国道429号
一般国道 | |
---|---|
国道429号 | |
総延長 | 249.1 km |
実延長 | 220.4 km |
現道 | 218.0 km |
制定年 | 1982年(昭和57年)指定(1993年(平成5年)延伸) |
起点 | 岡山県倉敷市 竹川橋交差点(北緯34度32分43.92秒 東経133度39分7.85秒 / 北緯34.5455333度 東経133.6521806度) |
主な 経由都市 |
岡山県総社市、津山市 兵庫県朝来市、丹波市 |
終点 | 京都府福知山市 新庄交差点(北緯35度18分19.20秒 東経135度6分13.13秒 / 北緯35.3053333度 東経135.1036472度) |
接続する 主な道路 (記法) |
国道2号 国道180号 国道53号 国道373号 国道29号 国道312号 国道9号 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
国道429号(こくどう429ごう)は、岡山県倉敷市から京都府福知山市に至る一般国道である。
概要
起点の岡山県倉敷市玉島で国道2号から分岐し、旧国道2号を東進して倉敷市大島交差点から北上、山陽自動車道 倉敷インターチェンジ (IC) 、岡山自動車道 岡山総社ICと接続して岡山県北東部の津山市を経由する。津山市からは向きを東寄りに変え、美作市の鳥取自動車道 大原ICと接続して兵庫県宍粟市、朝来市などを経て京都府福知山市新庄で国道9号に至る。総延長が約249 kmある一般国道の路線で、全線の多くは山間部にある[1]。
もともとは府県道だった路線を国道に指定したもので、起点からの旧国道2号の区間を除き、狭小区間や急勾配、急カーブなど未整備区間が少なくなかったことから「酷道」のひとつに数えられている[2]。現在は各所で整備工事が進められており、岡山県では旭バイパス(久米郡美咲町)の整備区間を除き、整備がほぼ完了している。しかし、志引峠を越えた兵庫県側では未整備区間が数多く残っており、峠越え区間で兵庫県の国道にしては珍しい「大型車通行困難」という道路標識が見受けられ[3]、さらに冬季通行止め区間も存在する。
倉敷市浜ノ茶屋地内に起点方向への一方通行区間があるため、実質的に起点→終点の全線走破は不可能である。浜ノ茶屋交差点から浜ノ茶屋北交差点へ向かう道路は国道指定されていない。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[4][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。
- 起点:倉敷市(玉島西IC付近 = 国道2号交点)
- 終点:福知山市(新庄交差点 = 国道9号交点)
- 重要な経過地:総社市、岡山市、岡山県御津郡加茂川町[注釈 2]、津山市、同県英田郡大原町[注釈 3]、兵庫県宍粟郡波賀町[注釈 4]、同県朝来郡朝来町[注釈 5]、同郡生野町[注釈 5]、同県氷上郡青垣町[注釈 6]
- 総延長 : 249.1 km(京都府 11.5 km、兵庫県 97.5 km、岡山県 124.1 km、岡山市 16.1 km)重用延長を含む[5][注釈 7]
- 重用延長 : 28.6 km(京都府 - km、兵庫県 14.6 km、岡山県 13.1 km、岡山市 0.9 km)[5][注釈 7]
- 未供用延長 : なし[5][注釈 7]
- 実延長 : 220.4 km(京都府 11.5 km、兵庫県 82.9 km、岡山県 11.0 km、岡山市 15.1 km)[5][注釈 7]
- 指定区間:国道180号、国道53号、国道29号と重複する区間(岡山県総社市・北國府交差点 - 岡山市北区・小山交差点、津山市・高尾交差点 - 高野交差点、兵庫県宍粟市・斉木口交差点 - 宍粟市波賀町上野)[6]
歴史
当初は、1982年(昭和57年)に指定された倉敷 - 津山間の一般国道である。1993年(平成5年)に津山 - 福知山間が延長指定され、現在は全長約249 kmにおよぶ倉敷 - 福知山間の一般国道の路線となっている。
年表
- 1982年(昭和57年)4月1日 - 一般国道429号(倉敷市 - 津山市)として指定施行[7]。
- 1988年(昭和63年) - 岡山県が倉敷総社バイパスの整備に着手。
- 1993年(平成5年)4月1日 - 津山市から福知山市にかけて、県道津山大原線、県道朝来大原線、県道生野青垣線、府県道福知山青垣線が指定され[要出典]、一般国道429号(倉敷市 - 福知山市)として指定施行[8]。
- 2010年(平成22年)4月28日 - 倉敷総社バイパスの全線が整備完了。
- 2016年(平成28年)2月23日 - 岡山県告示第96号により倉敷市玉島阿賀崎における区間[注釈 8]の路線延伸[9]。
路線状況
起点は倉敷市玉島阿賀崎の国道2号(玉島・笠岡道路)から分岐する。山陽道筋に霞橋を渡って高梁川沿いに大島交差点で折れて北へ進んで行き、倉敷市にある山陽自動車道の倉敷インターチェンジ (IC) 付近までは交通量が多く、交通渋滞も起こる[10]。同市内にある岡山自動車道の岡山総社IC付近は国道180号と重複する区間(総社・一宮バイパス)がある。岡山県久米郡美咲町にある旭川に沿う岡山県道30号落合建部線との重複する区間は旭川を江与味橋と西川大橋の2つ橋で渡り、クランク状の線形をとる。ここにある江与味橋は狭く、センターラインはない[10]。津山市内は国道53号と重複する交通量の多い区間で、新河辺交差点以西は国道53号・179号・429号の3路線が重複する区間となる[10]。
美作 - 朝来間は岡山・兵庫県境の志引峠、宍粟市の高野峠という二つの峠を越えてゆく山間の1.5車線の道路が続き、高野峠付近はすれ違い困難な1車線の狭く林道のような雰囲気を持つ[11]。高野峠付近には「幅員狭小大型車通行不能」の看板があり、峠に近づくと幅員が狭くなる[1]。宍粟市一宮町上岸田では、揖保川沿いの兵庫県道6号養父宍粟線と重複する区間があり、集落内の隘路となる[11]。
朝来 - 福知山間は、朝来市・丹波市境にある青垣峠(生野峠)、丹波市・福知山市境にある榎峠と峠越えが2つある区間で、いずれもすれ違い困難な1車線の隘路があり、特に榎峠越えは大型車が通行できない4か所のヘアピンカーブが兵庫県側にある[3]。朝来市の国道312号交点付近で朝来市生野庁舎がある口銀谷交差点付近は、案内標識が無い交差点を右左折する[3]。終点・新庄交差点付近は2車線の道路となる[3]。
榎峠や高野峠など、林道の様相のいわゆる「酷道」区間がいくつか点在するが、一つ一つの酷道区間は短い[1]。
バイパス
- 倉敷総社バイパス
- 詳細は「倉敷総社バイパス」を参照
- 岡山県倉敷市西坂から岡山県総社市総社字北國府に至る延長5.8 kmのバイパス。吉備路を南北に貫く総社市岡谷 - 総社市総社間は、既存の農免道を拡幅し整備が行われた。2010年(平成22年)4月28日午前10時に供用開始した。
- 総社バイパス
- 足守バイパス
- 旭バイパス
- 休乢トンネル
- とりがたわ道路
- 詳細は「とりがたわ道路」を参照
- 兵庫県宍粟市の千種町岩野辺から波賀町斉木に至る延長2.9 kmのバイパス。カーブが連続し、幅員が狭くいために通行の難所となっていた鳥ヶ乢峠をトンネルによりバイパスしている[12][13]。2008年11月11日に供用開始[14]。
- 神子畑バイパス
- 兵庫県朝来市佐嚢(神子畑地区)に建設された延長640 mのバイパス。幅員は車道2車線6.0 m、全幅9.0 mで、総事業費は約5億円[15]。この道路工事にあわせてムーセ旧居が移築、改修されている[16]。
- 榎峠バイパス
重複区間
- 国道180号総社・一宮バイパス(岡山県総社市総社・北國府交差点 - 岡山市北区門前・小山交差点)
- 国道484号(岡山県加賀郡吉備中央町上加茂 - 下加茂)
- 国道53号(岡山県津山市高尾・高尾交差点 - 津山市高野本郷・高野交差点)
- 国道179号(岡山県津山市一方・一方交差点 - 津山市河辺・新河辺交差点)
- 国道373号(岡山県美作市中町・中町交差点 - 美作市古町・古町交差点)
- 国道29号(兵庫県宍粟市波賀町上野・斉木口交差点 - 宍粟市波賀町上野)
- 国道312号(兵庫県朝来市山口・朝来インター東交差点 - 朝来市生野町口銀谷)
- 国道427号(兵庫県丹波市青垣町大名草 - 丹波市青垣町中佐治)
道の駅
- 岡山県
- かもがわ円城(加賀郡吉備中央町)
交通量
24時間交通量(平成17年度道路交通センサス)
都道府県名 | 地点 | 台数 |
---|---|---|
岡山県 | 倉敷市玉島乙島字狐島 | 20,427 |
兵庫県 | 宍粟市千種町西山 | 512 |
並行する旧街道
岡山県倉敷市
- 近代鴨方往来
- 近世・近代鴨方往来
倉敷市 - 吉備中央町
地理
通過する自治体
交差する道路
起点側より、接続する高速道路・国道・主要地方道を、路線名・交点の順で記す。交点は交差点名、ただし括弧内のものは交点の地名である。
- 岡山県倉敷市
- 国道2号 玉島バイパス - 唐船交差点
- 岡山県道35号倉敷成羽線・岡山県道47号倉敷長浜笠岡線 - 変電所前交差点
- 岡山県道41号新倉敷停車場線 - 中央町一丁目交差点
- 岡山県道54号倉敷美袋線 - 霞橋西詰交差点
- 国道430号 - 霞橋東詰交差点
- 国道2号 岡山バイパス・玉島バイパス - 大西交差点
- 岡山県道60号倉敷笠岡線 - 老松西交差点
- 岡山県道24号倉敷清音線 - 昭和町交差点
- 岡山県道22号倉敷玉野線 - 大島交差点
- E2 山陽自動車道 - 倉敷IC
- 総社市
- 岡山市北区
- E73 岡山自動車道 - 岡山総社IC
- 国道180号 - 小山交差点[注釈 9]
- 岡山県道71号建部大井線 - (大井)
- 岡山県道76号総社三和線 - (大井)から(西山内)まで重複
- 岡山県道72号岡山賀陽線 - (掛畑)[注釈 10]
- 吉備中央町
- 国道484号 - (上加茂)から(下加茂)まで重複
- 岡山県道31号高梁御津線 - (下加茂)にて重複
- 美咲町
- 岡山県道49号高梁旭線 - (江与味)
- 岡山県道30号落合建部線 - (垪和)から(西川上)まで重複
- 岡山県道70号久米建部線 - (錦織)
- 津山市
- 勝央町
- 岡山県道67号勝央勝北線 - (植月中)
- 美作市
- 鳥取県道・岡山県道7号智頭勝田線 - 真加部交差点
- 岡山県道51号美作奈義線 - 真加部交差点から(小畑)まで重複
- 岡山県道5号作東大原線 - (下町)
- E29 鳥取自動車道 - 大原IC
- 国道373号 - 中町交差点から古町交差点まで重複
- 兵庫県宍粟市
- 鳥取県道・兵庫県道72号若桜下三河線 - 室橋東詰交差点から千種交差点まで重複
- 国道29号 - 斉木口交差点から(波賀町上野)まで重複
- 兵庫県道6号養父宍粟線 - (一宮町三方町)から(一宮町上岸田)まで重複
- 朝来市
- 丹波市
- 国道427号 - (青垣町大名草)[注釈 14]
- 兵庫県道7号青垣柏原線 - 小倉交差点
- 国道427号 - (青垣町中佐治)[注釈 14]
- 京都府福知山市
沿線
- 倉敷市立玉島小学校
- 岡山県立玉島高等学校
- 玉島郵便局
- 倉敷市役所玉島支所
- 玉島警察署
- 中国地方整備局岡山国道事務所玉島維持出張所
- 倉敷市立上成小学校
- 高梁川
- 岡山県立水島工業高等学校
- 水島臨海鉄道水島本線
- 山陽本線
- 倉敷市立東中学校
- 川崎医科大学附属高等学校
- 山陽新幹線
- 福山(福山城跡)、由加山
- 作山古墳
- 備中国分寺
- 黒谷ダム
- 宇甘川
- 旭川ダム
- 姫新線・因美線
- 岡山県立大原高等学校
- 智頭急行智頭線
- 道仙寺
- 播但線
- 口銀谷(銀の馬車道)
- 市川
- 加古川
峠
- 休乢(岡山県美咲町 - 岡山県津山市)
- 志引峠(岡山県美作市 - 兵庫県宍粟市)
- 鳥ヶ乢(兵庫県宍粟市)
- 高野峠(兵庫県宍粟市)
- 生野峠 (青垣峠)(兵庫県朝来市 - 同県丹波市)
- 榎峠(兵庫県丹波市 - 京都府福知山市)
ギャラリー
脚注
注釈
- ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ^ 2004年10月1日に2町が合併して加賀郡吉備中央町発足。
- ^ 2005年3月31日に5町1村が合併して美作市発足。
- ^ 2005年4月1日に4町が合併して宍粟市発足。
- ^ a b 2005年4月1日に4町が合併して朝来市発足。
- ^ 2004年11月1日に6町が合併して丹波市発足。
- ^ a b c d e f g 2021年3月31日現在
- ^ 倉敷市玉島阿賀崎のうちの字亀崎2434番1地先から字唐船2657番3地先まで[9]。
- ^ a b 北國府交差点から小山交差点まで、国道180号が重複している。
- ^ 岡山市北区と吉備中央町の境界にある。
- ^ a b 高尾交差点から高野交差点まで、国道53号と重複している。
- ^ a b 一方交差点から新河辺交差点まで、国道179号と重複している。
- ^ a b 朝来インター東交差点から(生野町口銀谷)まで、国道312号と重複している。
- ^ a b (青垣町大名草)から(青垣町中佐治)まで、国道427号と重複している。
出典
- ^ a b c 鹿取茂雄 2018, p. 60.
- ^ 松波成行 2008, p. 54.
- ^ a b c d 渡辺郁麻 2008, p. 55.
- ^ “一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2013年5月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2022. 国土交通省道路局. 2023年6月30日閲覧。
- ^ “一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2013年8月7日閲覧。
- ^ “一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和56年4月30日政令第153号)”. 法庫. 2013年8月7日閲覧。
- ^ “一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(平成4年4月3日政令第104号)”. 法庫. 2013年8月7日閲覧。
- ^ a b “平成28年2月23日 第11763号 (告示第96号)” (PDF). 岡山県公報. 岡山県庁. p. 10 (2016年2月23日). 2016年2月28日閲覧。
- ^ a b c 渡辺郁麻 2008, p. 57.
- ^ a b 渡辺郁麻 2008, p. 56.
- ^ “工事監理日誌” (PDF). 兵庫県まちづくり技術センター. 2012年1月30日閲覧。
- ^ “宍粟・鳥ケ乢トンネルが貫通 09年春開通へ”. 神戸新聞. (2007年1月24日). オリジナルの2009年8月13日時点におけるアーカイブ。 2012年1月30日閲覧。
- ^ “前期基本計画実績表(H18年度 - 21年度)” (PDF). 宍粟市. 2012年1月30日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “一般国道429号 神子畑バイパス の供用開始” (PDF). 兵庫県但馬県民局. 2012年1月30日閲覧。
- ^ “「鉱石の道」の歴史をたどる”. 朝来市. 2011年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月30日閲覧。
- ^ 国道429号(福知山丹波間)の府県境の榎峠バイパス事業化決定 福知山市
- ^ 令和元年度 公共事業評価調書【事前評価】 国道429号(榎峠バイパス)道路整備事業 京都府
参考文献
- 鹿取茂雄(著)、磯部祥行(編)「国道429号〈榎峠〜高野峠〉」『酷道大百科』〈ブルーガイド・グラフィック〉、実業之日本社、2018年12月28日、60 - 61頁、ISBN 978-4-408-06392-8。
- 松波成行、渡辺郁麻「国道429号」『酷道をゆく』、イカロス出版、2008年3月20日、54 - 57頁、ISBN 978-4-86320-025-8。
関連項目
外部リンク
- 国土交通省中国地方整備局
- 岡山国道事務所:岡山県の指定区間(国道180号・国道53号重用区間)を管理。
- 国土交通省近畿地方整備局
- 姫路河川国道事務所:兵庫県の指定区間(国道29号重用区間)を管理。
- 岡山県
- 備中県民局建設部:倉敷市 - 総社市の指定区間外を管理。
- 備前県民局建設部:加賀郡吉備中央町の区間を管理。
- 美作県民局建設部:久米郡美咲町 - 津山市の指定区間外を管理。
- 美作県民局勝英地域事務所:建設部が勝田郡勝央町 - 美作市の指定区間外を管理。
- 岡山市
- 都市整備局:北区役所土木農林分室が指定区間外を管理。
- 兵庫県
- 西播磨県民局龍野土木事務所:宍粟市の指定区間外を管理。
- 但馬県民局養父土木事務所:朝来市の区間を管理
- 丹波県民局丹波土木事務所:丹波市の区間を管理
- 京都府
- 中丹広域振興局中丹西土木事務所:福知山市の区間を管理。