国道338号

一般国道
国道338号標識
国道338号
地図
総延長 261.4 km
実延長 239.3 km
現道 210.6 km
陸上区間 242.4 km
海上区間 019.0 km(津軽海峡
制定年 1975年昭和50年)
起点 北海道函館市
函館駅前交差点(北緯41度46分21.4秒 東経140度43分40.9秒 / 北緯41.772611度 東経140.728028度 / 41.772611; 140.728028 (函館駅前交差点)
主な
経由都市
青森県むつ市三沢市
終点 青森県上北郡おいらせ町
苗振谷地交差点(北緯40度36分0.66秒 東経141度25分49.56秒 / 北緯40.6001833度 東経141.4304333度 / 40.6001833; 141.4304333 (苗振谷地交差点)
接続する
主な道路
記法
国道5号標識 国道5号
国道278号標識 国道278号
国道279号標識 国道279号
国道394号標識 国道394号
国道54号標識 国道45号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
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むつ市下北郡東通村との境界付近(2015年9月

国道338号(こくどう338ごう)は、北海道函館市から青森県むつ市を経て、上北郡おいらせ町に至る一般国道である。

概要

北海道函館市函館駅前から津軽海峡の海上区間を越えて、青森県下北郡大間町より仏ヶ浦がある下北半島北西部の津軽海峡と陸奥湾の海岸線に沿ってむつ市街を経て、太平洋岸沿いに下北半島を南下して上北郡おいらせ町に至る、総延長約260 km一般国道の路線である。下北半島を縦断する基幹国道としては、野辺地町 - むつ市 - 下北郡大間町の直線的ルートを採る国道279号があるが、本路線はそれから外れた下北半島の北部西岸・南部東岸を経由しており、国道279号のバイパスともいえる経路をとる[1]。主な経過地は、青森県下北郡大間町、下北郡佐井村、むつ市、下北郡東通村上北郡六ヶ所村三沢市である。函館 - 大間間の津軽海峡の海上区間を国道279号と重用することから[1][2]、単独区間となる実延長区間は、青森県下だけにある。

路線データ

一般国道の路線を指定する政令[3][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。

歴史

現行の道路法(昭和27年法律第180号)に基づく一般国道の路線として、1974年(昭和49年)11月12日政令第364号の公布によって第3次追加指定され、翌1975年(昭和50年)4月1日施行によって国道になった路線である。 路線指定当初は、むつ市 - 上北郡下田町(現・おいらせ町)間の国道指定を受けていたが、むつ市以北については、1981年(昭和56年)4月30日政令第153号の一般国道の路線指定公布、翌1982年(昭和57年)4月1日施行で、これを延長するかたちで函館市 - むつ市間が国道指定された。函館市 - 下北郡大間町間は国道279号ほかとの重複区間である。

脇野沢村では1934年(昭和9年)4月の大火のあとに村内の道路が拡張されたが、村社八幡宮から役場前まで当時としては斬新なコンクリート舗装された道路が整備された[6]。この道路は脇野沢が「鱈の村」と呼ばれるほどタラ漁が盛んで村の財源が豊富だったことから実現したもので、「鱈道路」と呼ばれた舗装道路は国道338号の一部になっている[6]

一方、青森県下北郡佐井村(佐井七曲)には、昭和期の終わりまでダート区間が残されていた[7]。同村南部からむつ市脇野沢にかけては、かつて道そのものが存在せず、陸上自衛隊第9施設大隊の手によって(土木工事等の受託)6年がかりで1977年(昭和52年)に青森県道として開通した難所である。道路改良により新道が開通したあとの狭隘な未舗装路は廃道になっている[7]

路線状況

むつ市中心部・三沢市周辺を除いては、全般に過疎化した漁村地域を縦断する路線であり、1 - 1.5車線程度の狭隘区間や、漁村の集落内を屈曲した経路で通過する区間が随所に見られる。

陸奥湾口沿いを行く大間 - むつ市脇野沢間を「海峡ライン」と称し、風光明媚な区間であるが、道路条件は厳しい。下北半島西岸の佐井村村内区間は入り江毎に厳しい峠越えを繰り返す隘路である。

近年[いつ?]も佐井村長後集落付近において大規模な地滑りが発生し、一部片側交互通行の措置が執られた。また、そこから南寄りの佐井村野平(青森県道253号長後川内線との分岐) - むつ市脇野沢源籐城(道の駅わきのさわのやや北側)の区間は冬期閉鎖される。

半島東岸の東通村 - 六ヶ所村にかけては、核燃料サイクル施設や東通原子力発電所などの重要な施設が多く所在し、砂子又等既存集落を迂回するバイパス整備が進展している。東通村南端の白糠地区手前から六ヶ所村境界の泊地区にかけては、2012年に開通した白糠バイパス(Ⅰ期)の泊・白糠トンネルが経由可能となったことで狭隘・急カーブ区間は解消された。むつ市中心部や三沢市周辺では重要な生活・経済道路となっている。

別名

  • 海峡ライン(青森県大間町 - むつ市脇野沢)
下北半島北西岸の津軽海峡に面する海岸沿いの約74 km区間の道路[8]。下北郡佐井村大字長後字野平 - むつ市脇野沢間の山岳部に冬季閉鎖区間があり、12月上旬から4月下旬までの期間は通行することは出来ない[8]

バイパス

  • 大間バイパス(青森県下北郡大間町)
  • 宇曽利バイパス
  • 大湊バイパス(むつ市)
  • 白糠バイパス(下北郡東通村大字白糠 - 上北郡六ヶ所村大字泊)
  • 泊バイパス(上北郡六ヶ所村大字泊)
  • 尾駮バイパス(上北郡六ヶ所村大字尾駮 - 同村大字鷹架)

重複区間

  • 国道279号(北海道函館市若松町・函館駅前(起点) - 青森県下北郡大間町大間細間)
  • 国道279号(青森県むつ市小川町2丁目・小川町交点 - むつ市本町)

海上区間

津軽海峡上にある北海道函館市の函館港 - 青森県大間町が国道338号の海上区間で、国道279号と重用する[2]。かつては東日本フェリーによるフェリー路線が海上区間を就航していたが[2]、2009年12月より津軽海峡フェリーが受け持ち、所要時間90分で結んでいる[9]

  • 北海道函館市函館港 - 青森県大間町大間港(津軽海峡フェリーが1日2便就航)

冬期交通規制区間

通行止

  • 佐井村野平 - むつ市脇野沢源藤城(12月上旬 - 4月下旬)

道路施設

トンネル

  • 青森県
    • 泊・白糠トンネル(下北郡東通村大字白糠 - 上北郡六ヶ所村大字泊)

道の駅

所管

  • 北海道開発局 函館開発建設部
    • 函館道路事務所
  • 青森県 県土整備部
    • 下北地域県民局地域整備部
    • 上北地域県民局地域整備部

地理

下北半島西岸の陸奥湾から津軽海峡にかかる海峡ラインは、陸奥湾に面する脇野沢から北へ高度を上げて津軽海峡に出たところの仏ヶ浦まで、山中を走る曲がりくねった山岳道路が続く[8]。佐井村の仏ヶ浦では風雨と波で削られた白緑色の凝灰岩が約2 kmにわたって続き、奇岩がみられる波打ち際の崖下に沿って走る[8][10]。仏ヶ浦がある下ノ崎付近から大間までは津軽海峡間近の海岸沿いのルートで細く曲がりくねった道が続く[8]。大間崎は北海道の函館と、また脇野沢は津軽半島の蟹田と結ぶフェリーの港でもある[8]

通過する自治体

交差する道路

現道

北海道

渡島総合振興局
函館市
国道279号との重複区間は省略)

青森県

下北郡大間町
  • 国道279号 : 大間細間
  • 国道279号 : 奥戸下道
下北郡佐井村
むつ市
(国道279号との重複区間は省略)
  • 国道279号 : 本町
  • 青森県道6号むつ尻屋崎線 : 横迎町1丁目(横迎一交点)
  • 国道279号(むつバイパス) : 横迎町2丁目(横迎二交点)
  • 下北半島縦貫道路(むつ南バイパス) : 田名部斗南岡
下北郡東通村
上北郡六ヶ所村
三沢市
上北郡おいらせ町

大湊バイパス・宇曽利バイパス

青森県

むつ市

尾駮バイパス

青森県

上北郡六ヶ所村

脚注

注釈

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. ^ 2006年3月1日、上北郡下田町、上北郡百石町が合併して、上北郡おいらせ町発足。
  3. ^ 2005年3月14日、むつ市に編入。
  4. ^ a b c d e f g h 2022年3月31日現在

出典

  1. ^ a b 浅井建爾 2015, p. 20–21.
  2. ^ a b c 松波成行 2008, p. 87.
  3. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年10月31日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月18日閲覧。
  5. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年10月26日閲覧。
  6. ^ a b 〈青森県史〉の窓 133”. 青森県. 2022年5月27日閲覧。
  7. ^ a b 平沼義之 2018, p. 104.
  8. ^ a b c d e f 佐々木・石野・伊藤 2015, p. 42.
  9. ^ ノスタルジック航路”. 津軽海峡フェリーWebサイト. 津軽海峡フェリー. 2017年1月22日閲覧。
  10. ^ 須藤英一 2013, pp. 38–39.

参考文献

関連項目