参戦の予定だったが、開幕直前の合同テストでのクラッシュ時に脊髄損傷を負い現役を引退。

プロフィール

F3チャンピオン

フォーミュラ・ルノーでレースキャリアを開始。1981年のル・マン24時間レースで総合2位を獲得、同年のフランス・フォーミュラ3選手権チャンピオンにも輝き、フランス期待の若手として注目される。

F2

その後は1982年からヨーロッパF2選手権と、1985年の国際F3000選手権に参戦した。ヨーロッパF2の最後のレースとなった1984年のブランズハッチにおいて、ヨーロッパF2で自身唯一の勝利を挙げた。1984年のルマン24時間レースでもポルシェ・956Bを駆り3位を獲得するなど活躍した。

F1

同年F1最終戦のポルトガルGPで母国のルノーよりF1デビューを飾る。1985年はルノー・ターボエンジンを搭載するリジェティレルより終盤の5戦(ティレルは第15戦のみスポット)に参戦し、最終戦である第16戦オーストラリアGPで初入賞となる3位表彰台を獲得。

1986年はティレル・ルノーのレギュラーシートを得る。初のフル参戦で2度の6位以内入賞を果たし、3ポイントを獲得。

1987年もティレルより参戦。しかしティレルはルノー・ターボを失い、ターボエンジン全盛期のF1界の中でノン・ターボエンジンであるフォード・DFZエンジンを使用することとなる。エンジンパワーで非力となったティレル・DG016で2度の6位以内入賞を果たし4ポイントを獲得。同僚のジョナサン・パーマージム・クラークカップを争う(結局、パーマーが獲得)。

1988年はF2/F3000時代に所属しており、その後F1にステップアップしてきたフランスの小規模チームAGSに移籍。JH23は時に速さを見せ、第5戦カナダGPで予選10位を記録、決勝では41周目にサスペンショントラブルでリタイアするまで一時的に4位を走行した。しかしながら信頼性不足でリタイヤが多くポイント獲得はならなかった。

1989年はAGSに残留したが、開幕直前にジャカレパグア(ネルソン・ピケ・サーキット)で行われたテスト中のクラッシュにより脊髄を損傷する重傷を負い[2]、引退した。下半身の麻痺が残り、以後車椅子での生活となった。

引退後

引退後はカートチームなどを運営していた。毎年パリで開かれるプロドライバーによるインドアカート大会主催者、BMWアンバサダーを務めた。

2015年、ジュール・ビアンキの事故の調査に関して「侮辱的な発言」を行ったとして(ストレイフが「ビアンキの事故についての調査委員会はFIAが非難を免れるために設立されたに過ぎない」とラジオインタビューで発言)、このストレイフの発言を知ったFIA会長ジャン・トッドの怒りを買い、名誉毀損で国際自動車連盟(FIA)に告訴された[3]。一連の流れを受け、ストレイフはFIAに謝罪し自らの発言を取り消した。

2022年12月23日、死去[4][1]。67歳没。

エピソード

  • 身長185cmと、現役当時はスリムな体型であった。
  • 物静かな性格と言われていたが、F2時代のエピソードとして後ろから追突された際、誰が自分のマシンに接触したか分からなかったためライバルのマシンを一台一台チェック、ボディに凹みがあったマシンを発見しそのマシンを思いっきり蹴飛ばしたことがあった。
  • AGS在籍当時「ブイグ」というスポンサーが一時期ついていたが、これは飛行機内でストレイフが意気投合し仲良くなった、フランスで有数の規模の建築会社である。

レース戦績

略歴

シリーズ チーム レース 勝利 PP FL 表彰台 ポイント 順位
1978 フランス・フォーミュラ・ルノー選手権英語版 エキュリー・モチュール・ノガロ 14 1 0 1 6 101 5位
ル・マン24時間レース チーム・プロニプシア 1 0 0 0 0 N/A NC
1979 ヨーロピアン・フォーミュラ3 エキュリー・モチュール・ノガロ 7 0 0 0 0 0 13位
フランス・フォーミュラ3英語版 ? ? ? ? ? 28 2位
1980 ヨーロピアン・フォーミュラ3 11 1 1 0 2 18 6位
フランス・フォーミュラ3 2 1 0 0 2 57 3位
1981 ヨーロピアン・フォーミュラ3 13 0 0 1 5 36 4位
フランス・フォーミュラ3 5 2 3 2 4 99 1位
全日本・フォーミュラ2 - 1 0 0 0 0 0 NC
ル・マン24時間レース ジャン・ロンドー 1 0 0 0 1 N/A 2位
1982 ヨーロピアン・フォーミュラ2英語版 モチュール・GPA 13 0 0 0 2 22 6位
1983 エキュリー・アルマニャック・ビゴール 11 0 0 0 4 25 4位
ル・マン24時間レース フォード・フランス 1 0 0 0 0 N/A DNF
1984 ヨーロピアン・フォーミュラ2 AGS 11 1 0 0 4 27 4位
フォーミュラ1 エキップ・ルノーエルフ 1 0 0 0 0 0 NC
ル・マン24時間レース スコール・バンディット英語版ポルシェ・チーム 1 0 0 0 1 N/A 3位
ジョン・フィッツパトリック・レーシング英語版
1985 国際フォーミュラ3000英語版 AGS 10 0 0 0 1 12 8位
ローラ・モータースポーツ 1 0 0 0 0
フォーミュラ1 エキップ・リジェジタン 4 0 0 0 1 4 15位
ティレル・レーシング・オーガナイゼーション 1 0 0 0 0
1986 データ・ゼネラルチーム・ティレル 16 0 0 0 0 3 14位
1987 16 0 0 0 0 4 15位
世界ツーリングカー選手権 エッゲンバーガー・モータースポーツ英語版 1 0 0 0 0 0 NC
1988 フォーミュラ1 AGS 15 0 0 0 0 0 NC
世界スポーツカー選手権 ブラウプンクト・ヨースト・レーシング 2 0 0 0 0 20 37位
チーム・ザウバー・メルセデス

ル・マン24時間レース

チーム コ・ドライバー 車両 クラス 周回数 総合
順位
クラス
順位
1978年 フランスの旗 チーム・プロニプシア フランスの旗 ミシェル・エルコビ
フランスの旗 ピエール・イーヴァー
ローラ・T296 - コスワース Gr.6
S 2.0
232 NC NC
1981年 フランスの旗 ジャン・ロンドー フランスの旗 ジャッキー・ハラン
フランスの旗 ジャン=ルイ・シュレッサー
ロンドー・M379C - コスワース GTP
(3.0)
341 2位 1位
1983年 フランスの旗 フォード・フランス フランスの旗 ジャン=ピエール・ジョッソー ロンドー・M482 - フォードコスワース C 12 DNF DNF
1984年 イギリスの旗 スコール・バンディット・ポルシェ・チーム イギリスの旗 デヴィッド・ホッブス
南アフリカの旗 サレル・ヴァン・デル・メルヴェ
ポルシェ・956 C1 351 3位 3位

ヨーロピアン・フォーミュラ3

エントラント シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 総合
順位
ポイント
1979年 エキュリー・モチュール・ノガロ マルティニ・Mk27 ルノー VLL
DNQ
ÖST
13
ZOL
DNQ
MAG
10
DON ZAN
17
PER
MNZ
DNQ
KNU
7
KIN
4
JAR
4
KAS
Ret
13位 6
1980年 マルティニ・Mk31 トヨタ 2T-G NÜR
7
ÖST
NC
ZOL
22
MAG
4
ZAN
8
LCA
7
MUG MIS
Ret
KNU
5
SIL
DNA
JAR
9
KAS
3
ZOL
1
6位 18
1981年 マルティニ・Mk34 アルファロメオ VLL
DNQ
NÜR
Ret
DON
9
ÖST
6
ZOL
2
MAG
4
LCA
4
ZAN
3
SIL
DNA
CET
5
MIS
4
KNU
3
JAR
Ret
IMO
2
MUG
3
4位 36

全日本・フォーミュラ2選手権

シャシー エンジン 1 2 3 4 5 順位 ポイント
1981年 AGS・JH18 BMW M12/7 SUZ SUZ SUZ SUZ SUZ
11
NC 0

ヨーロピアン・フォーミュラ2選手権

エントラント シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 順位 ポイント
1982年 モチュール・GPA AGS BMW M12/7 SIL
10
HOC
Ret
THR
5
NÜR
Ret
MUG
Ret
VLL
2
PAU
Ret
SPA
4
HOC
Ret
DON
5
MAN
2
PER
4
MIS
Ret
6位 22
1983年 エキュリー・アルマニャック・ビゴール SIL
5
THR
8
HOC
Ret
NÜR VLL
5
PAU
8
JAR
4
DON
3
MIS
Ret
PER
2
ZOL
3
MUG
3
4位 25
1984年 AGS SIL
Ret
HOC
5
THR
3
VLL
Ret
MUG
11
PAU
2
HOC
Ret
MIS
2
PER
Ret
DON
7
BRH
1
4位 27

フォーミュラ1

エントラント シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 WDC ポイント
1984年 ルノー RE50 ルノー EF4 1.5 V6 t BRA RSA BEL SMR FRA MON CAN DET DAL GBR GER AUT NED ITA EUR POR
Ret
NC 0
1985年 リジェ JS25 ルノー EF4B 1.5 V6 t BRA POR SMR MON CAN DET FRA GBR GER AUT NED ITA
10
BEL
9
EUR
8
AUS
3
15位 4
ティレル 014 RSA
Ret
1986年 ティレル 014 BRA
7
ESP
Ret
SMR
Ret
CAN
11
14位 3
015 MON
11
BEL
12
DET
9
FRA
Ret
GBR
6
GER
Ret
HUN
8
AUT
Ret
ITA
9
POR
Ret
MEX
Ret
AUS
5
1987年 DG016 フォード・コスワース DFZ 3.5 V8 BRA
11
SMR
8
BEL
9
MON
Ret
DET
14
FRA
6
GBR
Ret
GER
4
HUN
9
AUT
Ret
ITA
12
POR
12
ESP
7
MEX
8
JPN
12
AUS
Ret
15位 4
1988年 AGS JH23 BRA
Ret
SMR
10
MON
DNS
MEX
12
CAN
Ret
DET
Ret
FRA
Ret
GBR
Ret
GER
Ret
HUN
Ret
BEL
10
ITA
Ret
POR
9
ESP
Ret
JPN
8
AUS
11
NC 0
1989年 JH23B フォード・コスワース DFR V8 BRA
DNA
SMR MON MEX USA CAN FRA GBR GER HUN BEL ITA POR ESP JPN AUS NC 0

国際フォーミュラ3000選手権

エントラント シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 順位 ポイント
1985年 オートモビルズ・ゴンファロネーズ・スポルティヴ AGS・JH20 コスワース SIL
Ret
THR
Ret
EST
10
NÜR VAL
5
PAU
5
SPA
Ret
DIJ
9
ÖST
5
ZAN
3
DON
5
8位 12
ローラ・モータースポーツ ローラ・T950 PER
Ret

脚注

  1. ^ a b “1980年代のF1ドライバー、フィリップ・ストレイフが死去”. autosport. (2022年12月24日). https://www.as-web.jp/f1/893751 2022年12月25日閲覧。 
  2. ^ AGSのストレイフ、テスト中にクラッシュ 開幕は絶望的 グランプリ・エクスプレス '89シーズン開幕直前号 6頁 山海堂 1989年4月3日発行
  3. ^ FIA、名誉棄損で元F1ドライバー ストレイフを告訴。ビアンキ事故調に関する発言で - AUTOSPORT web (2015年1月23日)
  4. ^ 元F1ドライバー、ストレイフ氏が死去 67歳”. AFP News. 2022年12月25日閲覧。

関連項目

外部リンク

タイトル
先代
アラン・フェルテ
フランスF3 チャンピオン
1981
次代
ピエール・プティ